長崎はまだ市電が走っていて、長閑な感じが残ってる。
街は、意外と横に長くて幅がない。大通りから外れるとすぐに丘陵地帯になって、坂道ばかり。
住宅街はそういうところにあるから、長崎の住宅街を散策するのは大変だ。
5月の天気のいい日の日差しは結構きびしく、坂を登っていてももう汗だらだら状態。
仕方がないので、のんびりそろそろと歩くことにした。 |
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むかし、沖縄のペンションでブロック塀が薄い黄緑色に塗られていて、高級な感じではなかったのだけど、何となく沖縄っぽくていいなあと思ったのをよく覚えている。
それ以来、ブロックの塗り壁を見るとそれを思い出す。
右上の写真は何でもない普通の家の、白色と薄ピンク色?に塗られたブロック塀なんだけれど、イメージがだぶって、いい感じ。
幼稚園の壁の、園児の描いたお絵かきもなかなかほのぼのする。 |
住宅街の小さな商店街沿いに銭湯(徳の湯)を発見。全国温泉めぐりと書いてある。
今週はなになに温泉というぐあいに、週代わりで泉質を代えるらしいのだけど、どういう風にするのだろう。
坂を下って浦上天主堂を過ぎたら川べり(下之川という)に出た。川べりにもう一軒、銭湯(松の湯)を発見。このあたりが原爆の投下された爆心地だったらしい(原爆公園になっている)。 |
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今度は市電に乗って西のはずれに移動。大浦天主堂とグラバー園はおきまりの観光スポットで以前にも訪れた事があったけれど、もういちど行ってみることにした。
この日は修学旅行シーズンらしく、中学生や高校生がいっぱいで銀座のような賑わいだった。大浦天主堂は白く塗り替えられていて、とてもきれいな印象。マリア像をつくずく見たら、それは美しいお姿だった。 |
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天主堂脇の元神学校の建物は歴史のある煉瓦作りのたてもので、使われている屋根瓦も風格があった。建物の中は展示室になっているのだが、ここに入る人はほとんどなし。
静かで昔の空気が残っている空間だった。出口のところでマリア様のペンダントを購入。 |
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グラバー邸は思ったよりこじんまりしていて、こんなだったっけ?という感じ。この中にキリンの狛犬があって、この子キリンがキリンビールのロゴの麒麟のモデルだとか。
これは始めて聞く話。ほんとうだろうか?という疑いの気持ち。でもグラバーさんが麒麟麦酒の役員かなんかだったらしい。
出口のところに伝統芸能館があって、諏訪神社のお祭り、長崎くんち(日本三大祭りのひとつ)の龍(じゃ)踊りの龍などが展示してあった。提灯に記された町名(百以上ある?)がおもしろい。江戸町、博多町、元船町、新大工町、金屋町などの昔ながらのものや、魚の町なんていう町名も。 |
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グラバー園下の老舗の中華飯店(四海楼)で長崎皿うどん細めんを食べた。「長崎ちゃんぽん」はこの店発祥だとか(皿うどんの具はちゃんぽんの具と同じもので、その内細めんの方はかた焼そば)。店の前の竜をかたどった瓦塀がユニーク。注文すればどんな瓦も作ってもらえるのだろうか?
一休みしてからは再び住宅街へ入って、穴あきブロックとトタン張りの小屋をウォッチングすることにした。オランダ坂の周辺はもうすっかり住宅で囲まれている。 |
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トタンの壁は建物の側面だけに使われている事が多い。もともとは板張りであったところを補修するためにトタンを使うケースが多いのか?
水色に塗られたトタンは、金属の重たい感じをカモフラージュして爽快なイメージを与えている。
統一された水色の壁に簾が風情を添えている。
ドライクリーニング屋の店の正面は、板張りをライトグリーンに塗りこんで、明るい感じになっている。 |
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住宅街に入り込んで行くと、坂道の狭い路地が碁盤の目のように張り巡らされている。奥が深いので、どこに向かって歩いているのかわからなくなるのだが、坂の下っている方向が海の方だとわかる。
変わった穴あきブロックがいくつもあったのだが、つなぎ円になるものは江戸ッ子に掲載されている「幾何学模様」No.84(福島)と同じで、右のは「楽しいデザイン」のNo.171(福島)と同じものだ。福島と長崎で同じブロックが使われていることが驚きだ。ブロックの流通は全国的で、考えていたよりもずっと広いらしい。
右上のは「四角穴」のNo.67(豊島区)と似ているが穴が1つ多い。
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左上のは「ばってん」のNo.137(瑞穂市他)に一番近いのだが、小さな穴があるところが微妙に違う?
穴あきを探しているうちに、穴あきでなくたもおもしろいブロック塀が・・・。左はブロック塀の中に鉄製の扉が作ってあるのが珍しかった。左下、古い煉瓦塀をブロックで補修してある。
下はブロック塀の上縁から軒先まで鉄棒が延びている?どうやら鉄格子の代わりらしい。 |
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住宅街を進んで行くと突然唐人屋敷のひとつ(天后宮)の前に出た。さらに住宅街を進んで行くと、あといくつかの唐人屋敷(観音堂、土神堂)に出くわした。どれも祈祷所のようになっていて、四方を住宅に囲まれている。人影は全くなく、観光スポットになっていないらしい。
境内の焼却炉(左下)の風穴が、穴あきブロックの「三ツ山」と同じだったのに驚いた。半円筒の瓦を重ねてあるような造りだ。これが風穴の原型なのだろうか。土神堂の前は商店街になっていて、普通の生活が営まれているところだ。 |
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さらに坂を下りながら東へ進むと、長崎市内の繁華街へと入って行く。丸山公園や思案橋(分かれ道があって、どちらに行こうか思案するところに由来している)を抜けてしばらく進むと、中島川に出る。ここには多くの橋がかかっていて(万橋、常盤橋など)、そのうちのひとつが有名な眼鏡橋だ。
川沿いに昔ながらのだんごや(川端饅頭)があった。桃まんじゅうと柏餅を購入。川の反対側に渡ったら、そのあたりが魚の町だった。 |
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魚の町を横切って、新大工町、馬町、から諏訪神社のある上西山町の方へ。諏訪神社の参道を登ろうとしたら、参道右側の民家の壁にめずらしい穴あきブロックを発見した。なんと長崎らしく十字架?のデザイン。「幾何学模様」に分類されそうだが、「四角穴」でも良さそう。それとも・・・。 |
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諏訪神社には日本で最初の英語のおみくじがある。ためしに引いてみたらHalf
luckだそうで。中吉ということか。内容の一部を紹介すると
Chance. Partly good. Whishes. Will not be fulfilled. Trip. Better not go.など、やはり中吉っていう感じ。旅行で長崎に来てるのに、いまさらやめられない。ところで、大吉や小吉、凶なんていうのは何と訳すのだろう。
そんな事を考えながら、神社脇の月見茶屋でラムネを買って柏餅と桃饅頭を食べた。 |
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