通勤の定義


「通勤による」とは
通勤の途中で被った災害の全てが「通勤災害」になるというものではなく「通勤による」災害に限られます。
「通勤による」とは、通勤と死傷病との間に相当因果関係のあること、いいかえると通勤に通常伴う
危険が具体化したことをいいます。
具体的には、通勤の途中で自動車にはねられたり、駅の階段でつまずいて転落したり有毒ガスを積んだタンクローリー車が横転し、
そこから流出した有毒ガスのために急性中毒にかかったような場合などが「通勤による」災害、すなわち通勤災害といえるわけです。


「就業に関し」とは
「就業に関し」とは、その往復行為が業務と密接な関連をもって行なわれることを必要とするものです。
密接な関連の有無の判断基準は次のとおりです。

A 被災当日において業務に従事することとなっていたか否か、または現実に従事したか否か

B 出勤当時における就業開始時刻との関連の有無
例えば運動部の練習に参加する等の目的で、所定の就業時間開始時刻とかけ離れた時刻に会社に行く場合には、
その行為はむしろ、業務以外の目的のために行なわれるものと考えられ就業との関連性が認められないことになります。
つまり所定の就業開始時刻に間に合うようにと住居を出て就業の場所へ向かう場合のように、直接就業との関連性が
認められる場合であれば、寝過ごしによる遅刻、あるいはラッシュを避けるための早出等、時刻的に若干の前後があっても、
就業との関連性を失うものではありません。

C 退勤における就業終了時刻との関連の有無
退勤については、就業後ただちに帰宅する場合は就業に関するものであることについては問題ありません。
また、例えば就業時間が5時までであるのに、3時に早退する場合であっても早退により、その日の業務は終了し、
帰宅するものといえますので、一般には就業との関連性は認められます。

なお、通勤は1日について1回だけしかみとめられないというわけではなく、例えば昼休み時間等に一旦帰宅して昼食を済ませ、
再び出社するような場合であって、その間の往復行為については、就業との関連性が認められる場合があります。
さらに就業後、事業施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動行なったり、労働組合の会合に出席したあとに帰宅するような場合に
ついても、それらが社会通念上就業と帰宅との直接的な関連を失わせるとの認められるほど長時間にわたるような場合を除いて、
就業との関連性を認めても差し支えないとされています。

労災レセプトのページより抜粋


■通勤の定義
  通勤とは、労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、
  業務の性質を有するものを除くものとする。

■合理的な経路及び方法
 □定期券に表示され、また会社に届け出ている鉄道、バス等通常利用する経路。
 □鉄道、バス、自動車、徒歩等、通常用いられる交通手段。

■注意
 □飲み屋、映画館等の寄り道以後は、通勤災害とはなりません。  
 □友人・知人等の自宅から通勤する場合は、通勤災害とはなりません。
 □始業2時間前、終業2時間後の通勤は、通勤災害とは認められない場合があります。
 □深夜帰宅途中に女性従業員が暴漢に襲われた場合は、通勤災害となります。
 □バイク通勤禁止にもかかわらずバイクで通勤した場合でも、通勤災害となります。

吉本社会保険事務所より引用・抜粋






「何となく労災保険」に戻る