格下げ車
日野1
岩手県北バスは、一般路線にも前ドア車を使用している関係で、貸切バスからの格下げ車も多く、またごく自然に走っていました。ここではまず、日野車のうち、路線タイプの前面スタイルを持つ格下げ車をまとめてみます。昭和40年代には貸切バスといってもおでこに方向幕をもつ路線バス顔の車両も多くあったようですが、“その頃”にはそれらの格下げ車がそろそろ廃車になる時期でした。
日野RC300P(1971年)
岩22か195

撮影:宮古駅(1984.4.1)
金産車体を持つ格下げ車。側窓の縦寸法が小さく屋根のカーブが深いほか、扉の窓にも特徴があります。
宮古営業所に配属されていましたが、このあと間もなく廃車になったようで、この角度でしか撮影できませんでした。
日野RC300P(1973年)
岩22か329

撮影:盛岡バスセンター(1984.11.18)
路線タイプの前面スタイルを持つ貸切車を格下げしたもの。1973年の車両は、前輪のフェンダに縁がないのが特徴です。
廃車体(登録番号不詳)

撮影:西根営業所(1986.5.5)
同じく1973年式ですが、前ドアが通しガラスのものに交換されています。前面窓がルーフラインまである観光マスクの車両についていたドアを流用したものと思われます。
廃車になって西根営業所に留置してある姿です。
日野RC300P(1974年)
岩22か494

撮影:盛岡バスセンター(1984.11.18)
ほとんど前年製と変わりませんが、前輪のフェンダに縁がついたことで、違いが読み取れます。
なお、これらの格下げ車は、最前列のシートが一人掛けになっています。冷房はありません。
岩22か495

撮影:盛岡バスセンター(1984.12.16)
岩22か495

撮影:西根営業所(1985.7.29)
岩22か495は前ドアの窓が1枚ガラスですが、これも多分廃車になった観光タイプのドアを流用していたものと思われます。
日野RC320P(1974年)
岩22か490

撮影:盛岡バスセンター(1984.12.16)
岩22か490

撮影:西根営業所(1986.5.5)
上のRC300Pとはフロントグリルの形状が異なります。銘板を調べたら少し長いRC320Pでした。さらに後ろ姿を見ると、ターボ付の高出力車でした。
なお、同じ年式でありながら、こちらの前輪フェンダは縁が裾まであります。過渡期の車両のようです。
やはり最前列のシートが一人掛けで、冷房はありません。
日野RC320P(1975年)
岩22か628

撮影:盛岡バスセンター(1985.11.10)
岩22か628

撮影:西根営業所(1985.7.29)
路線タイプの前面スタイルを持つ貸切車としては最後の車両です。サブエンジン冷房がついています。
フロントグリルの中央部に飾りがあるあたりが外形上の特徴です。また、上の1974年式とも共通することですが、リアのエンジン通気孔が二つあるのがRC300Pとの相違点でもありました。ターボ付だったようです。