高速・貸切バス
ハイデッカー(いすゞ)
東北の国鉄バスのハイデッカー導入は1985年の「ヨーデル号」開業以降でした。民間各社が「ヨーデル号」用にハイデッカーを新造する中、国鉄バスもこれに続き、以後の貸切・高速用はハイデッカーに移行しました。この時期、国鉄バスは民営化を控え、急速に車両のグレードアップを図っているのがよく分かります。
いすゞP-LV219Q(1985年式)
岩22か2162
撮影:盛岡支所(1986.4.30)
岩22か2165
撮影:盛岡駅(1986.5.18)
国鉄バスでも高速バスにハイデッカーを投入、サービスアップにしのぎを削ります。
盛岡支所と久慈営業所に1両ずつが配属され、盛岡の車両は「ヨーデル号」に、久慈の車両は「白樺号」に投入されました。
前側の写真は久慈の車両で車番は「641-5973」。後ろ側は盛岡の車両で「641-5974」です。
いすゞP-LV219S(1985年式)
岩22か2186
撮影:盛岡支所(1985.9.8)
岩22か2186
撮影:盛岡駅(1986.8.8)
1985年中に早くも3世代目の「ヨーデル号」用車両が登場しました。川重のハイデッカーⅣ型で、連続したカーブドガラスが特徴です。
カラーデザインも変わり、大きなツバメを描いた国鉄バスの新しい高速バスカラーになりました。正面の動輪マークはJNRマークに変わりました。同型車は、貸切・高速用として東北地方各地に入っています。
車番は「641-5986」。
いすゞP-LV219Q(1986年式)
岩22か2307
撮影:一関営業所(1986.8.7)
富士重工製の車体で、前年度の同型車と比べると、新塗色になり、窓周りがブラックに塗られている点などに違いが見られます。
この車両は一関営業所に配属され、一関−仙台間の高速バスに使用されていました。
車番は「641-6924」。
(注1)
いすゞP-LV219S(1986年式)
岩22か2308
撮影:一関営業所(1986.8.24)
岩22か2308
撮影:一関営業所(1986.8.24)
1986年の新車でIKコーチのハイデッカーⅤ型です。ボディスタイルは川重時代のままで、窓の隅にRがあり、後面の窓も2枚ガラスです。
一関営業所で貸切に使用されていました。
車番は「641-6912」。
岩22か2336
撮影:盛岡支所(1986.7.31)
岩22か2337
撮影:盛岡支所(1986.7.26)
「ヨーデル号」の増便のための増備車。前年度のハイデッカーⅣ型とほぼ同じですが、窓周りを黒く塗ったため、雰囲気が多少異なります。
前側の車両は「641-6949」。後ろ姿は「641-6950」です。
岩22か2395
撮影:盛岡支所(1987.7.18)
国鉄時代最後の新車。貸切・高速用はハイデッカーⅤ型に変わりました。後面はIKコーチになってからの1枚ガラスのスタイルです。
この車両は正面のマークがJNRマークから動輪のマークに戻っていますが、これは明らかに廃止されるJNRマークを避けたものと思われます。よく見ると、側面のJNRマークもついていません。
なお、撮影時には民営化されており、側面後部には「JR東日本」と書かれています。主に「とわだこ号」に使用されていました。
車番は「641-6955」。
いすゞP-LV219S(1987年式)
岩22か2490
撮影:盛岡支所(1987.10.6)
JR東日本としては最初の貸切新車です。富士重工のボディですが、スィングドア、上部が固定式のいわゆるT字型窓など、民営化されたことで新たな試みが見られます。また、これまでは高速バスと共通のため側面に方向幕がありましたが、この車両にはそれがなく、貸切専用に使うようです。
また、車番の下に貸切の文字が入るようになりました。
車番は「641-7966」。
いすゞP-LV719R(1988年式)
岩手22き13
撮影:盛岡支所(1988.7.21)
上の車両とよく似ていますが、シャーシがモデルチェンジされたため、フロントオーバーハングが長くなりました。
車番からして、1987年度に落成して年度明けに登録されたようです。「641-7984」です。