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笊が岳・布引山 

2010/8/18 朝、6時過ぎの電車に乗り、小田原・熱海と乗り継ぎ、8:20分過ぎに静岡着。
夏期期間だけの臨時バスに乗り込む。約25名でバス2台。1人で椅子1つを占領。
車中では、畑薙ダムからの乗り継ぎ予定、帰りの日程など色々調査あり。登山届け、下山届けを作ったり。
井川の休憩所で、静岡おでん5本400円也を食す。大根が固かった。

畑薙ダムでの乗り継ぎはスムース。東海フォレストの送迎バスが定刻の14:30でなく、13:30には発車。
ただ、重いザックを膝の上に置いての移動は結構辛いもの。14:40頃 椹(さわら)島着
宿泊手続きを済ませ、明日のルート確認に向かう。歩くこと10分少々、滝見橋を渡り、すぐの右手側に案内標識。
   

少し緩くなるところまで、約10分ほど登ってみる。けっこうな傾斜だ。
帰り着いて、シャワーを浴び、レストハウスで生ビールを注文。草原の左手半分がテント場、快適そう。
正面は明日の歩行ルート。写真中央の鞍部から右手側の登りが緩やかに見えているが・・・・。
見る角度のせい。実際は鞍部まで250m差、鞍部からピークまで650m差


3日後、この尾根の反対側(北側の林道)から眺めると、その急な坂がよく判る。
写真右側の一番谷になったところ
が鞍部にあたり、左手の電線と交差する稜線がピークに当たる。
  
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2010/8/19
3:30起床。朝食の弁当はパンとゼリーとジュース。重いものから食し、4:17出発。4:30登山開始。 
結構きつい登りをひたすら進む。緩くなったころに送電線鉄塔に着く。5:10−15コル手前で一休み。
荷物が重い。ここからさらに450mの急登+200mの緩登。

30分ほど登ると、青年の下山者が1人。
聞けば、広河原から入山し、農鳥、笹山、伝付、上倉沢でテント泊。時間が余ったので、赤石辺りに登る様。
上倉沢のテン場は歯磨き、入浴ができて最高だったようす。人と話すのはひさしぶりとか・・・。
10分近く話し込む。まだまだ先は長いので、ブドウ糖入りチョコを食い出発。これが効く。
荷物が1−2kgは軽くなった感じ。
6:05−15休憩、しばらくして傾斜が緩くなったが、まだ登りが続く。7:50−8:15大休止。
そこから緩い下り坂になり、やや開けた広場に標柱が立っている。8:32 笊まで270分とある。
   

ここからトラバース道になる。最初は快適な道。


やがて沢が現れる。沢に降り、対岸を上り返しが繰り返される。

写真左:9:01 第2番目の沢、写真中:9:25 第3番目の沢、写真右:9:25 第3番目の沢(別の流れ)

3番目の沢で、下山してきた同い年ぐらいの人に合う。朝3:00に椹島出発し、笊が岳に行ってきた健脚者。
6.5時間で山頂往復し、下りは残り3時間ほどか。
高巻きや滑りやすい道で体力消耗中の身にとって、この健脚ぶりを聞くとよけい気力が失せてしまう。
結局10:00まで休み


写真左:10:15第4番目の沢通過、写真中:10:30-47第5番目の沢で休憩、写真右:10:55第6番目の沢通過。

相変わらずの上下が続き、へとへと。やがて、樹林が切れ、草付きの広場を抜け、水のない上倉沢に降りる。
上倉沢を数10mほど下り目に進み、対岸(左岸)にある登り道を登る。そこには草付きのテント場。11:25着

写真左:11:22 対岸の登り道、写真中:11:25 本日のテント場、写真右:テント場周囲のキノコ林

計画では本日中に笊往復の予定であったが体がついて行かない。今日はここ止まりと腹をくくる。

7分ほど下った水場にて水を調達。件の青年のいう入浴場(水深15cm直径1m強)2つ(ただし、翌日には2つ共
干上がっていたが)。
入浴場から1分下ると、ゴウゴウ音を立てて、笊が岳側の谷スジから湧きだしている。
その量、数100L/分。冷たくてうまい。


テントを張り、軽く昼食を食べて1時間ほど横になる。やがて体が軽くなったので、足慣らし目的でルート確認。
13:35発、13:40樹林帯を抜け、涸れ沢を登る。13:44途中で鳥が飛び出し、下流側に飛んで行く。
褐色地に黒い斑点。雷鳥かい?1歩進むと2羽目が隣の林の中へ。もう1歩進むとまた1羽が飛び出し、
よたよたと3mほど飛んで崖の草の中に消える。飛び出した所は砂浴びした跡が見える。

後日、椹島にいた日本野鳥の会遠江事務局のKさんに確認すると山鳥だった様。

13:45 左岸の取り付きから樹林帯の中をひたすら登る。きつくもなく、緩くもなく。
14:17 ガスが巻き視界はほとんどないが、赤石が見えるという切り開きにつく。
やがて、前方には木の根が露出している場所に着き、すぐに14:25稜線の椹島下降点に着く。


視界不良、ときどき雨がぱらつく。合羽のズボンを履き、先を急ぐ。ピークがいくつかあるようで、
越えても越えても先が見えない。背の高い木が急になくなり、濡れた黒臼子の灌木と這い松が現れた
と思ったら2分も経たずにガス巻く山頂に着14:53。

 左:14:51、黒臼子の灌木、 中:14:53、山頂の風景、 右:14:53、出迎えてくれた岩ヒバリ

三角点は山頂の標識南側の這い松の下。木の陰で判りづらいが2等三角点であった。
   

15:04 そうこうしている内に雨。合羽を着込み下山。スパッツを着けようか迷ったが着けずに。これが誤算。
左足がグジュグジュに。稜線下まで下ると雨が止み・・・、というより山頂付近のみ雨だった様。
16:04 上倉沢に帰着。

湿った靴下を搾り、靴とともにコンロで乾かすと湯気がたくさん。ウイスキーをあおって寝る。暗くなってから夜半に掛けて、パラパラと雨が降る。 

本日のコース:椹(さわら)島−標柱−上倉沢。
コースタイム:3:15+2:10=5:25
実績     :4:15(休み0:40)+2:53(休み0:55)=7:08(休憩タイム1:35含む)

本日のコース:上倉沢−笊が岳−上倉沢。
コースタイム:2:00+1:15=3:15
実績     :1:18(休み0:05)+1:00(休み0:10)=2:18(休憩タイム0:15含む)

上倉沢−笊が岳−上倉沢間は、空身ゆえ大幅短縮。

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2010/8/20
2:30起床。頭の上付近に星を見る。その周囲は・・・・・ガスっているみたい。

昨日の残りを腹に詰め、雨具+水+食糧を持って3:15出発。3:20〜涸れ沢、3:37左岸に取り付き、
椹島下降点4:15着。
ここから合羽で身を固め、下草&灌木でびしょ濡れになりつつ山頂を目指すが実に歩きにくい。
日出ちょい前の4:55ようやく山頂に着く。小笊の向こうに富士が見える。笊が岳ならではの眺め。
南ア主稜線の眺めも、山頂にガスが舞っているピークもあり、やや薄もやもあるが、上河内〜聖〜赤石〜悪沢が良し。


そうしてご来光


ちょっとしつこいかな?

聖岳の向こうに入道雲が白く輝いている。ラジオで岐阜県辺りが大雨といっていたからその雲かも。


薄いもやが有るせいか赤石岳に虹が掛かる(写真右)。
それにしても、今日は山頂にガスが掛かったり晴れたりと忙しい空模様。


南にはこれから向かう布引山がどっしりと。右横には猫又山と青雉山が重なる。
            西の上河内岳方向には影「笊が岳」が見えたりして・・・。


6:05 到着して1:20ほどのんびりと合羽干ししたが、布引に向けて出発。
いきなり急な下降点につき、ロープにしがみついて降りたが、か細いトラバース道。数分進むと、
右手から道が現れる。どうやら降り口を間違えた様。緩く鞍部まで下り、急登を15分ほど。
そこから先は、見える肩を乗越、乗越の繰り返し。いやになってきた7:05、
3〜4張りのテント場のある山頂に着く。西側がかろうじて見えるが木がじゃまをする。

笊では良かった眺めも、1時間経過すると南ア主稜線に雲が湧きあがり、今にも覆い隠されそう。
ここでも合羽+靴下干しし、45分滞在。7:50出発、鞍部は8:24通過。
見上げる笊山頂はガスが舞い始めた。往路に間違えた道は今度は間違えず、無事通過。
9:10 笊に帰着。ガスで南アの視界は×。三度、合羽+靴下干しし40分滞在。
9:50出発、11:25上倉沢帰着

涼しい水場にて涼んだり(虫が多いが)、キノコを散策したり、涼しい日陰で昼寝したり・・・・・。



そうそう、ベニテングダケ、色が黄色くてもベニテングダケです。もちろん紅色も有ります。

明日はけっこう険しいルート。上倉沢を見上げると、左:生割木山(2539.3m)ー右:偃松尾(はいまつお:ピークは2550m)山の釣り尾根が気に掛かる。(ちなみに、釣り尾根の部分は左:2478m、右:2485mぐらい)

ともあれしっかりウイスキーを飲んで寝る。気持ちよく。

2550 本日のコース:上倉沢−笊が岳−布引岳−笊が岳−上倉沢。
コースタイム:2:00+1:20+1:25+1:15=6:00
実績     :1:40(休1:12)+1:00(休0:46)+1:20(休0:35)+1:35=5:35(休憩タイム2:33含む)

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2010/8/21
3:30起床 一面の星空。しかしぐずぐずと準備。ツエルト、雨除けビニルシートを振って、飛沫で
結構濡れてしまう。
4:47ようやく出発。荷物が重いが天気は良い。
5:07涸沢を離れ、樹林帯をゆっくり登る。3度目ともなるとだいたいルートが判ってしまう。
稜線に近い見晴らし場から赤石、悪沢がはっきり。ご来光に合わせて起床していれば・・・と
悔やむが後の祭り。
6:00椹島下降点着、樹間に富士のシルエットを見る。
6:15出発、樹林帯の緩やかな登り下りで見晴らしはほとんど効かない。

6:55〜7:43 偃松尾山への登りに掛かる前に大休止し、腹ごしらえする。結構な急登だが
樹林帯で歩きやすい。
左手の上倉沢につながる脇道がいくつもあるが、一番はっきりした道を登る。結構なヤブ道になると
直ぐの、8:10には巻き道分岐に着。山頂への道は歩まず。
朝露でずぶ濡れになりながら巻き道を行く。下りに掛かると、テン場から見えた釣り尾根に出る。
そこからの南の眺めは格別。テント場も見える。


西方〜北岳の眺めも格別。


釣り尾根の北斜面は草付き、南側のザレが痛々しい感じ。
よくよく見ると、ザレ場にトラバースした跡も見える(写真下部)。


8:22 生割木山への入口が少し判りにくかったが、草付き地点からザレを10mほど行ったところに
踏み跡を見つける。
8:50 結構急登で生割木山着3等点。展望無しの山頂だが、TV無線のアンテナが立っている。
電源も下から引いているよう。

ここでしばし休憩。ツエルト、ビニルシート、合羽、靴下を干して大休止。
9:40出発。気が付けば、ほとんどが樹林帯の道。暑がりにとってみれば比較的楽なコース。
所々開けた所もある。10:50天上小屋山の見晴らしからの眺め。

この時間帯は南ア稜線の山頂はガスの中。上千枚沢の砂防ダムが痛々しい限り。

樹林帯の道、意外とはっきり着いている。あまり迷うところは無い。

左:10:53天上小屋山、  中:11:08同山北の鞍部近く、  右:12:20トラバース道(向かって右の道)の出口

足元には相変わらず色々なキノコが生えている。視界が効かない分、有る意味楽しみ。

               

程なく林道終点に着く。

左:12:33〜13:12林道終点:大休止。栂が生い茂り歩きづらい。ブドウ糖入りチョコを食べて元気に。
中&右:13:40二軒小屋からの林道合流点。ガスが舞い、ちょっと薄暗くなったところ。
ここでもまた褐色地に黒い斑点の鳥が飛び出す。今度は4羽一斉に。砂浴び場は見あたらず。

そこから5分、見覚えのある建物(使われて無さそうな伝付峠のトイレ)の脇を過ぎ、13:50伝付峠に着く。
ザックを下ろすと、右肩の付け根に当たる部分が朝より1cmほど大きく裂けていた。
しばし考慮後、テント用に持ってきた細ロープで網を作り、これ以上広がらないように補修工事をする。

補修工事中、新倉方向から2人が登ってきた。実に2日と4時間ぶりに人と合う。
明日は13時間掛けて蝙蝠岳をピストンとの計画を聞くと、一度は諦めた徳右衛門岳に行きたくなったが、
伝付の水も捨てがたく、ザックも不安。結局ここにテンパる事に。
新倉登山道入口にあった堰堤乗り越しの60段階段付近で、蜂(オオでもキイロでもアシナガでもない)
に刺されたとのこと。新倉下山は合羽を着て進むしかないのかな。

相変わらずうまい水、水量は先月よりも少な目。テン場は今日も独り占め。夕方の山はガスが掛かりほとんど見えず。
ウイスキーを空っぽにして早々と寝る。

本日のコース:上倉沢−椹島下降点−生割木山−天上小屋山−伝付峠。
コースタイム :1:20+1:55+1:20+2:15=6:50
実績      :1:13(休0:15)+2:50(休0:48)+2:00(休0:50)+3:00(休1:09)
=9:03(休憩3:02を含む)


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2010/8/22
4:00起床、疲れがでたせいかペースが遅い。いつの間にか日出が迫っていたので、
カメラを持って見晴台に登る。笹露が冷たい。
      
日出は山の陰で撮れず。日出直後までは富士山が見えていたが、あっという間に雲の中に。
     
水2Lを詰め、新倉ルートか二軒小屋ルートかしばし考慮。30分短い歩きやすい二軒小屋コースとする。

6:17テント撤収して峠に向かう。稜線の東は雲海だが、西は雲なし。6:35直ぐに樹林帯に入り、
歩きやすい道を下る。所々樹間に徳右衛門岳を仰ぎ見る。
途中から散策路に入り込み、そのまま下る。
8:01 二軒小屋到着。 気温16度だが、結構蒸し暑い感じ。


8:15 ポケットに件のチョコを入れ行動食にする。結構急ぎ足で進む。日影が多くて暑くないのが助かる。
振り返ればマンボー沢の頭の崖崩れや、大井川上流の山々(笹山?)がよく見える。


8:44 車屋沢橋通過、9:15−27休み。 9:47 対岸に渡る橋通過、木賊橋を過ぎた辺りでマウンテンバイクの
一団とすれ違い、10:50 ようやく椹島着


まずは風呂、着替えして生ビールと牛どんでお腹を満たす。

笊が岳中腹と伝付峠で見た鳥は雷鳥か?を確認するため、ここに滞在していた日本野鳥の会員のKさん
にたずねるが、笊や伝付では確認実績が無く、「山鳥」の可能性が高いとのことで、少々がっかり。
いろいろ資料をもらう。
その後、ビールをもう1缶と思ったが、意外に飲めず、半分は廃棄してしまう。送迎バスは2台、
畑薙ダムから静岡行きに乗り換える客用で1台分、20名ほどでザックを膝に乗せずに済む。
途中、赤石ダムのエメラルドグリーン、赤崩れの頭からの崩壊地を眺めながらの小1時間で畑薙ダム着。

  上:赤石ダム湖畔、        下:赤崩の崩壊地


40分ほど待ってバスに乗り込む。約1時間後、井川の休憩所でまたおでんを食う。
ビールも買ったが半分も飲めず。やはり体力低下? 
18時前、静岡着、鈍行乗り継ぎで帰宅

今回の山行で高い順に並べて111番目と132番目のピークを終了。
これで、001〜124番目まで登頂し、ここ8年間の目標を完了。

本日のコース: 伝付-二軒小屋-椹島
コースタイム:1:10+3:20=4:30
実績     :1:31(休み0:14)+2:35(休み0:12)=4:06(休み0:26含む)


   JR+私鉄:4.6k円=(230+440+1620)*2
   バス   :6.0k円=3000*2
   宿    : 8.0k円
   食費   :約9.2k円(乾燥米など :約4k円、生ビール1.8k円、おでん+茶+その他3.4k円)
         計27.8k円

帰宅時、伝付の水2L込みで16kgであった。



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