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奥工石山(立川工石山)

2012年04月29日 

朝起きると「比較的天気も良さそう」・・・で、ミニバイクを借りて8時過ぎ出発。
幹線道は運転する自身がないので、しばらく田舎道&山越え道を走り、途中から国道32号を北上。
連休中の日曜日とは思えないほど交通量が少なく、信号待ちで停車したであろう集団が3−4分おきに5−6台ほど抜かれる程度。
約1.5Hr後の9:30頃、「JR四国:土佐北川駅」に着く。ここは橋の上に駅がある全国でもめずらしい駅。

                                                  ↓青枠線の絵はクリックすると拡大可


この辺りを流れるのは吉野川の支流:穴内川。昭和の終わり頃まで線路はこの川沿いにあったが、地滑り&崩落多発地帯のため、いまではこの駅から橋で左岸に渡り、すぐに全長約2kmのトンネル(上記写真参照)、その後、短めの橋で右岸に戻して従来線と合流後、再び全長約2.6kmの大杉トンネルで危険地帯を回避したのだとか。
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ホームから列車を取るべしが、ホーム下で鳴くカジカの声に気を取られ、録音中に列車が接近。あわてて階段を上がったが小さな姿しか撮れず(上記写真右)。

気を取り直して出発。少し進むと32号線はトンネルに入るが、旧32号道は穴内川に沿って進んでいる。対岸には旧土讃線の遺構があちこちに見える。
写真左:落石除け、写真中:第4穴内川陸橋跡 いまは車道に。 写真右:道の駅:大杉 の近くからみた大杉
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10:03 着いた大豊町:前方高見に日本一といわれる「杉の大スギ」が飛び抜けているのが見える(写真右)。
だが、ガソリンスタンド2店とも日曜日なのか閉店。返りの給油に??でちょっと焦る。
この町並みを抜け、左手のトンネルで大豊インターチェンジの下を潜り、川口分岐を右折。吉野川本流を横切り、高速道の下を約8km北上。

10:30 幕藩時代に参勤交代の宿があった立川上名(たちかわ かみみょう)の集落に着く。茅葺きの宿を見て、良心市のカラシナの漬物100円也を手に入れて仁尾の内に向け出発。
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約20分後樹林中の仁尾の内バス停を通過。1日3便:JR大杉駅9:52発10:38着。ここから約9kmで登山口の山荘であるが、仁尾の内発の最終は14:19発。1日で登って帰るのはまず無理:かつ土日祝日は運休・・・・と全く持って車しか足が無い山。
バス停から先はダート。実に走りにくい。降雨対策の溝と土手の高低差が20−30cmほどもあり、スピード出すと吹っ飛ばされてしまう。山中で会った方によると、3−4回車の腹をこすってきたのだとか。

ともあれ、11:25頃、工石山荘着。小屋の前には満開の白い桜と乗ってきたバイク。ガソリンは6分目まで減っており、残1.5Lとして=63km走れる勘定。
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車2台が駐車中。内一台は登山済みのようで数分後に出発。歩き始めた時に別の1台が到着。
駐車場も広く15−20台は楽勝。近くには通行止めしてあったが+30台以上置ける広場も(後述のユルギ岩から俯瞰した写真参照)。

小屋内は綺麗で、電気冷蔵庫・流し台・釜戸・いろりが並ぶ15畳ほどの土間と、15畳ほどの板間がある。発電機を持ってくれば動かすことができるよう配線もしっかりある。
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導水用のパイプは引かれていたが、残念ながら詰まっていた。

小屋前から仰ぎ見るとかろうじて山頂とユルギ岩が見えるが、林道を数百m南に進んだ所からだとさらによく見える。
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11:35 小屋前の看板を確認(写真左)し、鳥居の有るところを抜けて登山開始。檜の林の急登をあえぎあえぎ登る。足元の石ころはきらきらしていて綺麗だが、植林帯を過ぎると少々滑る岩の道(写真右)。
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11:52 稜線着、白髪山が目につく。ベンチ横を更に登り、前方の岩を左に巻いて短めのロープが有る坂を登り、さらに進むと龍王峠への分岐がある。さらに登ると湧水の岩に着く12:07。上から順に、「64番」と「岩清水」と「吉野川源流88箇所水巡り」の標識がある。
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岩の奥からしたたり落ちる(写真最右上段の白線)水が、朽ちた竹樋いをたどって手前の水受けに落ちるが、味は今一。

そこからさらに登り、小ピークを右に回ると、前方にユルギ岩が樹間に見えてきた。
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12:17岩の根元に着き、右手の急登を登ること2分で岩の上に立つ。真新しい祠と2人連れの先客(写真左)。足元には工石山荘と駐車場、その向こうに空き地&ダンプカー(写真中)が見え、正面には白髪山(写真右)。
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先客に、この傍らに道中唯一のアケボノツツジがあるのを教えて貰う。咲いているのが3−4輪と寂しい限りであるが、言われるまで道中花が無いのに気づいていなかったことに気づく。ん!!、どういうこと?。 (写真左の中央にアケボノツツジ)
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祠の横からの眺め良し。西には石鎚山塊、東には剣山・二郎笈・三嶺が見えるはずだが、今日は霞がかかっていて判明しない。適当に撮影してあとで確かめよう。

西〜北には石鎚山山塊。下記写真左手から1/4ぐらいにあるトンガリピーク(登岐山1475m)の右上に笹ヶ峰、左上に石鎚山山塊が見えるはずだが、石鎚山そのものは見えないよう。写真中央の小山は三角点の有る工石山山頂。
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東には、剣山方向が・・・・・・こちらは見えるはずだが、もやってて全く判明せず。中央やや右の双子山の上に連なる薄いシルエットが剣山・二郎笈・三嶺のラインと判明。ほかの方のHPサイトでくっきり写ったスカイラインを見ると、山荘に1泊して早朝の東空を眺めたいもの。もっとも手前の尾根に沿って下りきった所が立川上名(ほぼ写真中央やや右下付近)。
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南方には白髪山。その右手側に薄く連なる尾根の一番高いところは国見山(=参勤交代の通り道)で、ここから土佐藩領をながめたとの記録がある。その道は、正面に見える白髪山の南側(向こう側の谷)の本山に下り、川口から左手に巻いて北上(=バイクで来た道)し、左手後方の笹ヶ峰(1020m:伊野町の笹ヶ峰1859mとは違う山)を越えて伊豫の国:川之江に抜けたとあるのを思い出しつつ眺める(=上述の「茅葺きの宿」解説看板参照)。
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三角点に向かう。わずか数分で一等点に12:35着(写真左)、三角点(写真中)、さっきまでいたユルギ岩(写真右)を俯瞰。 
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山頂の回りにツツジなど花の木はたくさんあるが、咲いているのは全くない。見晴らしも南側の白髪山は見えるが、北側は木がじゃましてはっきりしない。
それでも20分ほど滞在してコンビニ食とカラシナの漬物で腹ごしらえ。芥子のピリ辛とこれがうまい。しっかり漬けてある。
昨今のスーパーでは、単に漬け汁につけるだけの処理しかしていない漬物だらけで乳酸味が薄い。もっとも、発酵臭を嫌う客が多くなったようで、スーパーとしてはやむを得ないかも。

南に見える白髪山は往復3Hr。登るか止めるかしばし検討。ガソリン不足と前照灯が半分切れていて夜間走行に支障があるため早々と諦め。龍王峠への分岐を通って時間つぶしして帰ることにし12:55ゆっくり目で出発。
ユルギ岩で、後から来た登山者(歩き初めに到着した方か?)と少々会話し下山。

13:15湧水の岩に戻り5−6分ほどしばし調査。同じ様に雨宿りできそうな穴が1−2ほどある。分岐に向け下るがいつまでたっても着かない。そのうち最初に稜線に出た近くまで戻ってしまった。
そこからまた急坂を登り直すこと6−7分でようやく分岐を見つける(結局14−5分のロス)。ここで先ほどユルギ岩で合った登山者に追いつかれてしまう。
一人分岐から南に下り、途中にアケボノツツジのぽつぽつ咲く道を快調に進む(写真左)。その内、胸元〜背丈ほどの四国ササの覆う道となる(写真右)。写真を撮りつつゆっくり下る。
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ただ花の盛りは過ぎていて、今一見栄えがしない。
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やがて向こうに高見が見え、最低鞍部に来ると、左手側に小さな赤・黄のビニルテープを巻いたササがある(写真左・中)。ここが林道への分岐点。14:03
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テープのある左手方向(写真右)は、背丈以上もあるササのトンネルで躊躇物だったが、ものの20mもくぐればあっけなくヒノキ林に入り、約70−80m進めば道に飛び出した。時に14:10。


ここから林道を1.7km、所々に山桜、アケボノツツジの咲く稜線を遠くに見つつ、沢から流れる水を味見しつつ歩く。やがて山荘に水を引いている沢(この沢:水はうまい)からパイプがうねうねと伸び、約400mで出発点に戻り着く。
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14:45、ガソリンが心配で、来た道方向に降りれる東側のショートカット道を進むことにし坂を登る。が、その分岐点には「2km先で通行止め」とある。山頂から見えた白い禿げ山付近で工事が行われているようで、やむなく右手に1分ほど進んだ「龍王峠」まで登り、ここから西側の本山町側に下る。結構急な下りで、ガソリン節約のためエンジンOFF。途中白髪山への登山道口を過ぎ、ほとんど麓の県道までの標高差750m距離9kmをOFFのまま下り切れた。

そこから車1台幅の汗見川沿いの道を30分ほど進む。わずか3台の車としか合わない。早明浦ダムからの道に合流すると片側1車線となり、快調に進める。国道439号に入るとガソリンスタンドも開いており、ほっとする。

本山町の「本山さくら市」という地元物産店で休憩。地元産山菜・野菜、米、手工芸品、米粉を使った食品や苗の販売所だが、ここではユズ果汁ジュースでのどを潤す。駐車場には「天空の郷」とペイントされた車があった。
この町、「天空の郷」と呼ばれる地域があって棚田が並び、ここで穫れる「にこまる」が「2010年お米日本一コンテストinしずおか」で「コシヒカリ」以外&西日本産で始めて最優秀賞を得ている。もっともその場所は国道(酷道の名でも有名な)439号沿線ではなく、さらに山間にわけ入ったところにあるようだが、見物に行く元気も時間も無い。
残念ながら、隣の大豊町でしか作っていない碁石茶(俗にいう茶葉の漬物)はさすがに置いてなかった(あたりまえか)。

快調に・・・・と言いつつも腰の痛みがぶり返し、国道32号線:根曳峠の急下りを騙しつつ進み、日の暮れる前の18:05ようやく帰着。



コースタイム 予定(=新・分県登山ガイド38:高知県の山)、実績(=休み含む)
予定:工石山荘−0:30−尾根筋−0:10−分岐−0:35−ユルギ岩−0:05−山頂−0:03−
    ユルギ岩−0:47−林道出合−0:25−山荘 計2:35

実績:工石山荘−0:18−尾根筋−0:07−分岐−0:20−ユルギ岩−0:15−山頂−0:10−
    ユルギ岩−1:05−林道出合−0:26−山荘 計3:01

    湧水の岩:ユルギ岩まで登り0:11、 ユルギ岩から下り0:07  

往復 150.8km( 6:35) 行き:69.1km(3:10) 返り:81.7km(3:25)  


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