エピソード8 イン・リリーズ・ガーデン

                                                           5.美しき庭園

ダンジョンを進むパーティー。遂にパーティーが辿り着いた場所とは?

※プレイヤーとキャラクターについての説明はこちらをご覧下さい。


■冒険者の亡骸

ナイロ:蜘蛛がアイテムを持ってないか調べます。<捜索>判定。何か持ってないですかね…。
ナイロ:d20=(11)=11
DM:蜘蛛自体が何かを身に付けている事はないですが、蜘蛛が倒れたC12の北側の壁面には目に見える程はっきりと幾重にも重なった蜘蛛の巣があり、そこには糸でグルグル巻きにされた過去の犠牲者が発見できた。その者が身に付けていたと思われる背負い袋が見えますが、糸に絡まっているため取ることが出来ません。

フィルバート:背負い袋は10フィートの棒で届きそうですか?
DM:届きます。手を伸ばしても届きそうな位置です。
フィルバート:背負い袋をとってみましょう。ムンズ(手で掴む音です)。
ナイロ:気をつけて下さいね。

DM:袋を掴んだものの、糸に絡まっていて普通に引っ張っても取れません。思いっきり引っ張る場合は【筋力】判定をして下さい。
フィルバート:む…、蜘蛛の巣に引っかかって取れないな。よし!思いっきり引っ張ってみるぜ。変なモノが落ちてくるとまずいからな。みんなは少し離れていてくれ。オルァ!!
フィルバート:d20+5=(8)+5=13
DM:思いっきり引っ張ってみたものの、取り出すことは出来ませんでした。糸でグルグル巻きにされた過去の犠牲者が背負っている袋ですので、引っ張ったくらいでは取れないようですね。

フィルバート:くそ!どうやら糸が絡んで取れないようだなぁ。ダガーを取り出して絡んでいる糸を切るのを試みます。
DM:糸は簡単に切る事ができ、袋を背負った干乾びた死体がゴロッと出てきた。
フィルバート:うわ!なんじゃこりゃあ!!ビックリして後ろに飛び退きます。
ナイロ:干乾びた死体に冥福の祈りを捧げます。

リリィ:さっさと金目のものだけ頂いて行こうぜ。
DM:さすが属性が中立、合理主義ですな。背負い袋を調べると、中には銀貨の沢山入った小袋と耐毒剤が2服入っていた。身に付けている物で使えそうなものは特にない。

フィルバート:仏さんから物をはぎ取るのは気が引けるんだが…、といいつつ小袋と解毒剤をとりましょう。すまねぇ、これも何かの縁だ。こいつは有効に使わせて貰うぜ。ワインを死体にかけて黙祷します。
ナイロ:祈りを捧げ終わって…。死んでしまった方も、このダンジョンを私達が攻略する事を願ってくれていると思います。蜘蛛を倒して仇はとりましたからね。
フィルバート:そうだな、ナイロ。そう考えることにするぜ。俺らがここを制覇すれば、もう無謀な奴らが来る理由も無くなることだしな。

フィルバート:耐毒剤はどうする?2つしかないから人数分にはちと足りないな…。解毒剤ではなくて耐毒剤なので,事前に飲まないと意味がないですね。
ナイロ:前衛の方が持っていた方が良いでしょうね。


■隠し通路

DM:フィルバートが糸の塊を取り除いたことで、その後方にあった別の蜘蛛の巣が現れていた。この巣は幾重にも重なっていた巣の一番後ろにあったもので、なぜかぼんやりと光っているように見える。
ナイロ:皆さん、他にも蜘蛛が居るかも知れませんよ。警戒してください!ライト・クロスボウを構え戦闘態勢をとります。
フィルバート:む?なんだなんだ?何かあるのか?<視認>判定します。
フィルバート:d20+4=(14)+4=18
フィルバート:よく見ると、蜘蛛の巣自体が発光しているのではなく、蜘蛛の巣の後ろに光源があるように見える。この光は動かず明るさも変わらず、全体的に明るい感じです。

フィルバート:10フィートの棒を突っ込んで光っている当たりをまさぐります。
DM:10フィート棒は岩壁に当たらずに奥へと突いていける。まさぐると、蜘蛛の巣が絡み取られ、奥へ続く通路が現れた!
フィルバート:ありゃりゃ?蜘蛛の巣の向こうにも道があるみたいだな。しかも明かりがついているってのは一体どうしたわけなんだろうな?何か…、もしかしたらリドラスの工房がここにあるとか?んなわけないよなぁ〜。俺は蜘蛛の巣をどかしてから奧に進んでみたいんだが、みんなどうする?
リリィ:なんだ?奥に進めるのか?行ってみるか。
ナイロ:なんだか気になりますしね。進んでみましょう。

フィルバート:あ、リリィ。先刻から気になっていたんだが、おまえは飛び道具を持っていないのか?
リリィ:む?
フィルバート:どうも一筋縄で行かない奴らばかり出てくる洞窟のようだから、おまえの自慢のシミターが使えないことがあるかもしれないぜ。このスリングを一応渡しておくぜ。
リリィ:すまんな。シミターだけではいまいち見せ場が作れなくて困っていたところだ。しかし、ワシにうまく使えるかな?
フィルバート:ああ、おまえほどの漢ならスリングぐらい軽く扱えるだろう。スリングとスリング・ブリットx10を渡します。
リリィ:ぬふふ。ワシほどの漢ならな!それは当然か。ぐはははー。
DM:…もう進めていいですか?

裏コメント:今回は遠隔武器の有効性を再認識したシナリオでした。


■秘密の花園、戦士の石像

DM:蜘蛛の巣を払いのけながらみなさんは奥へ進みます。洞窟内にも関わらず前方が日の光で明るく照らされていることが分かる。通路は5フィート幅ですので、隊列と武器を確認します。隊列はフィルバート、カンフー、リリィ、ナイロでよいですか?準備している武器はフィルバートはロングボウ、ナイロはライト・クロスボウ、リリィはスリングでOKですか?
一同:OKで〜す。

DM:少し先に進むと、とても広い空間に出た…。その瞬間!目の前に、剣を大きく振りかぶった恐ろしい形相の戦士の姿が見えた!
リリィ:のわっ、でたー!とその辺に隠れようとする。
ナイロ:冷たく白い目でリリィさんを見ます…。
フィルバート:む?新手の敵か?!<視認>判定。
フィルバート:d20+4=(18)+4=22
DM:よく見ると、戦士はそのままの格好で動かない…、なんと石像である。
リリィ:ふっ…、びびらせやがって。みんな安心しろ、単なる石像だ。がはは。
ナイロ:…。

ナイロ:これが酒場のマスターが言ってた人間が石になったような石像ですかね?
フィルバート:ってことは、近くにお目当てのバケモノがいるってことだな。こいつは気を引き締めていかないとな。用心しながら石像に近づいて調べてみましょう。
DM:戦士の像は普通の石像にしか見えないよ。
リリィ:そうだな。人間を石にするかもしれないモンスターか…、おもしろい!
ナイロ:おもしろいって…、リリィさんっ!?危険の方が多いんですよっ!気をつけて下さいね!
リリィ:まあ怒るな、ナイロ。お前も冒険者なら胸が高ぶらんか?もちろん危険には十分注意を払わねばな。
フィルバート:リリィ。おまえはさっき危ない目に遭ったってのに全然懲りてないんだな…。まあ、それがおまえのいいところでもあるんだがな。ナイロ、リリィが暴走しないように一つよろしく頼むぜ。
ナイロ:カンフー、あなたのご主人にも困ったものですね…。

DM:通路を抜けた空間は、これまで通って来た場所とは異なり天井がかなり高く、天井の所々に大きな穴が開いていて自然の陽光を取り込んでいた。差し込む光が東西にある泉をキラキラ反射させていてとても美しい。その光のおかげで、洞窟内には草花が咲き誇り、まるで王宮の庭園のようだ。目の前の戦士像の他にも、緑の空間には石像がいくつも不規則に並んでいる。ほとんどが勇ましい戦士の姿であり、今にも動き出しそうなくらい良く出来た作りだ。そして、北側には、明らかに人工物と思われる石造りの建物がある。

DM:マップはこんな感じです。戦士像はJ5の位置です。その他の像は緑の位置に点在しています。

フィルバート:うーん、この石像は特に異常は無いな。しかし洞窟にしちゃあかなり美しいところだな。

リリィ:よし、カンフー頼むぞ。鋭敏嗅覚オンです。
DM:「ウゥーッ」と戦士像の後方あたりに唸っている。またしても何かの気配を感じているようだ。
ナイロ:カンフー?何か居るんですか!?ライト・クロスボウを構えて警戒します。
フィルバート:む?どうした?カンフー。
リリィ:なんだかワシよりカンフーの信頼度の方が高いような…。


■守護者リリー

DM:突然、この空間に低い声が響いた。「礼儀知らずの来訪者よ、石像になりたくば、武器を納めてそこで待て!」。その言葉の直後、「コッカーーッ!」という鳴き声が響いた。眼前の戦士像の側(I6)に、いつの間にか気味の悪い雄鶏の様な姿の生物が1匹いて、こちらを見ている。

フィルバート:あー、もしかしたらあんたはリドラスさんか?実はあんたの彫刻が壊されて嘆いている人の依頼であんたに会いに来たんだ。無礼を働いたってんなら、悪気はないんだ。許してくれ。弓を床に落とします。
リリィ:ワシもフィルに倣って断腸の思いでスリングを地面に落とす。そしてうつむいたままいつでもシミターを抜こうと、悪魔的な笑みでほくそ笑む。
DM:何かたくらんでるな?
リリィ:ふふふ。ワシは属性が中立だ。
DM:くれぐれも悪にならないように…。
ナイロ:私はライト・クロスボウを下げます。手には持ってます(狙わないで戦意が無い事を示します)。そして、酒場であった出来事をリドラスさん?に話します。

リリィ:こ、これは!冒険者の実力お試しの王道のパターンか?!ぬ!あのモンスターは?!【知力】判定 。
リリィ:d20+2=(18)+2=20
DM:このモンスターは、生き物の肉を石に変えてしまう恐ろしい生物、コッカトリスだと分かった!

リリィ:みんな!気をつけろ。あのモンスターはコッカトリスだ。え〜、コッカトリスというモンスターはだな…。
DM:「リドラス…」。「リドラス…」。「リドラス、リドラス…」。いくつもの声が洞窟内に響き渡る。そして、目の前にいた恐ろしいモンスターの姿がゆらぎ…、消えた!
リリィ:なぬ?消えた…。

裏コメント:ようやく【知力】判定に成功したと思ったら…(笑)。

フィルバート:む?何だ!一体何が起こったんだ!
ナイロ:消えた?さっきのは実態なんでしょうか?

DM:モンスターの姿は消えたが、「コッカーーッ!」と洞窟内に声が響く。
リリィ:うるせーな。
DM:洞窟内がシーンと静まりかえった…。
リリィ:どっちなんだよっ。
DM:そして、奥の建物の扉が開き、美しい女性が現れた。「リドラス殿をご存知なのですか?ここは彼の工房です」。

フィルバート:…いや、リドラスさんのことは直接は知らねぜ。
ナイロ:私達は怪しい物ではありません。酒場であった出来事を話します。

DM:女性の目から涙がこぼれた。「脅かしたりして済みませんでした。ここにある石像は全てリドラス殿の作品です。酒場の主人の言うとおり、リドラス殿は既にこの世におりません。私は彼の亡き後、この工房を守護している者です。名をリリーと申します」。
リリィ:え?

裏コメント:「リリィ」と「リリー」ですね。

フィルバート:さっきも言ったとおりリドラスさんの作品に感銘を受けた人が、リドラスさんのデッサンを拝見したいって言っていたんで、ここに来たんだ。

DM:「そうですか、リドラス殿と同じ境遇の者がいらっしゃるのですね…。リドラス殿は生涯弟子を取りませんでした。そして、私は彼の後継者が現れるのをずっと待っておりました。ラスマート殿は後継者に相応しい者ですね。私はその方にリドラス殿の宝を授けます」とリリーと名乗る女性。
リリィ:そうかい。そいうことならあのドワーフも喜ぶな。それはそうと、リリーさんあそこの工房かい?そこにはまだ他に誰かいるよな?さっき野太い男の声がしたが?
DM:「私の事かな?」と低い声が響き渡る。「コッカーーッ!」と甲高い声が後に続く。「それはもういいって…」と突っ込む声も聞こえる。「お前達は悪い奴じゃなさそうだから、通ってもいいぞ。」と別の声もする。

DM:「この庭園を気に入って住んでいる4人の妖精の声です。イタズラ好きで普段は姿を隠していますの。リドラス殿の工房を荒らす者たちを追い払ってくれているのです。先程のモンスターも彼らのイタズラです」とリリー。

フィルバート:俺はフィルバートってんだ。ラスマートさんはリドラスさんの作品に心底惚れ込んでいるようだから、リリーさんの話を聞いたら大喜びするだろうぜ。
DM:「いいえ、お礼を言いたいのは私の方です。ラスマート殿によろしくお伝えください」とリリー。

ナイロ:何故、あなたがこの工房を守護しているのですか?リドラス殿と何か関係があるのですか?
DM:「リドラス殿は私の恩人で、ここは彼にとって大切な場所です。それから、私は彼の意思を何方かに伝えたかっただけです」とリリー。

リリィ:(シリアスに)リリーさん、すまん。ワシはリリィ・オンザヒルというドルイドなんだが、過去の記憶を失っていてな…。あんたの名前がリリー…、ワシと何か関係はあるのだろうか?
DM:実はリリィの母親です(ウソ)。「まあ、偶然ですね。私もこの名前は気に入っていますの」と言って微笑むリリー。
リリィ:思わせぶりな紛らわしいキャラ出すんじゃねぇーっ!
DM:偶然すなわち、それはDMの策略とも言う…(笑)。

裏コメント:何も伏線はないようです。


■意外な侵入者

DM:「では、彼の残した宝をあなた方に預けます。こちらへ来てください」と、建物へ案内する。 皆さん、建物に向かうという事でよろしいですか?
リリィ: ワシはいいぞ。その前に捨てたスリング拾っていい?
DM:いいですよ(笑)。黙ってたらそのままにするつもりだったのに、よく気付いたね。
フィルバート:じゃあリリーさん、案内を頼むぜ。リリーさんに許しを得てから弓を拾います。
DM:もう敵意が無い事が確認できていますので問題ないです。妖精たちもイタズラしません。
フィルバート:了解です。さすがに手に持っているのは無礼だと思い、フィルは現在武器を全部鞘に収めて手には何も持っていません。敵対的じゃない相手を素直に信用するフィルバートですが、それが吉と出るか凶と出るか…、性格だから仕方ないですね(笑)。
ナイロ:建物に入る事で了解です。武装解除して入ります。

DM:扉の前に来たとき、突然、後方から大きな声がした!「のわっ、でたー!」。
リリィ:誰だか知らんが、ワシと同じリアクションするな!
フィルバート:何だ!!何事だ!後ろを振り返る。
ナイロ:声のする方に振り向き、何が起こったのか確認します。

DM:「なんだ、石像かよ。脅かしやがって!」と、灰色のたてがみのノールが言う。「おい、カムル。今、宝がどうとかって聞こえたか?」黄色のたてがみのノールが続く。カムル(灰色ノール)「そうだな、ビギル。その宝を奪ってこそ…」、ビギル(黄色ノール)「真に俺たちの…」。
リリィ:…。
DM:カムル&ビギル「時代だな!」
リリィ:だからハモるなよ。
DM:なんと!『太っ腹のアナグマ亭』で見かけたノールの二人組みが手にバトルアックスを持ち、「ゲッケケ…」と下品な笑い声を上げている。

裏コメント:カムル&ビギルってDM(88)のネーミングセンスはどうなんでしょう(笑)。当サイト名は「Come&Begin」です。

DM:いよいよラストバトルの始まりです!!
一同:…。
DM:何か?
リリィ:い、いや。ラスボスがノールですか?
DM:ダメ?
フィルバート:脅威度1ですよね。
DM:何を言うか!人型モンスターは武器を持ってるからダメージが大きいんだぞ!
ナイロ:(笑)。では行きますかっ!



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