ソリッド・モデル ライトプレーンの時代から模型産業に携わってきた、老舗メーカーです。
そして、何より 現役メーカー でもあります。
1960年代初期の模型業界は混沌の中にあった。 まだまだ一つ一つの作品が模型史を現実に作り上げているという、
意識はなかったことであろう。 無論、模型史などと称しているのは、後に振り返った者たちが先駆者たちの足跡をなぞっているに
すぎないのであり、その先駆者たちの日々の情熱が歴史となっただけなのである。
ただ、それを探求することは決して無意味のなことではない。
そんな、1960代初期に立ち上げられた模型メーカーが、当時自社史の記録に余り注意をそそがなかったとしても責められること
ではない。 生き残り、さらなる歴史を積み上げていくことこそが、何より重要な役目なのである。
特定のメーカーの歴史・製作された製品の情報を知るのに、最も役に立つものの一つにロゴがある。
発売された年月日など知るのに欠かせないもだ。
(有)青島文化教材社 はプラスチックモデルが世に出るよりずっと早く、模型業界に参加
していたメーカーです。
ソリッド・モデル時代から製品を発売していたわけで、当然その当時から自社ロゴを使用して
います。 それが、左の A・B・K のロゴで、これは社名をそのままロゴにしたのでしょう。
このロゴは、ソリッド及びプラスチックモデルの極初期のものだけに使用されています。
60年代初期から60年代中期まで
使用されたロゴ。
PLASTIC COLOR MODEL の
文字がみえる。
A・B・K の表記は変わりない。
60年代中期から後半にかけて使用
されたロゴ。
基本デザインに変化はないが、
「アオシマ」 と内部の黒塗りが追加と
成っている。
このロゴの再販品が多い。
60年代最後期から70年代に使用され
たロゴ。
60年代と決別するように、全く新しい
ロゴに生まれ変わった。
PLASTIC COLOR MODEL の記述
が残されている。
青島文化教材社製の ソリッド・モデル <イエロー号>
全長 330mm 単2電池使用 ロゴは最初期のもの
アオシマ もたくさんのロゴを使用していましたが、これを
みると、大よその発売時期を知ることができる。
オリジナル・再販の識別もしやすくなります。
ソリッド・モデルやライトプレーンなどの発売をすでに
行っていた、青島文化教材社が最初に発売したプラス
チックモデルは何かというと、おそらくこの
「ブルーバード号」だといわれている。
スピード ボートと謳われているだけに、一般のボート
よりシャープで早そうではあるが、実力のほどは不明
である。
スピード ボート
青島文化教材社の初期のモデルの特徴の一つとして、再販が多い
というということが上げられるように思う。
ただ、一般的な再販物というと必ずといっていいほど、グレートを
落とす という手法がとられる。 したがって、版を重ねるにつれ
ますます新鮮味のない、つまらないものに成り下がるのであるが
アオシマの再販物は少し違っている。
中身は成型色くらいしか変わっていないのだが、ボックス自体の
魅力は増している。 その結果として、どれが初版なのかがはっき
りと分からなくなってしまう、という現象が発生することとなる。
模型の書籍をみていると、明らかにこの症状があらわれている。
見た人は、ますます分からなくなってしまうのである。
やはり、これを整理する切り札は ”ロ ゴ” なのである。
< 上が初版 下が2版 の組説である >
初期のプラスチックモデル・ソリッドモデルの組説は大方、
このような、丸めたものが多かった。
ただ、これは広げるのに大変不便なもので、プラスチック
の時代に入ってからは下のような、折りたたむ方式になった。
初版のボックス・アートが何方の作品であるかは不明であるが、これも
実に美しい。 下のボックスがおそらく2版となると思われるが、箱絵
は梶田 達二氏の力作で躍動感のあるすばらしいものだ。
箱自体の大きさの違いはご覧の通りである。
<成型状態> 上が初版 下が2版のものである。
成型色が違っている他は、まったく同じ物である。 下の左右をつなげている
パーツは変形を抑えるもので、組立パーツではない。 初版のものは取れて
しまっている。 変形が発生している、といても45年経っていますが。
<箱の開封状態>
初版の箱は一回り大きく配置も豪華であり、しおりなど
も付属している。
2版のものはコンパクトだ。
下は3版のものと思われるが、他にもその間の版が存在する
かもしれない。 版は更に増えていくこととなる。
プロペラ ボート
箱は全く同じであるが、 組説が明らかに違う2種。
上がおそらくオリジナルだろう、下は英語の訳が
付いている。 輸出仕様?
こちらもよく雑誌などで見かける ”ハイ スピード”
プロペラの回転により風圧で前進するというシステム。 プロペラ・ボートというと山田模型を連想させるが
アオシマからも発売されていた。 1962年の発売と思われる。
はたしてこの箱が初版かは不明であるが、知られているボックスの中では最も初期の雰囲気がある。
このモデルにも多くの版が存在するようだが、どれもやはり美しい。
シャフトドライブ?方式 音もなく快走するそうである。
アオちゃん というマスコットキャラがあったようだ。