２．前身3社（花巻バス）
岩手県交通は、1976年に岩手中央バス、花巻バス、岩手県南バスの3社が合併して成立しました。
ここでは、それら旧3社時代のカラーデザインを振り返ります。
なお、掲載した中には、岩手県交通に引き継がれる前に姿を消したデザインも存在します。
花巻バス
花巻バスは、花巻、北上地区に営業展開していたバス会社で、1970年に岩手県北自動車の資本下に入りました。なお、花巻地区は花巻電鉄（1971年に岩手中央バスと合併）、北上地区は岩手県南バスと競合していました。
2-1 花巻バスカラー
〜1969（昭44）年（1980年頃まで使用）
三菱MR510（1967年式）
花巻バスの標準的カラーです。ボンネットバス時代からのカラーで、戦後早い時期から用いられていたものと想像します。
ツーマン車の最終導入時期の1969年まで採用されました。
2-2 花巻バス・譲受車カラー（元神奈川中央交通）
〜1969（昭44）年（1975年頃まで使用）
日野RB10（1963年式）
神奈川中央交通からの譲受車は、窓下の帯を花巻バスカラーの赤色に変えたカラーデザインで使用されました。
車体裾の波形部分も、花巻バスカラーの赤色に塗り直されているようです。
神奈川中央交通時代のカラーデザインはこちらです。塗り分けはそのままに、帯の色のみを花巻バスの赤色に変えたことが分かります。
2-3 花巻バス・元貸切車カラー（元花巻観光バス）
1973（昭48）年頃（1977年まで使用）
三菱MR490（1965年式）岩2く3120・3121
花巻観光バスの一部を塗り替えて、花巻バス風にした転用車。窓下の白帯と車体裾の青帯を、花巻バスの赤色に変えたようで、上半分はシルバーのままです。側面の社名切り文字も、「花巻観光バス」を「花巻バス」に直して再利用しています。
（ドアは花巻観光バスのデザインに合わせてシルバー1色としていますが、証拠となる実物の写真では、ドアが開いた状態になっているため、実際のドア部分のデザインは不明です）
花巻観光バス時代のカラーデザインは、こちらです。
該当車両は2両が確認されていますが、花巻観光バスが分社される1969年までは、花巻バスに所属していた車両です。花巻バスに出戻った時期は不明ですが、1970〜73年の間だと思われます。
2-4 花巻バス・ワンマンバスカラー
1971（昭46）〜1973（昭48）年（1986年まで使用）
いすゞBA30（1971年式）
1971年から導入されたワンマンバスには、側面の窓下の帯を青に変えたデザインが採用されました。ワンマンバス黎明期には、帯色などでワンマンバスを区別するという方法を取っているバス事業者が散見されました。
最後まで残った1973年式の車両が、1986年に県交通カラーに塗り替えられたことで、このカラーは姿を消しました。
2-5 花巻バス・譲受車・ワンマンバスカラー（元神奈川中央交通）
1974（昭49）年（1982年頃まで使用）
日野RB10
ワンマンカーが導入された後は、神奈川中央交通からの譲受車もワンマンカーとなり、窓下帯が青色になりました。1974年にのみ導入されています。
なお、ツーマン時代の譲受車と異なり、車体裾の赤色は神奈川中央交通時代の色のままのようです。
神奈川中央交通時代のカラーデザインはこちらです。帯の色のみを変えたようです。
