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天狗岳・稲子湯

2011年03月04日 いつもの冬の八ヶ岳・稲子湯
8:46 高尾発に乗り込む。KTさんと合流。パン1個と柚ジュースを買う。
アナログ放送からデジタル放送に変わることで生じる空き電波の利権がらみの記事でしばし話し込む。
甲府盆地に入り、南アルプスの眺めが良い。
     

着いた甲府で途中下車。始発列車待ちの約30分の時間つぶし。ワインの専門店を冷やかし、
「ヴィ・ド・フランス甲府店」で、名前はドーナツだが穴はなく球体状の「もちもちドーナツ」4種類を見つける。
KTさん、「日持ちは?」と尋ねても「本日中」との返答。まあいいかと明日の行動食に。

そうこうしている内、Nさんと合流。車窓の鳳凰3山や甲斐駒、鋸岳を見つつ、好天に感謝。

ほぼ定刻に茅野着。WEBで調べておいた蕎麦屋「信濃路遊膳 蕎麦の郷」に向かうが、
結構寒さがきつく、6−7分歩くだけで身震いしてしまう。
   
平日故に、お勧めの「粗きりそば」の大盛りを食す。その前に生ビールで乾杯。
水漬け蕎麦、赤味かかった塩を振りかけて食し、最後に付け汁をつけてと3種類の食味。
水は味気ないが、塩と汁はいける。
写真は取り忘れ。

一度駅前まで引き返し、駅ビルをブラブラ。ビル内のスーパーも一回り小さくなり、目当ての馬肉の
薫製も見あたらず。

蓼科湖前で下車。昨年下車した養殖場前に比べ50円安い。
湖の向こうの山腹に、宿への道路が見えるが、有料の庭園美術館を突っ切らねば行けず、湖周の
散策路を右回りに約1/3回り、上にあがる細道を見つける。
養殖場前まで大回りすることなく、いつもの道路に着いた。

道すがら、電気柵でぐるりを囲った別荘があり、鹿除けかなと話しつつ、宿に到着。
風呂に入り、腰の痛みを緩和し、明日に備える。


3月5日(土)
天気は上々。中央アルプスの白いスカイラインを見つつ朝のバイキング。


昼食分もお腹に詰め、8:40頃タクシーで渋ノ湯に向かう。2分も行かない内に、13頭の鹿の群に合う。
運ちゃんに聞けば、別荘周りにある餌(家庭菜園の野菜など)目当てに集まるようで、イノシシなどは慣れ
たもので電気柵を倒して入り込むのだそう。
電圧2000Vだが、人への害を避けるためピリと来るぐらいで、感電死する訳ではないよう。

9:05過ぎ、準備をして渋ノ湯を出発。防寒下着+夏用シャツ+合羽の上下でやや肌寒い程度。
   写真提供:KTさん

歩き出して直ぐは腰が重い感じだったが、雪の音が心地よく、ゆっくり目に歩き、9:54稜線に着く。
空は暗い感じの青。

10分ほど休み出発。この時間なのに結構下山する人が多い。10人ぐらいとすれ違う。
中山が見えるところまで進むと空の色の暗みが増してくる。雪の音も変化してきた。
暗青色の空が、白い木枝の向こうにかいま見える。
   

11:05 黒百合ヒュッテ着。しかし人口密集地。
山ガールが20−25名。めいめい腕に名札があり、どうもツアー客。
ヒュッテの寒暖計を眺めると直射日光が当たっているためか、気温+10℃。体感は−6〜8℃


人の多さにめげ、休み場所を、とりあえず中山峠に非難。前を歩く人に声を掛けると、田部井淳子さんが
いたとのこと。後日、彼女の日記(趣味人倶楽部)を見ると、山ガールを引き連れてのツアーの由。

11:15、峠から稲子湯への道は踏み跡が無いが、10mほど左手に登ってきた跡が見えた。
あそこまで行けば、その後は何とかなるかなと考えつつ、食糧とお茶を持って山頂に向かう。
心配していた腰はすっきり。有る程度の運動が必要なようである。4日前に土いじりなどで腰に負担を掛け、
3日前には痛みで丸1日寝てたのが嘘のよう。

11:23、結構急な雪道を上り詰めると、樹林が切れ、視界が開ける。青い空をバックに白い東西の天狗。
久しぶりのご対面。10年ぶりの登頂。飛行機雲もよく見える。


一度樹林の中を抜け、再び急登にかかる。その昔、ここで良く尻セードしたところだが、樹木が伸び、雪面から
飛び出している。かなり西側でないと難しそう。
緩登になり始めた頃から西風が強く、頬が痛くなる。気温も低く、凍傷になりはしないかと心配しつつ、手袋で
顔を覆っての登り。

11:45ときどき強めの風。雪が舞い上げられ、白煙に。
    雪煙の中を進むNさんKTさん。

結構さらさらの雪で、つま先キックで登るが、疲れてきてキックを止めるととたんに滑り出す。

12:05 山頂に着く。遮るもの無く360度、雲なし。
南側:富士山と南アの一部は硫黄岳・赤岳に隠れて見えないが、峰の松目の向こうには北岳・甲斐駒・千丈が。


南西〜北西には中ア、御岳、乗鞍、北アの南端から白馬・乗鞍岳までが、一望。(下記写真は乗鞍〜北ア) 


北は戸隠、高妻、焼岳、火打、妙高。 望遠レンズでズームイン


北東には根子、四阿、湯ノ丸、浅間。噴煙は見えず。


東〜南には御座山、金峰。


登頂時は結構風が強かったが、15分ぐらいすると弱まってきた。隣の西天狗に行きたかったが、踏み跡もなく、
少々不安なので止めることに。

そうこうしている内、我々3人のみになり、先が有るので下山にかかる。
風も少なくなり、3人ほどが西天狗に向かっているのを羨ましく思いつつ、急傾斜では「かかとキック」で
足場を確保しつつ下る。

結局、お茶も食料も消化することなく、13:00頃峠に帰着。
踵キックで左膝が痛み出した。ともあれ暖かめの広場で腹ごしらえ。甲府駅のもちもちドーナッツ、
高尾駅のアンパン、田舎の黄金柑。宿のお茶。

峠から東への踏み跡はまだなく、直登した跡が見えるのみ。15mほど中山方向に向かうと、登ってきた
踏み跡があったが、ここから下るのは大変そう。
13:25頃出発。いつも通り、峠からトラバースし、踏み跡まで到着。腰まで埋まる新雪を踏みしめ、
木の枝に捕まりつつ。
踏み跡はほぼ直登のため、ジグザグに進路を取る。近くの枝に捕まったとたん、雪がどさっと降り掛かり
首筋にまで入り冷たい。

いつもの尻セイドー場所ではいつものとおり尻セイドー。若干滑りが悪い。
踏み跡をたどり、下りを始めるが、膝痛で思い通りに歩けない。そうこうしている内、左側で「ピキッ!」と乾いた音。
何かなと思いつつ進むともう一度響き、とたんに左肩紐が軽くなった。
肩紐の長さを調整するプラスチック製金具が割れて切れた。
このザックでは3回目。まあ、定価1050円のだからなあ。

とりあえず紐の先を手で押さえ、先行2人に追いつく。
14:15しらびそ小屋につく。さっそく肩紐の修理。といっても切れた両者を縛り直すだけではあるが。

仰ぎ見れば天狗の姿が見える。こんな感じに見えるんだな。

写真左:天狗岳山頂からしらびそ小屋、写真右:しらびそ小屋から天狗岳方向

ここからの下りも膝痛との戦い。左膝をできるだけ曲げないよう横下り。平地はなんでもないが下り坂は膝に来る。
林道に出るまで、ショートカットのルートはひたすら避けつつ・・・。

15:20過ぎ、ようやく稲子湯着。

風呂に入り、膝を暖め、ようやく痛みが消える。こたつの中でいびきをかきつつうたた寝。
夕食は、鯉の洗いと、鯉こく付き。すき焼き、天ぷらとおかずだけで満腹。


明日の行動を計画しつつ、缶ビールを飲みつつ、シリアの暴動・北朝鮮報道の話をしつつ10時過ぎ就寝。



3月6日(日)
今年は、松原湖〜海尻方向に歩こうとなった。

宿のバスで松原湖駅に向かう。車中で振り返ると天狗・硫黄に雪煙が高く上がっているのが見える。
かなりの強風のようだ。駅近くの酒屋でいつもの「帰山」を買う。

9:10 松原湖駅から対岸に渡る。ここから上流側(=海尻方向)に道沿いに進み、途中から用水路沿いに歩くが、
途中で踏み跡が薄くなってしまい、通行不能と判断して引き返し。
上にある車道に登り、上流側に進み、老人ホームにつくがここから先の道が見あたらない。やむなく再び引き返し。
用水路沿いの道の下方に取水関と対岸に渡る橋が見えたのでそこまで下るが、立入禁止の看板が行く手を阻む。
三度引き返し。坂を上がり直し、もと来た道をとぼとぼと。結局10:30頃松原湖駅に帰着。

写真左:1回目の引き返し中。
写真中:上の車道への登り。10数分後この道を下り、右手下の取水堰に下る。
写真右:結局元の松原湖駅に帰着

ひとしき腹ごしらえの後、国道沿いを海尻に向かうことに。車はそんなに多くなく、歩道もしっかり作られており、
そこそこ歩ける。
車にはねられたらしい猫?みたいな動物をしばし眺める。金色に近い黄と灰色の縞模様の毛と、ほぼ体長ぐらい
あるふさふさのしっぽに魅入られ、良い毛皮になりそう・・・。

対岸老人ホームから上流の崖に道らしい跡が見えるので行けるのかななどと話しつつのんびりと進む。
後日調べると、5万分の1地図上には破線が有った。

海尻駅近くに来ると、ハイブリッド列車が通り過ぎていった。
「いではく」作詞の「北国の春」の碑を眺め、海尻駅着。しばし休憩。
ここで次の列車を待つか(待ち時間:2:00)、次の佐久海ノ口駅まで歩くか・・・・。
そこまで4.5m差の登り(=標高差)と進言し、結局歩くことに。

4.5mの根拠と海尻駅のホームで一休み

ところどころ歩道が無くなるがほぼ水平の道。
尾根を巻いて川面に面したところでは、羽先が黒い鳥(首を長くしたまま飛ぶ=多分「クロツル」)と、
全身白い鳥(足が黄色い、首を縮めて飛ぶ=コサギ)がお出迎えしてくれる。

途中に、○○食堂とか○○ドライブインの看板があり、『着いたら飯食べよ』、「冬だから開いていない」、
「海ノ口城跡があるので行ってみる」などと話しつつ、海ノ口集落に。
○○食堂はお休みだったが、駅前の喫茶が開店中。次の列車が来るまで昼食タイム。

写真左:佐久海ノ口駅前:Nさん撮影
写真中:駅前の喫茶店 あすなろ
写真右:佐久海ノ口駅 ホームにて

13:30頃の列車に乗り一路小淵沢へ。ただ、いつものホリデー快速利用だと2時間近く待つことになるため、みんなは
乗り換え時間7分後の始発で帰ることになった。
当方、土産物を必要としたため、分かれることに。

売店で土産物を買い、間に合うかなと改札に入った時にはもう電車が動き出していた。
次の電車は42分後(=15:12)。暇つぶしで駅前を散策。
自然食品を売っている店で地元産チーズを見つけ、安いのを購入(ただし、こちらは駅売店にもあった)。
紅茶とプレーンと抹茶のシフォンケーキ(冷凍品:製造年月日記載無し:プレーンに賞味期限11年2月2日とあった)
を土産に。紅茶はいける味。お腹は壊さなかった。

ビール2本(1L)+つまみ を仕入れ、一箱10人ほどの電車の住人に。車窓を眺め、結構なピッチで空にする。
山梨市駅で特急に追い抜かれる間にもう1缶、大月駅の待ち合わせ中にワインを1本(小瓶)。

いい感じで19時前に帰着した。

 
コースタイム:
      渋の湯-0:40-稜線-1:15-中山峠-1:00-天狗岳-0:40-
       中山峠-1:00-しらびそ小屋-1:10-稲子湯=5:45
実績     :
      渋の湯-0:50-稜線-1:15-中山峠-0:55-天狗岳-0:55-
      中山峠-1:15-しらびそ小屋-1:05-稲子湯=6:25
        (実績には休憩タイム1:00含む)
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