MARUSAN 1/50
PLASTIC MODEL  KIT

60年代初期に模型といえば、大方 飛行機モデルを指すといってもいいくらい 他のモデルを圧倒していた。
ラベール・オーロラなどのコピーでスタートしたマルサン商店のプラスチックモデルは、最初のシリーズ化といってもいい
マッチ箱シリーズを経て 1/50シリーズともいうべき飛行機モデル群を世に送り出していく。
それらの多くもやはりアメリカ製のコピーではあったが、徐々にマルサンオリジナル製品もそのラインナップに加えていくこととなる。
そんなマルサン1/50モデルに深く関わっていたのが、橋本 喜久男氏であった。
マルサン 最初の1/50モデルは ”三式戦 飛燕”であった。
というより、日本最初の1/50のモデルがこれである。
1/50といてもアメリカ製品をコピーしたものは、オリジナルが1/48国際ス
ケールモデルのため、本当は1/50ではないのだがメートル法にこだわっ
ていた当時の日本にあっては1/50は自然であった。

この飛燕の組立説明図および裏面の三面図は、橋本 喜久男氏によるも
ので これらモデル開発に関し同氏との関係が深かったことが推察される。

純粋なスケールモデルで稼動部は一切ない。
箱裏はリンドバーグのように中が見える、セロビジョンとなっている。
航空評論家ともイラストレーターとも評された 橋本 喜久男氏監修による F-86D セイバー
同氏・マルサンが手がけた傑作キット というより、初期国産モデルの中でも正確なディテール
また運搬車・クルーなども付随する豪華さなど、国産プラスチックモデルの最高傑作として名高
い。
橋本 喜久男氏ならびにマルサンの並々ならぬ意気込みが伝わってくるキットである。
<三大傑作キット>
マルサン最初の1/50モデル
橋本 喜久男設計 1/50 3大傑作キット
<レーダー付夜偵型> オール可動式
エルロン・フラップ・方向舵・昇降舵 可動 主翼折りたたみ式  TKK NO.15使用

マルサン消滅後 多くのマルサン1/50がUPCまた日本模型などに引き継がれていくこととなる。
マルサン版のボックスはキャラメル箱 UPCは豪華な張り箱
となっている。

橋本 喜久男氏設計によるこれら1/50キットは、発売が60年代初期発売のため 何度か箱変え
も行われ キャラメル箱→上下蓋箱などのものが存在する。
下は最後期に発売された黒箱モデル。 
 
   <UPC版 組説>
橋本 喜久男氏の設計によるオール可動キット。 初版は ART.NO7072  当時\350であった。
再販時 ART.NO433 ¥300だったようだ。 他と同じように初期モデルはキャラメルボックス 後の
ものは上蓋タイプとなっている。 マルサン傑作キットのひとつだ。
日本人の好きな 3大○○ の中には入れなかったようだが、この ATR.NO427
”97式司令部偵察機” も意欲的なキットだ。

他の傑作キットと同じ概念で製作され、オール可動タイプとなっている。 無論 
設計は 橋本 喜久男氏による。

ART.NO429 神風も内容的には同一モデルである。
これらモデルには、右のような透明で世界地図を刻み込んだスタンドが付属し、
自在球により好みの飛行スタイルが得られる。


このように数多くのマルサンモデルに関わった、 橋本 喜久男氏ではあるが 
マルサン商店の社員であるわけではない。
個人的には、どちらかというと 「飛行機の三面図」の図面師といった印象が強い。
上がキャラメルBOX 下は上蓋タイプ である

マルサン消滅後 SUNNY より再販されるが、1/50から国際規格
ともいうべき 1/48に表示が変更されている。 むろんモデルは同一。
 米 艦載雷撃機 トリオ 
マルサンの雷撃機トリオと呼ばれた ”ドーントレス・アベンジャー・
ヘルダイバー” ではあるが、いわゆる他メーカーのコピーモデル
である。

他メーカーとは無論 モノグラムのことである。
このこと自体良いか悪いかは別とし、1960年代においては 本家
モノグラム製品はまさに”高嶺の花”で、一般的なプラモ少年たち
の手にそれが降臨することはまずなかった。
マルサン版はそれの1/3程度の価格で発売され・・・・・・たのだが
当時 輸入キットのことなどまったく知らなかったし、近くのおもちゃ
屋にも決してなかった。
マルサンのそれがデッド・コピーであったという事実を知ったのは、
もっとずっと後のことである。
マルサンのドーントレスは消滅後、日本模型に引き継がれ長く発売され続けた。
上の今井科学製のものは、同じくオール可動のものではあるが 当時の事情に
合わせモーターライズ化されている。 金型は別物である。
モノグラムでは 1/48で発売されているが
マルサンは1/50スケール・今井も同一の表
示である。
個人的にはメートル法が世界の標準とらる
と聞いていたので 1/50・1/100・1/150
に淘汰されていくと信じていた。
その後発売された 田宮模型の ”日本傑
作航空機シリーズ”も1/50であった。

モノグラムがこれらを発売した1950年代
後半当時アメリカでも、可動ギミック全盛で
あったようだ。 当然、それのコピーである
マルサン版も、主翼が90°回転し折りたた
みが可能だったり、爆弾倉扉が開閉したり、
オール可動ということになる。

モノグラムが国内では\900くらいで販売さ
れていたのに対し マルサン
アベンジャー ・・・・\320・
ヘルダイバー ・・・・\330 との値札が付い
ている。

マルサン商店最初の1/50モデル  というより国産初の1/50モデル。
ART.NO7019 当時\250であった。 オリジナルであるが可動部はもたない。
マルサン 最初期のモデルであるが、オーロラのコピー。 クルーも付属している。
ユンカースのおそらくは 2版のボックスアート。 MMのように
背景はない。  リンドバーグのコピー。
こちらはモノグラムのコピー。 無論 本家は1/48である。
世界の名機シリーズ及び複葉機シリーズ。 アルバトロスD.-Vは
左上のモデルの箱替え版。
オリジナルはリンドバーグ 1/48. 左胴体部が開閉し付属のエンジンが確認できる
ようになっている。
リンドバーグ 1/48のコピー。 ジェットエンジン・風防開閉など可動部は多い。
ART.bS44 スカイホークの最終版と思われる。 箱絵ではなく完成
モデルの画像の箱は珍しい。 マルサン消滅後オリエンタル模型より
再販された。

 1/50 クリヤーモデル 
<ホーカー・ハンターの主要パーツ>
一時 内部構造がクリヤーパーツを通して見えるという、スケルトン・モデルが流行した時期があった。
コグレ・三共・田宮・ハセガワなどからも同一のモデルが発売されている。
ただ、マルサンのモデルは全てのパーツがクリヤーとなっており、組み上げても内部構造がよく分から
ない・・・・そんなモデルだった。 そのためかコグレのように強いインパクトにかけていた。
クリヤーというとマルサンでいえば エデュケーショナル・シリーズの方が記憶に残っている。

 マクダネルF-4 ファントム 
マクダネルF-4B/C ファントムU  1/50 オール可動

ファントムの1/50スケール のため、マルサンの飛行機モデルの中
では最大級の大きさを誇る。
オール可動でキャノピーの開閉・主翼の折り畳み及び脚の引き込み
など可動部は多い。 

左上のボックスが初版と思われ、左のものが2版以降のボックスと思
われる。
箱の大きさもさることながら、まるでアタッシュケースを思わせるボック
スはあまり他では見れない。 ただ、貼り箱のような厚みがないため
乱暴に扱ったり、時間がたつと当然へたってきてしまう。
当時 \1000とかなり高価なモデルでもあった。

アタッシュ・ケースを開くとこのような形となる。 箱裏はパーツ絵が描かれ
ている