エピソード9 グレイロード1〜復讐の盗賊娘〜
7.兄妹弟子
事件の黒幕を倒し、真相は明らかとなった。しかし、リラとグリーンウェルの兄妹弟子は和解できるのか。
※プレイヤーとキャラクターについての説明はこちらをご覧下さい。
■兄妹喧嘩
DM:グリーンウェルはリラの肩に手を置きそっと抱き寄せて…、美形キャラとしてのセリフを言おう。「リラ、もう大丈夫だよ。これで終わったんだ…」。
リラ:突き飛ばす。
DM:「ブホゥ!」とぶっ倒れるグリーンウェル。
リラ:はっ!白々しい…。殺し損なったから今度は懐柔しようって訳?そうは問屋が卸さないわよ。もうだまされないわ。何が目的?どうしてそこまでしてアタシを殺そうとするのよッ。さっき戦ってる間に背中を見せたら射かけてきたわね。しかもご丁寧に2発。まさか手元が狂った、なんて言うんじゃないでしょうねッなんで?どうしてよ、答えなさいよッ!
DM:「あれはお前を助けたい一心でしたことだよ」と必死なグリーンウェル。
裏コメント:リラの迫真のロールプレイが光ります。
オブリビオン:リラ、いまさら信用出来ない気持ちは分かるけど、グリーンウェルも被害者なんだよ。世の中にはボクたちの想像できない様な悪い行いをする種族もいるんだ。ドッペルゲンガーはボクたちの事をただの玩具程度にしか思っていないんだ。二人を玩んでいたんだよ。でも、リラは今日師匠の仇を討ってレイピアも取り返すことも出来たじゃない?二人の一騎打ちでお互い命を落とさなかったのは師匠の導きだったんじゃないかなぁ。きっと愛弟子同士仲良くしている姿を師匠は望んでいると思うよ。
フィルバート:黙って腕を組んでなりゆきを見守る。こういうのは思いっきりやらせておいたほうが後腐れ無いという価値観。
リラ:そういえば、アンタはどういういきさつでここにいるわけ?全部あの化け物が裏で糸を引いてたっていうんなら、本物のアンタはどうしてノコノコとここに現れてアタシを2回も殺しそこねてるわけ?
DM:「俺は2、3日前にたまたまこの村に行き着いただけさ。昨夜、お前の使いという者から今日ここでの決闘の申し込みがあったんだ。今思えば、あの使いも山賊の一味だったんだろう」とグリーンウェル。「まあ、お前が俺を信用できない気持ちもよく分かるよ…。ここでお別れだな」。
リラ:待ちなさいよ。自分がシロだって言うなら、それなりの事を吐いてから消えてちょうだい。私は直接、死ぬ間際の師匠からアンタの名前を聞いてる。百歩譲ってそれがさっきの化け物だったとして、そもそもアンタはどうしてアタシを犯人だと思ったのよ。
ナイロ:リラがグリーンウェルを引き止めるまで険しい顔をしていましたが、引き止めてからはリラの気持ちが解かった様子で、ばれないように微笑みながら成り行きを見守ります。
DM:その場を去ろうとしたグリーンウェルは振り向き、「師匠ドモンは年老いたとはいえ、その辺の戦士に不意を討たれるような方ではなかった。師匠の不意を討てるのは心を許してくれた俺とリラだけだよ。だから俺はお前が師匠殺しの犯人だと思った…。俺が馬鹿だったよ。あの厳しくも楽しかった修行の日々…、もう二度と戻ってこないんだな…。達者でな」。
リラ:去りゆくグリーンウェルの背中に…。グリーンウェル!と呼びかけて、鞘に収めた【レイピア・オブ・“アウトサイダー”ベイン】を放ります。
それ、師匠の墓前で見せてやって。そんで、師匠に事件の顛末報告してちょうだい。アタシは別件で忙しいの。替わりにやってくれるわよね?それと、貸し一つだから。どこかであったら返してもらうわよ。
リラ:それだけ言ってニッと笑う。
DM:「師匠の墓前には行くつもりだ。だがこいつ(レイピア)はお前が持って行け。またどうせ面倒に巻き込まれてるんだろ?師匠は天国で俺のことより、よっぽどお前のことの方を心配しているからな!」と言って、グリーンウェルは【レイピア・オブ・“アウトサイダー”ベイン】を投げ返す。「じゃあ。本当にお別れだ。借りはいつか返すっ」と爽やかな笑みで去っていく。
リラ:…まったく、強がり言っちゃって。でもま、不肖の兄弟子の顔を立てて、コイツは預からせてもらいますかねー。レイピアを拾い上げる。
フィルバート:ううーんと背伸びをする。ケリが着いたようだな。それじゃとっとと娘さん探しに戻るとするか。朝から暴れたから腹が減ったぜ(笑)。
ナイロ:リラさんもいつの間にか大人になっていたんですね…。でも、まだまだ成長段階ですけどね。誰にもばれないように笑顔で駅馬車に向かいます。
オブリビオン:パチパチパチと拍手!誤解が解けてよかったね。これにて一件落着だっ!さぁて、いきますか。フィル&ナイロについていきます。
リリィ:おーい!待ってくれ〜。カンフー行くぞ。カンフーはオンと一吠え。
裏コメント:リラのロールプレイのおかげで、兄妹が和解するまでの過程がドラマチックに演出できたと思います。たまにはDMとPCのガチンコの演出のぶつけ合いも面白いものです。
■追いつ追われつの馬車旅
DM:君たちは駅馬車へ向かう。ミルコ爺さんはすでに出発の準備をして待っている。「おーい。どこ行っとったんじゃあ〜。待っておったぞ〜」。
駅馬車の前に一人の身だしなみの整った髪を七三分けにした出っ歯の小男が立っている。
ナイロ:すみませんミルコ殿、ちょっと用事が長引いてしまいまして…。それより、そちらの男性はどなたですか?
DM:では、小男自ら話し始める。あくまで丁寧な姿勢を崩さず。
チチチ…。私、”バタフライバット商会”の者です。この度、ヨウ・ハキョウ婦人という方から4体のモンスターをお買い上げ頂きまして。そしてご婦人からあなた方にご伝言がございます。『ブロークンソードとサエラ嬢を追う者にはモンスターの襲撃が待っていることでしょう』とのことでございます。チチチ…。それでは私はこれで失礼いたします。
DM:出っ歯の小男は去っていく…。
オブリビオン:今後モンスター4体の襲撃を受ける事になるんですね。次から次に厄介ごとが訪れる旅ですな。
フィルバート:ふーん、わざわざ教えてくれてありがたいことだぜ。速攻で馬車に乗りこみ保存食を食い始める。うん!運動の後のメシは格別だなぁ!
DM:モンスター4体くらいじゃ。パーティー最強の破壊兵器は驚かないか(笑)。うひひ。
ナイロ:今回の冒険も一筋縄ではいかないようですね。ヨウ・ハキョウ婦人という方がブロークンソードとサエラ嬢の逃亡を手伝っているんでしょうか?
リリィ:追いつ追われつの馬車旅か。これはおもしろいことになってきたな。ガハハ。なあ、カンフー。
DM:カンフーはすでに馬車の中で睡眠中。
リリィ:(少し声が裏返った感じで)カ、カンフー…?
リラ:「バタフライバット商会」、「ヨウ・ハキョウ婦人」に心当たりはないか【知力】判定は可?
DM:気になる固有名詞については【知力】判定可能です。
オブリビオンの知識により、”バタフライバット商会”は『ライス・キャッスル』でモンスターの売買で有名な組織であること、ヨウ・ハキョウ婦人はハイゼンベルグ村を支配していたという女吸血鬼であるが、しかしそれは数百年も昔の話のはずだ…、ということが分かった。
裏コメント:バタフライバット商会はエピソード4(未完)に出てきた組織です。88ちゃんが考えた設定ですね。ちょっと遊びで設定を拝借してみました。
オブリビオン:ヨウ・ハキョウ婦人は数百年前の吸血鬼のはず。何者かが復活させたのか?謎は残るもののあまり考えないようにしよう。
フィルバート:うーん、駆け落ちにしちゃあ他人が首を突込んでくるってのは変ってことか?
リラ:ブロークンソードが露払いで依頼したのか、はたまた依頼人の兄貴達が手を回したクーロン兄弟とかいうのの妨害工作か。すんなり追いつけるとは思ってなかったけど、やっぱり面倒な事になりそうね…。
じいさん、兄貴、コレ(レイピア)預からせてもらうよ。いざとなったら力を借りるわ…。
リラ:【レイピア・オブ・“アウトサイダー”ベイン】を腰に差し、みんなに着いていきます。
ナイロ:いつもの事ですが前途多難ですね。リラ、フィル、オブ、リリィ、カンフーと順番に見て…。考えても仕方がないか。今までだって何とかやってきたんだし、今回もきっとそうですね。頼れる仲間も増えましたし…、私はもう一人では無いのだから…。
リリィ:意味深発言か?
DM:「んじゃあ。出発じゃあ〜」とミルコ爺さんが馬たちに鞭をくれて、駅馬車は出発する。
ブロークンソードとサエラを追うパーティー。同様に二人を追跡しているというクーロン兄弟。また、二人を助ける?謎の人物、ヨウ・ハキョウ婦人。今後、ブロークンソードとサエラを追う者たちに“バタフライバット商会”のモンスターが襲いかかるという。様々な者たちの思惑が交錯する灰色街道(グレイロード)…。さらなる波乱に満ちた冒険の気配を漂わせつつ、駅馬車はパーティーを乗せ、次の駅へ向けて出発する。
エピソード9 グレイロード1〜復讐の盗賊娘〜 END
裏コメント:まだミニキャンペーン「グレイロード編」は始まったばかり。しばらくはこの駅馬車の旅にお付き合い下さい。
■報酬と経験点
DM:今回の報酬と経験点、および追加装備は以下のようになりました。
●オブリビオン:経験点410(合計:1722)
260gp
●リリィ:経験410(合計:2322)
260gp
●フィルバート:経験点410(合計:1872)
260gp
●ナイロ:経験点410(合計:1872)
260gp
●リラ:経験点410(合計:410)
260gp
謎の指輪
【レイピア・オブ・“アウトサイダー”ベイン】
■冒険を終えて
DM:「なんだ?ブロークンソードやサエラはどうなったんだ?」とみなさんお思いでしょう。本エピソードから「グレイロード編」という連作ミニキャンペーンをやりたいという野望を抱いており、プレイをしているうちにだんだん全貌が見えてくる方が面白いかと思い内緒にしていました。そのためにエピソード9では意図的にたくさんの情報を提示しました。これがみなさんを混乱させ、エピソード9の主題を分かりづらくしてしまったのではないか?と反省しています。
フィルバート:情報量の多さは全く気になりませんでしたよ。リラとの出会いの部分などは楽しかったです。
オブリビオン:今回出てきた情報がこの先繋がってくるという楽しみが続きますね。より奥行きのあるシナリオになると思います。DMさんに期待しちゃいますよ。
ナイロ:今回も色々ありましたが、まだ旅の途中なんですよね〜。今後のシナリオに興味出てきましたよ!
DM:リラさんが初登場にもかかわらず、頑張って主役を張ってくれました。感謝です。
リラ:登場するときの振りが逃走の旅だったのにいつの間にか追う旅になっていたのが厳しかったですね。
オブリビオン:リラさんの迫真の演技にオブちゃんはドキドキしっぱなしでした。
リラ:後でログを読み返してみたら「何このツンデレは」状態でしたが(笑)。
ナイロ:今回のエピソード9は新しい仲間も増えて楽しかったです。今後もより一層楽しさに磨きを掛けて行きましょうね。
フィルバート:次作も期待していますのでよろしく!
一同:よろしく〜。
DM:これからもお気楽に行きましょう。みなさん忙しい仕事の合間を縫って時間を作って遊んでいるわけですからね。楽しく遊ばなきゃね〜♪
裏コメント:今回の主演女優賞は間違いなくリラでしたね。リラなしではエピソード9はここまで盛り上がらなかったのではないでしょうか。そういう意味では初登場PCを主役にするDMの試みは大成功だったと言えましょう。ありがとうね、リラ。
駅馬車の旅はまだ始まったばかりです。駅馬車が進むと共に激しさを増すパーティーを襲う脅威。その物語については次回のお楽しみ。
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