絵葉書でめぐる日本バス紀行(小豆島)


温暖な気候からオリーブの生産では日本有数の生産量を誇り、「オリーブの島」とも呼ばれます。島のほとんどを山地が占め、日本三大渓谷美である寒霞渓(かんかけい)は、日本初の国立公園である瀬戸内海国立公園に指定されています。
「二十四の瞳」の作者壺井栄の故郷であることから、同作品の映画の舞台にもなり、島内に関連施設も多く作られ、それを題材にした観光イベントも開催されます。
小豆島自動車(→小豆島バス)による遊覧バスが戦前から運行されており、絵葉書の中にも、遊覧バスを中心に小豆島バスが数多く登場します。
小豆島遊覧バス

撮影時期:1930年代
小豆島の名勝である松林寺(小豆島霊場第68番)、長勝寺(同第70番)、大楽寺(同第75番)などとともに、小豆島遊覧バスが紹介されています。
小豆島名勝遊覧バスとガイド島乙女

撮影時期:1930年代後半
小豆島自動車株式会社発行の絵葉書です。ガイドの説明が文章になって、絵葉書に書かれています。
遊覧バスは、シボレーでしょうか。ナンバープレートには、香1.481と書かれています。
小豆島 銀波園/国際キャンプ場余島

撮影時期:1950年代前半
瀬戸内海国立公園の小豆島。
銀波園と国際キャンプ場余島の光景を並べた絵葉書です。
銀波園と国際キャンプ場余島の光景を並べた絵葉書です。
銀色に青い帯のバスは小豆島バス。
小豆島 土庄桟橋前のバス群/平和の群像(二十四の瞳)

撮影時期:1950年代前半
瀬戸内海国立公園の小豆島。
左の写真は二十四の瞳の「平和の群像」。右の写真は土庄桟橋前に集結した小豆島バス。
左の写真は二十四の瞳の「平和の群像」。右の写真は土庄桟橋前に集結した小豆島バス。
小豆島バスは屋根の肩部分に愛称の「シマバス」をローマ字で書いています。
小豆島 灘山展望台/銚子渓(銚子の滝の景観)

撮影時期:1950年代前半
左の写真は銚子の滝、右の写真は灘山展望台です。
前側の2台は、小豆島バスのいすゞBX91(金沢ボディ)。一番後ろは、横引き窓のロマンスカーです。
内海の眺望絶佳の灘山展望台

撮影時期:1950年代前半
屋根肩には「Shima Bus」の文字があるので、小豆島バスで間違いありませんが、青ではなく茶色に色付けされています。最初は手彩色の誤りかと思いましたが、小豆島バスには赤色も存在します。近鉄バスの影響であるなら、赤色(茶色)のこのカラーデザインの採用も理解できます。
上の絵葉書と同型の横引き窓をもったパノラマバスは、ボンネット形状から、いすゞBX91だと思われます。
小豆島南風台

撮影時期:1950年代前半
風薫るオリーブの島で知られた小豆島は、東西二十九粁南北一五粁で、内海淡路島に次ぐ大島である。風光に優れているばかりでなく、伝説、史蹟に富み、内外の観光客で賑わう。
手彩色で銀色部分が黄色っぽくなってはいますが、小豆島バスのいすゞBX91(金沢ボディ)と思われます。
島めぐりの観光オアシス南風台

撮影時期:1950年代前半
小豆島の観光という絵葉書で、手彩色で海、空、緑が鮮やかに色づけされています。
手彩色で小豆島バスが茶色ですが、ほかの青く塗られた絵葉書もすべて手彩色。実物がどっちの色であったかは不明です。
手彩色で小豆島バスが茶色ですが、ほかの青く塗られた絵葉書もすべて手彩色。実物がどっちの色であったかは不明です。
恐らく小豆島バスのいすゞBX91(金沢ボディ)と思われます。
シルバービーチ海水浴場

撮影時期:1960年代前半
瀬戸内海国立公園の小豆島も海を臨む景勝地です。
島の周囲には、カタカナの名前がついた海水浴場が散在しますが、シルバービーチは島の北側に位置します。グレーと紺色のツートンカラーのバスは小豆島バス。通称「シマバス」です。
島の周囲には、カタカナの名前がついた海水浴場が散在しますが、シルバービーチは島の北側に位置します。グレーと紺色のツートンカラーのバスは小豆島バス。通称「シマバス」です。
前ドアの箱型バスで後面に非常口がつくのは日野ブルーリボンで、BD15(1961年式・金産ボディ)と思われます。
シルバービーチとこぼれ美島の遠望

撮影時期:1960年代(1966年以降)
南国の日ざしをうけて美しく輝くシルバービーチ、岬々に打ち寄せる水は青く静かな海上に点々と浮かぶ美島の松かげはこぼれる様な情趣をそそっている。同じ角度の撮影ですが、建物に「ファミリーセンター」という名前がつきました。
右下のダットサン・サニー・バンが1966年から生産されているので、1966年以降の撮影です。
ファミリーセンター

撮影時期:1960年代(1963年以降)
美しのはら高原スカイラインコース

撮影時期:1960年代
美しのはら高原は四方指展望台附近一帯の草原地帯のことで寒霞渓や瀬戸内海の島々を一望にすることができる。小豆島ユースホステルもここに建てられている。
車両はやはり正面窓が連続窓になっている最終期の日野BD15(1961年式・金産ボディ)と思われます。
同じデザインですが色は赤系です。
南風台と城ケ島

撮影時期:1960年代(1963年以降)
東岸橘岬にあり南国情緒豊かな所で沖は瑠璃色の播磨灘、常春の風がそよぐこの丘一帯には姫椿の花が美しく咲き城ケ島がすぐ前にある。この絵葉書も、切手添付欄に「7円切手」との記載がありますので、1966年以降の発行です。
車両は小豆島バスの日野RB10P(金産ボディ)で、屋根に全長に渡る突起がありますので、初期の冷房車。カラーデザインは赤になっています。
瀬戸内海国立公園 寒霞渓の山頂

撮影時期:1970年代(1971年以降)
寒霞渓山頂のロープウェイのりば。乗馬用の馬がたくさんいます。
手前に4代目トヨタ・クラウン(1971年〜)が停まっていますので、1971年以降の撮影です。
手前に4代目トヨタ・クラウン(1971年〜)が停まっていますので、1971年以降の撮影です。
食堂、お土産屋の建物の前に停車中の小豆島バスは、日野RC320P(金産ボディ)と思われます。
(発行:記載なし)
