元岩手中央バス
いすゞ車
岩手中央バスは1970年に国際興業グループ入りした後、間もなくいすゞ製の新車を導入しています。それまでのワンマンカーの仕様を引き継ぎ、前中引き戸で側面の方向幕がありません。短尺車を採用する傾向があります。観光タイプのボディを持つ貸切車、中距離路線車もありましたが、それらは別項で取り上げています。
いすゞBA30(1970年式)
岩2く436
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撮影:河南営業所(1984.4.9)
岩手中央バスが標準的なワンマンカーとして導入していた車両。側面には方向幕がなく、行き先板で対応しています。盛岡地区の車両が側面方向幕を使用していなかったのは、岩手中央バスの名残だったのでしょう。
このBA30は盛岡市内で多く見られましたが、1985年までに廃車となりました。
いすゞBA30(1971年式)
岩22か105
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撮影:滝沢営業所(1985.5.11)
岩22か109
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撮影:都南車庫(1985.7.24)
1971年式からは前面に系統幕がつきました。車体メーカーの仕様変更点としては、後部の雨樋縦管の形状が上げられます。
前ドアに「71498」という中央バス時代の車番が残っています。「71」は年式ですが「498」は何でしょうか? 上の1970年式が「70436」となっていることからして、「岩2」時代に登録番号をそのまま車番にしていたのを、「岩22」になったあと続き番号をつけたということのようです。
いすゞBA20(1974年式)
岩22か543
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撮影:河南営業所(1984.4.9)
1974年に5両が導入された9m車。盛岡地区に3両と花巻地区に2両がありました。
1985年に岩手県交通カラーに塗り替えられましたが、小さかったからかBAのエンジンが嫌われたからか、1988年には廃車になってしまいました。
岩22か539
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撮影:紫波営業所(1986.4.29)
1985年に岩手県交通カラーに塗り替えられた後の姿。
1974年式のBA20全車と1976年式のBU10全車が塗り替えられましたが、こちらのBA20のほうは早くも1988年には廃車になってしまいました。
岩22か544
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撮影:滝沢営業所(1984.9.5)
9m車にはツードア車とともに1両だけ前ドア車もありました。中距離路線用で、花巻空港線にも使用されたようですが、“その頃”には滝沢営業所にあり、定期運用は皆無でした。
路線バスのスタイルながら国際興業貸切カラーなのが新鮮でした。岩手中央バスではこのカラーを中長距離路線カラーにしていたということのようです。1984年末に県交通カラーに塗り替えられ、このカラーは一旦県交通から姿を消しました。
1988年には廃車となりました。
いすゞBU10(1976年式)
岩22か762
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撮影:矢巾営業所(1984.6.12)
岩手中央バスが最後に導入した車両で、10.5mの標準尺の大型車となりました。これまでの仕様を引き継ぎ、側面方向幕はなく、座席は緑色のビニル張です。
盛岡市内の各営業所に配置されており、県交通成立後の導入車とともに主力として使用されていました。1985年の夏ごろから県交通カラーへの塗り替えが始まりました。