いすゞ自動車(CCM/CDMの詳細)
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昭和54年排ガス規制に対応し、1980年以降は型式の頭にK-がつきます。1982年にはエンジンをモデルチェンジし、K-CDMになりました。
1984年には、大型バスと同様にキュービックタイプのLRにモデルチェンジされています。
いすゞ CCM/CDM 路線バスタイプ
川重車体
第1期(1976〜78)
関東鉄道 いすゞCCM410(1977年式)
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撮影:水海道駅(1983.3.5)
諏訪バス いすゞCCM410(1977年式)
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撮影:茅野営業所(1989.3.21)
先代であるBKにはなかった路線タイプが、このCCMから設定されました。
ベースは観光・自家用タイプであり、全体的に小さなバスのイメージです。屋根が浅いため、正面の方向幕が飛び出しています。また、後面は一世代前の大型バスと似て丸みがあります。
初期の車両は、方向幕部分が全体的に屋根から飛び出しており、方向幕両脇に通気孔を備えていました。また、自家用バス主流時代の流れからか、路線バスタイプでもメトロ窓仕様も見られます。
第2期(1978〜84)
岩手県交通 いすゞK-CCM410(1982年式)
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撮影:盛岡バスセンター(1984.11.18)
山梨交通 いすゞK-CCM410(1980年式)
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撮影:敷島営業所(2015.5.23)
1978年から、方向幕のみが飛び出したスタイルになりました。ベースとなるヒサシ部分の形状は、1980年以降の観光・自家用タイプの形状と共通しているように見えます。
1980年に昭和54年排ガス規制に対応して型式にK-がつき、同時に低床仕様と直結冷房車が加わりました。
伊那バス いすゞK-CDM410(1984年式)
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撮影:南箕輪村(2015.3.28)
1982年にエンジンのマイナーチェンジが行われ、型式がK-CDMに変わりました。その際、これまでバンパーに組み込まれていたフォグランプが、バンパー上に独立しており、外観上の見分けが出来ます。
また、大型方向幕を採用した場合は、飛び出る部分が大きくなります。
北村製作所
関東鉄道 いすゞK-CCM410(1980年式)
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撮影:水海道駅(1983.3.5)
関東鉄道 いすゞK-CCM410(1980年式)
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撮影:水海道駅(1983.3.5)
いすゞCCMは川崎ボディが標準ですが、北村製作所でもボディを架装しています。ちょうど同じ時期に小型バスのいすゞDBRに用いられていたボディを大きくしたもので、屋根の肩部分を斜めにカットしたスケルトンタイプのボディです。
いすゞの公式カタログでも「スクエアなボディスタイル」として掲載されており、小さく見える川崎ボディよりこちらを好んで購入した事業者もありました。
小型バスそのままのボディスタイルのため、正面にエンジングリル用のプレスラインがあり、側窓もメトロ窓をベースにしたのか2個ユニットになっているものも見られます。
諏訪バス いすゞK-CCM410(1982年式)
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撮影:茅野営業所(1989.3.21)
こちらは同じ北村製作所製ですが、側窓が一つ一つ分かれているタイプ。
観光・自家用タイプ
第1期(1976〜80)
岩手観光バス いすゞCCM370(1978年式)
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撮影:盛岡駅(1987.11.22)
観光タイプ、自家用タイプは、BKの仕様を引き継いだ前ドア、メトロ窓ですが、立ち席定員に対応しているため、全高は高くなっています。後面のエンジン通気孔がないのもBKと区別できる部分です。
第2期(1980〜84)
自家用 いすゞK-CDM410
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撮影:山梨県(2013.5.25)
自家用 いすゞK-CCM410(1980年式)
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撮影:山梨県(2013.5.25)
1980年のマイナーチェンジと同時に正面窓のヒサシが深くなり、イメージが変わりました。
短尺のCCM/CDM370と標準尺のCCM/CDM410とは、非常口前の固定窓の有無で外観から区別できます。
花巻観光バス いすゞK-CCM410(1981年式)
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撮影:盛岡市岩手公園(1987.6.1)
松本電気鉄道 いすゞK-CDM410(1982年式)
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撮影:松本営業所(1988.5.25)
1980年代は貸切バスのデラックス化が進み、同時に小口観光客輸送のために中型貸切バスの需要も伸びた時期に当たります。
カーブドガラスの採用で高級感を増した例や、パノラマデッカー風の明かり窓をつけた例も見られます。写真の車両は、大型車のハイデッカーⅣ型と共通のマスクやスイングドアをつけています。