9.前身3社を取り巻く各社(東日本急行)
岩手県交通の母体となった3社は、貸切バス会社を分離した系列会社を持っていたり、また各社が共同出資により設立した特急・急行バス会社がありました。それらと合併後の岩手県交通とは、必ずしも関係が深かったわけではありません。
しかし、車両面、カラーデザイン面などで関係性が見いだせる事例もあるため、ここで振り返ってみます。
東日本急行
東日本急行は、1968年に盛岡〜仙台間の特急バスを運行するために、沿線5社(岩手中央バス、花巻バス、岩手県南バス、宮城中央交通、宮城バス)が出資して設立した会社で、仙台市に本社を置くものの、盛岡にも営業所を持ち、岩手ナンバーの車両も存在しました。1976年に路線を一関〜仙台間に短縮し、拠点も宮城県内のみとなりました。9-1 東日本急行カラー
1968(昭43)年〜1986(昭61)年
日野RC320P(1968年式)岩2く7023
参考:IBC「いわてアーカイブの旅」(第224回バス路線開通)
開業時に採用されたカラーデザインで、青と白の斜めのラインで構成される独特のデザイン。社紋、会社名、そして「一般乗合」の表示類が金色の箱文字になっています。
阿武隈様によると、1986年までこのカラーが採用されました。
9-2 東日本急行・新カラー
1986(昭61)年〜1988(昭63)年
日野P-RU638B(1986年式)宮城22か2664
1986年に採用されたカラーデザインで、これまでの青と白を基調にしながらも、後部で斜めに上がる当時の流行のデザインを採り入れています。社名に金色を使うところは継承しています。前面の社紋は、翼のついたウイングマーク状のものでした。
(カラーデザインの導入、切り替え年については、阿武隈様からの情報によります)
9-3 東日本急行・新カラー
1989(平1)年〜1992(平4)年
いすゞK-CSA650(1982年式)宮城22か5439
参考:日本バス友の会(1992)「高速バスのすべて」P.243
1989年の高速バス「アーバン号」の新車から、「O(オー)」の文字が赤丸に変わりました。前面には、社紋の入った四角い板が取り付けられます。東京のKM観光などに見られる形態です。
創立25周年の1993年に、次世代のデザインに切り替えられています。
(カラーデザインの導入、切り替え年については、阿武隈様からの情報によります)