訪問記 【2009.2.11】
バス亭「曹源寺」近傍の松の湯へ。ここだけはバスどおりから一本横の田舎道沿い。長い花道があってその奥に白壁の、一見地中海かどこかの建物のような綺麗な一軒家銭湯。緑の縁取りがあったりして、本当にお洒落で綺麗な外観だ。ここは暖簾が花道の入り口に掲げられているのがユニーク。入り口は「ハ」の字に斜めになった引き戸から中へ。玄関正面いは小さめの福助のタイルヘ。中に入ると左側に、やはり低めの番台があって、右手前に下足箱(オール木製の手造り)。
なかに入ると比較的お若い髭面のご主人が元気に迎えてくれる。3時15分からとのことだが、お客が早く来るのでその時点で開けていると。このご主人にいろいろ話を聞くことができて、入浴前に長く話していたかな。何でも脱サラで半年前からお母さんに代わって風呂屋を告いだばかりとのこと。祖父の時代からの3代目(60年、引継ぎなので戦前から、建替えて40年ぐらいと言っていたような)。祖父は北陸から出てきて(富山だったかな)、横浜で風呂屋を手伝って縁あって横須賀に来たと。そんなわけでこの辺のほとんどの銭湯が土地持ち、副業ありだが、自分のとこだけ借地とのこと。でも廃材がいっぱい集まるので燃料は苦労してないと。沸かすのが大変でしょう?と聞くと、何と1時間で沸かしていると。ちょうっとお湯が」心配だったが、とてもいい薪炊きのお湯だった。ボイラーは5−6年しか持たないのが普通で、それでも今回は10年持った。春に釜を代えるので1週間ぐらい休むとのこと(止めようかとも思ったが、継続することに決めてやる気十分。でも赤字になったらやめるかも・・・と。何百万かかかると言っていた)。
長くなったがレポート。鎌倉の絵師(新世美術でしたっけ)が書いたというペンキ絵が、遠くから見ると実に綺麗(近寄るとさすがに傷みが目立つが・・・)。良くそうはごくごくシンプルな浅・深湯。島カラン1列でシャワー鏡なし。カランは5−4−4−2だったかな。カランは和栗の玉、桶は無地の黄色、椅子はM字緑。お湯は本当に気持ちよかった。男女境が大きなガラス戸、3つぐらい(向こうは見えそうで全然見えない)。天井は真ん中に四角く、空いている。入り口は行って右手に立ちシャワーブースが1基新設された感じ。
長話した甲斐もあって、快くペンキ絵撮影を許可してくださった。お客さんのいたのだが、みんな乗り乗りで、専属も出るならいっぱいいりよ。どうぞどうぞと。湯船の中に入っても大歓迎。気さくないいおじさん達ばかりで、あれやこれや話しながら楽しく入浴ができた。
そんなわけで、松の湯は後を告いだばかりのかっこいい髭の脱サラ(トルコ転勤を言われて、悩んで会社を辞めたと・・・)旦那さんが頑張っている掃除も行き届き内容もちょっとモダンで綺麗な優良銭湯だ。なんといってもペンキ絵がいい、昭和中期的レトロ銭湯だ。
最後に衣笠のこと。噂には聞いていたが衣笠大通りが巨大なことに驚愕(大阪の天満アーケードも真っ青)。横須賀コロッケを見つけるのに一苦労(後で平坂上にも店があるのを発見。チェーン店だったんですね。)。とにかく想像以上にエリアが広いので、「鳥一」もやっとのことで発見(祭日の17時ごろのためか、店は閉ざされひっそいしていた)。
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