「どうして!? どうしてなの!?」

「……残ってないのさ、もう……君への想いは……」

「……ハイそうですかって、納得できると思う?」

「嘘は付けないんだよ。もうこれ以上、自分の気持ちに」

「2年前には、もう戻れないって言うの? でも私は、あの時よりもっともっ

と貴方を好きになっているのよ!!」

「……止してくれ……もうこれ以上は、お互い辛くなるだけだ」

「だって……貴方と別れる以上に辛いことが他にあるの!? お願いだから、

もっとちゃんとした理由を聞かせて!!」

「定義することなんて出来ないよ……人の気持ちの移ろいをね……それに今更

何を言っても、体の良い言い訳にしか聞こえない」

「嫌よっ! 理由も判らず別れるなんて、出来ない!!」

「いい加減にしてくれ……それに、どんな理由があっても君は僕と別れるつも

りは無いんだろ? だったら言っても言わなくても同じことだ」

「だって……だって……ねえお願い、考え直して!! 私どんなことでもする!!

貴方の気に入らない所はきっと直すから!!」

「……埒があかないな……僕はもう行くよ……さよなら。もう、会うこともな

いだろう」

「……うっ……ううぅ……ま、待って……お願い……」

「……いいかい? もう一度だけ言うよ。僕達は……終わったんだ」

「駄目……そんなの駄目だよ……私、貴方無しでなんて生きられない……貴方

が行くって言うなら、私……私……」

「死ぬ――とでも言うつもりかい? 君にそんな度胸があるとは、思えないな」

「……なら、今見せてあげるわ……」

(ギラッ)

「わわっ!! ちょっとちょっと!!」

「止めないで!! 死ぬわ!! 死んでやるぅーー!!」

「うわっ!! あ、危な……ちょっと待って!! マジ? マジなの!?」

「呪ってやるぅーー!! 化けて出てやるんだからぁーー!!」

「あ、危ない!! 危ないってば!! 落ち着いて!! 落ち着いてってば、

可憐!!」

「…………ハイ、可憐の勝ちぃ〜」

「ハッ!? し、しまった!!」










「……でもさあ、もう止めない? この“セリフしりとり”」

「ふふ……負けたからってそんなこと言って。お兄ちゃんてば、子供みたい」

「イ、イヤそうじゃなくて……どうして何時もシチュエーションが“ベッドの

上で愛を語らい合う恋人達”とか“部長とOLの人目を忍んだオフィスラブ”

とか、そんなのばっかなの? 今回も“別れを切り出した男に詰め寄る女”だ

し……」

「そういうシチュエーションの方が、盛り上がるでしょ?」

「……盛り上がるって言うか、血の気が引いたって言うか……」

「迫真の演技だったでしょ?」

「演技……だったのか?」

「えへへ……お兄ちゃんから、さよなら言われちゃうとこ想像したらホントに

涙出ちゃった……」

「可憐……」

「……ねぇお兄ちゃん」

「うん?」

「ずっと……ずっと可憐と一緒にいて、ね」

「もちろん。可憐がイヤだって言っても、絶対に離さないからね。覚悟してて

よ」

「それは可憐のセリフだよ、お兄ちゃん(はぁと)」






【9月23日は可憐の誕生日だよおめでとうSP】

☆ Sister Princess ☆
<Short×3>

−cap verses


−That's all.−










−An extra story−


「うぅ〜……まだ廻るのぉ……」

「当然!! 次はランジェリーショップだよ!! 咲耶お姉ちゃんに負けない、

勝負パンツ買うんだから(はぁと)」

「か、勘弁してくれぇ〜〜(泣)」

「何言ってるの。これは罰ゲームなんだから! しかもお兄ちゃんバイトとか

色々忙しくて、結局あれから3ヶ月も経ってるんだよ!……まあ、丁度可憐の

誕生日に重なったから結果オーライだけど……」

「そ、そうだ! プレゼント! 誕生日プレゼント渡したいんだけど……」

「え!? ホ、ホントお兄ちゃん?」

「うんうん! だから、ランジェリーショップは勘弁して……(泣)」

「う〜〜ん、そんなにイヤならしょうがないけど……」

「(ほっ)じゃあこれ……」

「わぁ……ありがとうお兄ちゃん!! 開けても良い?」

「もちろん」

「うふふ……一体なんだろう……?」

(がさごそ……)

「…………えっ!?」

「…………」

「……お、おに……いちゃん……こ、これって……」

「まあ、一応給料3ヶ月分ってことで」

「ウ、ウソ……ホントに……? ホントに可憐に?」

「出来れば、左手の薬指に……付けて欲しいんだけど」

「お、お兄ちゃん……」

「Happy Birthday 可憐。愛してるよ」

「う、うぅ……」

「……泣かなくても」

「ふぅ……だ、だってぇ……えぐっ……」

「ずっとずぅっと、2人で歩いて行きたいな……可憐」

「……うん……うん!! ずっと、ずぅぅっと一緒だよ!! 可憐の……可憐

だけのお兄ちゃん……」






―Happy Birthday KAREN―






(1st edition : 2000/09/23)

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