富の湯

【2008.5.20】  
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富の湯
板橋区東新町1−13−13
03-3956-1486
15:00-24:00、6、16、26日休
、番台。
アクセス:東武東上線上板橋駅の北口で下車したら駅北側のときわ通りを右折して東に向かう。教育科学館前の交差点を左折して南下し線路を渡る。上板橋四小を過ぎたら左折して、その次の通りを右折して再び南下してすぐの右側にある。駅南口からも住宅街を抜けて四小の裏にでればすぐ。駅から4分。


コメント:今日は板橋銭湯の中で、銭湯マップのマークが少ない番台銭湯の富の湯を選択。
看板建築風の四角い屋根部分があって、あとは左右に築地塀の伸びる一軒屋銭湯。こういうスタイルの銭湯は意外に多く、地味ながら中は結構レトロであることが多い。はじめの頃は破風屋根にばかりに目が奪われてこういう銭湯が後回しになっていたのだが、廃業銭湯に結構こういう地味な銭湯が多いので、最近は妙に気になっている。というわけで、近傍の宝湯、第二宝湯より先に訪れることに。

玄関周りもほとんど開業当初のままで手が付けられていないが、女湯側の坪庭がつぶされてコインランドリーになっている。一方、男湯側の坪庭は健在で、
灯篭や石橋で飾られた立派な庭が残っていて、大きな鯉も泳いでいる。銭湯マップ2002にも「男湯の池がきれいです」と書かれているが、本当に小さめながらもすばらしい庭園だった。

入り口に話を戻すと、正面には鍵付きの傘入れ、左右の踊り場にはさくらの下足錠の下駄箱がある定番の構造。引き戸を開けて中に入ると昔ながらの
番台でふくよかな感じの女将さんが番台の番をされていた。お遍路マップの判子を頼むと丹念にインキをつけて判子を渡してくださったのが印象的(自分で押したのだがくっきり綺麗に押せた)。脱衣場の天井はフラットの白壁状であることを除けば、天井も比較的高くてレトロな感じの脱衣場だ。男女境壁は全体が鏡の鏡壁。体重計は入り口近くにアイボリーのやや小ぶりなYAMATOのアナロク体重計あり。島ロッカーは横向きに1列あって、床はニス塗りの板張り。島ロッカーの上には湯道具の入ったショーケースが置かれているが、商品はまばら。石鹸の箱がピラミッド状に積まれているのが面白かった。庭部分との境は大きめのガラス戸で立派な庭がよく見える。縁側があって庭を見ながらくつろげる。脱衣場側にはソファーテーブルがあって、灰皿が健在(結構こういうとこあるみたい)。レトロなあんま椅子1基あり。

浴室に入ると典型的な造り。正面には
富士山のペンキ絵があって(覚え書きがないのだが、中島師の手によるものと思われ、河口湖か何かの向こうにそびえる富士山。穏やかな風景で、手前には松の木がアップ目に描かれている、割合新しそうな感じ)。島カランは1列(シャワーなし)で、カランの配置は6-4-4-6、湯温・湯量良好。カランまわりのタイルがちょっとゴージャスな石板に改装されていていい感じ。それでも浴槽や床のタイルは当初のままのように見える。男女境壁の上には久々に見る熱帯魚のタイル絵。浴槽はシンプルな深湯と浅湯の2槽だが、深湯は常設の薬湯らしい(今日は白濁のにごり湯で湯温は42℃強)。浅湯は広めで2点背ジェット2条、その中間に小さな水中赤外線あり(これ結構好きなんだが)、湯温は43℃ぐらい。

というわけで、上板橋の住宅街の路地の一角に佇む富の湯は、心配はよそに現役感バリバリの昔ながらの昭和レトロ的一家屋銭湯だった。サウナもシャワーもなく、それでいて明るくて立派な和風庭園のある心安らぐいい銭湯だ 。

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