富士重工(中型バス)
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富士重工業では、1975年に日産ディーゼルが中型バスに参入すると同時に、その指定車体となり、2003年のバス車体製造中止まで生産を続けました。基本的には、大型バスをダウンサイズしたようなスタイルです。
1980年から日野車への架装が、1984年からいすゞ車への架装が始まっていますが、ユーザーはある程度限定されています。
14型 1975−1982
観光型(4B)
自家用 日産デK-RM80G
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撮影:長野県(2018.8.12)
1975年に日産ディーゼルが初の中型バスRM90を発売し、富士重工が13型ボディを中型サイズにした14型を架装します。観光型のボディスタイルは4Bと呼ばれます。
RM90及びRM80に架装されるボディです。
都観光自動車 日産デK-RM80E
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画像:日産ディーゼルカタログ(1981)
中型観光バスもデラックス化が進みますが、富士重工では側面窓をカーブドガラスとしたデラックス仕様を用意します。写真の車両は、バンパーとマスクを一体化しています。
路線型(4E)
日産デK-RM80G
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画像:日産ディーゼルカタログ(1981)
路線バスタイプは1976年からの設定で、ワンマン仕様の4Eボディとなります。
このボディは、日野RLやRJにも架装例があります。
シャーシの組み合わせ・・・日産デ、日野
16型 1982−1995
路線型(6E)
日産デK-RM80G
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画像:日産ディーゼルカタログ(1982)
1982年にモデルチェンジされ、大型路線バスでは5Eに相当する6Eと呼ばれる中型バスボディに変りました。
茨城交通 日産デP-RM81G(1990年式)
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撮影:水戸駅(2017.5.14)
宮崎交通 日産デP-RM81G(1987年式)
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撮影:宮崎駅(2018.11.27)
1984年に日産ディーゼルRM81へのモデルチェンジと同時にリベットレスボディになりました。同時に前面窓が下方に拡大され、大型バスと同じバランスに変りました。また、同時期にモデルチェンジされたいすゞLRへの架装が始まっています。
日産ディーゼルでは1990年まで、いすゞでは1995年までこのボディが架装されています。
シャーシの組み合わせ・・・いすゞ、日産デ、日野
観光型(6B)
自家用 日産デP-RM81G
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撮影:山梨県(2013.5.25)
観光・自家用ボディは、前面傾斜窓を持つ6Bと呼ばれるスタイルになります。
観光型(6HD-Ⅰ)
日産デP-RM81GR
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画像:富士重工業カタログ(1987)
1986年に大型観光バスではHD-Ⅰ型という角張ったハイデッカーが登場していますが、これを中型バスに展開したのが6HD-Ⅰです。
なお、1988年には西日本車体を専用ボディとする「スペースランナー」でデラックス観光タイプが登場しており、こちらの6HD-Ⅰは少数派に終わったようです。
18型 1990−2003
路線型(8E)
熊本バス 日産デKC-RM211GSN(1998年式)
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撮影:熊本交通センター(2018.11.28)
近江鉄道 日産デKC-RM211ESN(1996年式)
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撮影:南草津駅(2015.8.29)
大型路線バスでは1988年にモデルチェンジされた7Eというボディに対応する中型バスボディは、1990年の日産ディーゼルRM210から採用されました。8Eと呼ばれ、2003年の富士重工のバス製造中止まで製造されました。
九州産業交通 いすゞKC-LR333J(1998年式)
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撮影:熊本交通センター(2018.11.28)
いすゞへの架装は、1995年にこのボディに切り替わっています。U-LR332の末期に採用され、KC-LR333にモデルチェンジされた後、1999年まで架装例があります。
なお、このボディでは日野への架装はなくなりました。
シャーシの組み合わせ・・・いすゞ、日産デ
観光型(8B)
自家用 日産デU-RM210GAN
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撮影:長野県(2018.8.19)
観光・自家用ボディは、路線型の前面窓を上方に拡大した8Bと呼ばれるボディスタイルになります。大型バスの事例と同様に、観光バスとしての魅力には欠けるスタイルで、自家用バスへの採用例が多いようです。
自家用 日産デKC-RM250GAN
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撮影:山梨県(2011.7.30)
自家用仕様の車両に中ドアが設置されている事例。
また、この車両ではバンパー形状とライト周りがマイナーチェンジされています。
シャーシの組み合わせ・・・日産デ