尾瀬
一ノ瀬川センノ沢
〜癒しの秋の沢〜
2006年10 月14日

せっかくの連休だった先週は、只見周辺の沢を目指したものの、凶暴な大型低気圧のために入山中止となってしまった。
只見町の探検や温泉三昧&飲み放題の旅となりそれはそれで満足のいくものだったが、前前回のショボ沢に加え前回の悪天候による敗退と続いて軟弱山人&モコモコ隊もさすがにやる気をもてあまし気味。
ということで一日だけ休みが合った今回も沢へ出撃することにする。
日帰りなので比較的近場で紅葉も楽しめる癒し系の沢ということで尾瀬の沢を選んだ。

地形図1:25000 三平峠

アプローチ

10月13日
上野駅19:59/20:27〜高崎駅22:03/22:13〜沼田駅22:59

コースタイム

10月14日
沼田駅バス停6:20〜鎌田7:24/(タクシー)〜大清水7:40/8:00〜一ノ瀬入渓点8:50/9:00〜セン沢田代付近登山道11:30〜皿伏山12:00〜大清水平12:35〜三平下12:50〜一ノ瀬14:00〜大清水14:35

沼田駅発朝一番のバスに乗るため前夜のうちに沼田駅まで入っておく。
朝駅前のバス停に向かうと、前夜同じ電車できた学生さん風の人たちが駅寝をしていた。
沢へ向かうような感じだったが、どこへいくのだろうとモコモコさんと缶コーヒーを飲みながら話しているうちにバスがやってくる。

バスは鎌田までしかいかず大清水行きはさらに一時間後になるので、鎌田からは予約しておいたタクシーで入る。
戸倉で少し車がつまったりするのでさすがに今日は尾瀬に行く人が多いのだなあと思っていたら単に遅い車がいただけだった。
 遅い車は工事車両のようで沢山の砂利とミキサーを積んでいた。どうやら同じ大清水方面へ向かうらしい。先行するこの工事車両は黒い煙を吐きながらやっとのことで上り坂を登っているような感じに見えた。
 なんだかすぐ後ろを走るのはやだなと思っていたら我々を先にいかせてくれた。

大清水についてタクシーに支払いをしたり荷物をおろしたりしていると、先ほどの工事車両が見えた。工事車両が近くを通過するときに異臭がするので目をやるとなんと車から白煙が上がっている。どうやら工事現場はゲートの先にあるらしく、車に乗っていた本人も、ゲートの前に停車しゲートをあけようとでてくると煙が出ているのにそのとき気づいたようだ。
結局その工事車両は我々がトイレや支度をすませて体操をして出発しても停車したままだった。

林道をそれぞれのペースで歩いて一ノ瀬休憩所へ到着。
休憩所すぐ先の橋の上で軽く朝食をとりハーネスをつけて下降する。
最初は橋を渡った先から下降するほうが簡単そうだったのでそこから降り始めたが、護岸工事されており沢床に下降するのが大変そうなので結局橋の手前から下降する。結果簡単に降りられた。

センノ沢は橋が掛かっているところのすぐ上流で出会う沢だ。
最初は平凡で倒木でふさがれていたりするが、この倒木を超えるときれいな高さ8mほどのきれいな滝が現れる。
この滝の水流沿いを快適に登るとその先は延々と続くようなナメ床となっている。
天気予報に反して曇り空で少し肌寒く、水も冷たいがとても気持ちが良い。

途中に出てくるのは2〜5mほどの小滝がほとんどだ。これらを快適に超えていく。釜をもっていてもせいぜい膝くらいまで浸かるへつりで回りこめる。滝を越えるとナメとなりとても快適だ。
途中釜を持つ滝を越えたすぐ上の滝をモコモコさん先行でいくとへつりの途中で突然「ぬおー!!!」の叫び声。滝上に上がったモコモコさんを確認して続いて登ろうとすると、モコモコさんより「逆をきたほうがいいよ!!」といわれる。どう見てもモコモコさんが行ったほうが楽だよなと思ってモコモコさんのいうことを無視していくと「うがー!!!」とモコモコさんと同じように叫び声をあげてしまった。

へつるときにちょうどホールドにしようとするところにゲジゲジが大量発生していたのだ。
モコモコさんはどうやらそのまま行ったようだが、あわてて引き返し逆を回り込んだ。
よく見ると水中にも奴等の屍骸が沈んでいる。
さすがにいきなり大量の虫に出くわすとあせる。モコモコさんと「なんなんだー??、やつらは!!!」と叫んで気持ちを落ち着かせた。

しかし、沢はそんな事件を忘れさせてくれるかのようにきれいなナメが続き、青空が広がってきた。
日が差して暖かくなった頃に二俣に到着。
足が冷えてきたので休憩をとる。

二俣の上もしばらくナメが続くが平凡な渓相となってくる。これで終わりなのかと思う頃に小滝がかかりといったことを繰り返す。一箇所この沢にしてはめずらしいゴルジュ状の小滝がかかる。
最初巻こうかと思ったが水をかぶらずに突破できそうだと試してみるがへそ上まで浸かってしまう。あまりの水の冷たさに即戻って巻く。巻きといってもすぐ横のくぼみを上がるだけの何でもない巻きだ。

この冷たさにしばらく写真を撮ることも忘れてしまった。
この滝上も沢は“それぞれ短く、平凡〜岩盤が発達してくる〜小滝〜ナメ”を繰り返していくと奥の二俣に着く。二俣を右に入り時折現れるナメや小滝を楽しんでいくとあっという間につめの枝沢に出会う。
ここで休憩を少ししたあとに枝沢に入る。

枝沢に入ると沢には藪がかかって歩きにくくなる。ときどきぱっとヤブが沢からなくなったり、右に左に蛇行をしていくと、きのこ発見。おいしそうな匂いがする。「食べられるかな?持って帰ろうか?」とモコモコさんに聞くと「スギヒラタケで食べられると思うよ。持ってかえって地元の人に見てもらおうか?」とモコモコさんも乗り気だが、結局持ち帰りは断念した。(帰宅後図鑑で見たらやはりスギヒラタケでした)

ここからすぐに水枯れつめのヤブこぎに入る。
なるべく歩きやすいところを選んで進む。もうすぐのはずだと先を見ると、木に赤ペンキの印が。
セン沢田代を目指していたが、湿原から20mほど横にずれて登山道につめあがってしまった。
途中方向を修正していたが、修正するのが遅かったようだ。
湿原のつめを期待していただけに後から来るモコモコさんかけた第一声が「失敗した!!!」になってしまった。

せっかくだからセン沢田代を見てこようとザックを置いて往復することにする。セン沢田代は登山道が通っていないので木の隙間から見えたところでよしとしてザックのところに戻る。ここで水を汲んでこなかったことが判明。あるのは500mlのペットボトル1/3程度だ。
今日は涼しいしなんとかなるだろう。

皿伏山へ向かう。尾瀬だというのに誰もいない。
歩き始めて逆走する人に一人会っただけだ。皿伏山はその名の通りお皿を伏せたような山ではっきりした山頂という感じがない。記念写真だけ撮影してずんどこ進む。
清水平の手前にミニ湿原が2つほどあり、楽しませてくれる。清水平は樹林のなかにぽっかり開けており素敵なところだ。尾瀬沼からさほど離れていないところなのに人は一人だけだった。
一人静かに景色を堪能しているところをそうっと通過させてもらう。

ここから尾瀬沼へ向かって急下降が始まる。尾瀬沼がいきなり見られるようになるとすぐに湖岸周回コースに合流する。
ここからは一気に人が増える。
尾瀬沼山荘の休憩所の水でのどを潤し、広場で少し休憩してから一ノ瀬に向かう。
三平峠まではこれから尾瀬沼へ向かう人に何組にも会った。
三平峠からのくだりは紅葉を眺めながらとなる。黄色の葉はもう終わりなのか先週の低気圧にやられたか終わりの感があったが、赤い葉はとてもきれいだ。

沢音が聞こえてくると一ノ瀬休憩所で見たラムネを思い出したので、モコモコさんにそれを伝えると「早く降りてラムネを飲もう!!」ということになり、少しペースアップする。
休憩所のラムネに無事たどり着く。
ラムネパワーで一本早いバスの乗ろうと大清水までの林道歩きをがんばると予定より2本早いバスに乗り込むことができた。
お風呂に入るのをやめて、沼田に直行しお約束の「山彦」のとんかつを食べてから帰宅した。

センノ沢最初の滝 滝の上はナメ
上段の滝でゲジゲジ事件発生 この滝も快適に登る
滝上もナメが続く 二俣
青空と紅葉 大清水平 とても静かな湿原だ


活動記録に戻る

トップへ戻る