いすゞライトバスBY(1970年)
いすゞライトバスBYは、全長7m級の大きいサイズの小型バスで、1968年に登場後、1970年にマイナーチェンジを行ったのがこのカタログです。
旧東伏見宮別邸・貴賓館(神奈川県)

カタログ表紙

画像:いすゞ自動車カタログ(1970)

撮影:横浜市(2025.3.28)
カタログの表紙写真は、石造りの建物の、赤絨毯の階段を下りてくる家族連れ。
この建物は、1937(昭和12)年に東伏見宮邦英(ひがしふしみのみやくにひで)伯爵の別邸として建設されたもので、戦後に西武グループに売却され、横浜プリンスホテルの「貴賓館」として結婚式などに使われたそうです。
横浜プリンスホテルが閉館となった後、跡地にはマンションが建設され、起伏のある地形を生かして「マルエツ磯子店」が建てられています。貴賓館は閉鎖され、長い階段も半分以下の高さになっています。
もっとも1993年に横浜市の歴史的建造物に認定されているそうです。

画像:いすゞ自動車カタログ(1970)
階段を下りてくる家族連れのアップです。
背広姿のお父さんは髪を七三にしっかり分け、クマのぬいぐるみを抱いた女の子は歌のお姉さんがかぶっているような鍔付ベレー帽を被り、お母さんはミニのワンピース姿で、1970年前後のブームそのもののファッションを表します。

画像:いすゞ自動車カタログ(1970)
貴賓館の向かい側にはガラスの玄関の建物がありました。こちらが当時の横浜プリンスホテルでしょうか。
ライトバスから降りてきた家族を、スーツ姿の男性がお迎えします。

撮影:横浜市(2025.3.28)
現在の貴賓館のある広場から見た横浜市内方面の眺め。

画像:いすゞ自動車カタログ(1970)
大きく開くドアと2段になったステップがついているため、子供や婦人でもラクに乗り降りができます。女の子は、自分の腰くらいの高さのステップに足を上げて、笑顔でバスに乗ろうとしています。
お母さんがそれを温かい目で見守ります。

画像:いすゞ自動車カタログ(1970)
大きな窓と明るい色合いの座席で解放感に満ちた車内です。
女の子は、歌のお姉さんのファッションをやめ、マイクロバスの最後部でぬいぐるみを可愛がります。
日本では、既に1960年代に「核家族化」という言葉が流行語になり、親子世代で生活する世帯が増加してゆきます。また、一家族に占める子供の数も減ってゆき、一人っ子という言葉も一般化してゆくのです。
登場人物の今

撮影:ポンコツ屋赤木様(群馬県 2023.10.29)
カタログに掲載の車両とほぼ同型車が、群馬県の高原地帯に佇んでいました。
年式は1年違いの1969年ですが、外形やカラーはほぼ同じ。このままの姿で国鉄バスで活躍していた車両です。国鉄バスがカタログカラーで使ったのか、カタログが国鉄バスカラーに寄せたのか、どちらだったのでしょう。
