三菱エアロスターK(1985年)
三菱ふそうの大型路線バスは、1984年に「エアロスター」の名前をもらいましたが、このうち呉羽自工でボディを製作した車両が「エアロスターK」です。
自社を含めて二つの指定車体を持つ三菱の場合、公式カタログも二つのボディのものを作成していたのです。
カタログ表紙
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画像:三菱自動車カタログ(1985)
表紙写真は、並木道を行くエアロスターKで、背景に薄茶色の高層ビルが見えます。今のところ、場所を特定できていません。
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撮影:港区(2019.10.5)
このカタログの聖地巡礼のため明治神宮外苑に向かう道途中、表紙写真を連想する風景に見えたので、思わずシャッターを押しました。外苑通りから新宿方面を見たアングルです。
ヒュンダイのバスがやってきました。
もっとも、見比べてみると色々と違うようです。
聖徳記念絵画館(東京都)
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画像:三菱自動車カタログ(1985)
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撮影:港区(2019.10.5)
見開きでエアロスターKの全容を余すところなく伝えるこの写真には、「世界初」というフィンガーコントロールトランスミッションも右上にその動きを見せています。
背景には、石造りの建物の門が見えますが、神宮外苑にある重要文化財「聖徳記念絵画館(せいとくきねんかいがかん)」であることが分かりました。
この建物は、1926(大正15)年に当時最大規模の鉄筋コンクリート造りの建物として竣工した我が国最初期の美術館建築で、中央の搭屋に見えるドームは、直径15mの鉄筋コンクリート造りのシェル構造だそうです。ここには、明治天皇、昭憲皇太后の壁画80枚が延べ250mの壁面に展示されているそうです。
建物の脇には、最新マスクをもったエアロエースが停まっていました。
三菱B2カタログ(1951)
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画像:三菱自動車カタログ(1951)
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撮影:港区(2019.10.5)
「エアロスターK」のカタログ撮影場所がすぐに分かったのは、先にこちらのカタログを見ていたからです。
終戦間もない頃のボンネットバスのカタログで、堂々たる石造りの建物の前に、それに負けずに堂々たるボンネット形状を持つ三菱B25型ボンネットバスが停車しています。
ドアを開けて手を振っている女性がいますが、ドアは外側に開く折り戸です。
三菱B2カタログ表紙(1951)
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画像:三菱自動車カタログ(1951)
その三菱B2型バスのカタログのおもて面です。
右側面後部に非常口がありますので、1951年以降のものだと分かります。
カタログの発行は、ふそう自動車販売で、1952年に三菱ふそう自動車と社名を変える販社です。
木立の見える広場ですが、場所は分かりません。
多摩ニュータウン(東京都)
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上之根大通り(多摩市豊ヶ丘)
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画像:三菱自動車カタログ(1985)
大型バスとして初めてセイフティウィンドウを採用し、左右だけでなく左下方の視界も確保したエアロスターは、そのワイドな視界を強調します。
実際にこの場所にバスを持って行ったわけではないようですが、写真は落合地区の中心を行く上之根大通り。左前方には11階建ての高層住宅が2棟そびえます。
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撮影:多摩市(2019.11.9)
カタログの写真は中央分離帯で撮ったようですが、さすがにそういう真似はできません。また、街路樹はかなり成長しており、高層住宅を見通すことはできませんでした。
それでも、京王と神奈中の西日本車体がすれ違う瞬間だったので、シャッターを押しました。
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撮影:多摩市(2019.11.9)
高層住宅が見えるところまで歩いていると、次の落合四丁目バス停まで来てしまいました。ちょうどエアロスターの後輩がやってきました。
神奈川中央交通の路線バスです。
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撮影:多摩市(2019.11.9)
街路樹の紅葉が綺麗なので、道路橋から上之根大通りを見下ろしてみます。
京王バスのエアロスターがやってきました。1980年代のワンロマカラーの復刻車です。
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撮影:多摩市(2019.11.9)
カタログ写真が多摩ニュータウンだと特定できたのは、やはりこの特徴的な凸形をした高層住宅が写っていたからです。
子供の頃、多摩丘陵に突如姿を現したこの高層住宅に度肝を抜かれ、一時的に「ニュータウンマニア」になったことさえある私です。多摩ニュータウンの中で、この形をした高層住宅が2棟並ぶ場所を探し出すのに、時間はかかりませんでした。
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