・A-3 4472"FLYING SCOTSMAN"(1969〜1972年バージョン)
イギリスのA-3 4472は現在、イギリス国鉄時代の60103として動態保存されています。1963年に廃車、解体される予定でしたが、実業家で鉄道愛好家であるアラン・ペグラー氏に売却され、ドンカスター工場で、イギリス国鉄時代のスタイルから、完全にLNER時代のスタイルに修復されました。蒸気機関車の給水施設がなくなっていく中、1966年にコリドーテンダーを購入して補助水タンクへ改造し、ダブルテンダーとして使用し、長距離運転が可能になりました。輸出促進を目的として、1969年に9輌の展示客車(プルマン車他)と共に、アメリカとカナダに輸出されました。アメリカで運行するために、カウキャチャー、自動連結器、ベル、アメリカ式汽笛、ヘッドライト等が取り付けられ、1972年までアメリカ各地を走りました。が、このアメリカでのツアーでペグラー氏は膨大な負債を抱えることとなり、ペグラー氏は破産手続きを行い、本機はサンフランシスコのシャープ工場に一時的に保管されました。1973年に解体されることになり、解体寸前に、実業家のウィリアム・マッカルパイン氏に買い取られ、無事にイギリスに帰還させることができました。
モデルはMinitrix製をベースに、モールドを削り取り、各部のディテールアップ、アメリカバージョンにするためにカウキャッチャー、ベル等を自作し、1969年から1972年当時の姿を再現してみました。またセカンドテンダーは足回りにDapol製(A3、A4用)を使用し、上周りは自作しました。
庇付きヘッドライト、カウキャッチャー、自動連結器、ベル、旗(?)が特徴です。
カウキャッチャーは調べたところ、1971年から黒く塗られていたようです。
ヘッドライトはヘッドマーク掛けに取り付けられています。
「FLYING SCOTSMAN」のネームプレートはDapol製のパーツを赤く塗って使用
クロスヘッドの形状が実物とかなり異なります。
キャブには「4472」のナンバーではなく、LNERのマークが取り付けられています。
窓ガラスは製品のままでは平面性に乏しく、チープだったので、透明プラ板をはめ込んでいます。
テンダー上部の形状も、かなり加工しています。
キャブの代わりに、セカンドテンダーに「4472」のナンバーが入っています。
足回りはDapol製のパーツ、上回りはプラ板からの完全自作です。
煙室横に大型の汽笛が取り付けられています。
第一動輪のスプラッシャー前部分に、不明の箱があります。
イギリス国内では取り付けられていないように思います。
従台車枠は上回りに固定しています。
最初からランボードは曲がった状態になっていました・・・
それを少しでも修復する意味で、ランボード下に補強を入れました。
テンダー後部の上部左右はカットされています。
後に元に戻されています。
幌の下部分にも「架線注意」のマークが貼られていました。
セカンドテンダーの前後
元々他のコリドーテンダーを改造して作ったため、後部形状は同じです。