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池ノ平山

2010/10/10 雨の中、6時過ぎの電車に乗り、高尾・松本と普通列車を乗り継ぎ。
段々と晴れ間が増えてくる。
途中、日野春駅では13分待ちで、特急2本に追い抜かれた(写真左)。

12:05過ぎに信濃大町着。
今年10月にデビューした長野発松本経由南小谷行きの全席指定の快速リゾートビューふるさとが停車中。
快速なのにここで33分も停車。乗客は駅前にある店の「お焼き」を買い占めたらしく、
たった1種類しか残っていなかった。

12:30のバスに乗り込み、着いた扇沢は車だらけ(写真右)。


薄もやがあるが紅葉が良い。赤沢岳の稜線もガスが取れてきて、明日の天気に期待がもてる。

13:40、着いた黒部ダム、こちらはまだガスが残っているが、紅葉は鮮やか。


ただ、連休の中日だけあって、ロープウェーは1時間待ち。なんでも、団体2400人、一般2500人が通過した
のだそう。手渡された一般用整理券番号が43。80人乗りだから=3340人分、
まあ、大体合っているかな。時間待ちを利用して、屋上からしばしダンボ平や黒部湖を堪能。時々ガスが晴れる。



上記写真の右端は下記写真の左端へ続く




ゴンドラ内は大混雑、真ん中に押込まれ、外さえ見えず。大観峰では雨交じりの霧の中でこれまた大混雑。
   
やっと着いた室堂、やや強めの風と小雨混じりのガス。合羽に身を固め、視界4−500mの中、地獄谷経由で歩くこと30分、ようやく今日の宿:ロッジ立山連峰着。この宿は一般観光客には不向きの登山客向け。
  ガスでよく見えない今宵の宿。

乾燥室で合羽を乾かし、やや温めの風呂にてじっくり浸かり、ビール片手に豪華?な夕食と紅葉談義。
同室の人から、ここら辺りの紅葉は
「一面黄とか一面紅ではなく、緑の混じった黄紅のコントラストが良い」の情報を仕入れる。
明日の日出を拝むため3:30出発と決め、しとしと降る雨音を聞きながら早々と寝る。


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2010/10/11
3:00 起きたとたんに外の雨音が聞こえる。出発を諦め、朝風呂に向かう。15分ほど浸かり、再び布団に。
4:30 再起床。やっぱり雨音は止まず。とりあえず荷物を玄関に出し、朝食の弁当を食す。
5:30 合羽で重装備して登山開始。気温6℃。幕営場はぬかるみ状態で、昨夜〜今朝の雨のすごさがわかる。
     

雨で沢になった登りをひたすら登る。中腹ぐらいのところで雨が上がり、やや明るくなってきた。
6:47 雷鳥3羽、両親+子?。 


宿より500m差を一気に登り、別山乗越近くまで登ると青空が見えてきた。

7:15〜40周りのガスも少しずつ上がる。出発前のロッジの小屋人の弁、「天気は2時間遅れ」が大当たり。

写真左:浄土山方向、遠く笠ヶ岳。  写真中:ガスのかかる室堂。   写真右:ガスのとれた剣岳

剣沢へのルートを間違え、剣山荘回りで剣沢小屋に9:10 着く。実に約30分はロス。
小屋の周囲を見渡すが、雪渓がほとんど無い。



チングルマの赤い葉っぱ、這い松の緑が鮮やか
ここから下れども下れども、なかなか雪渓上にたどりつけず、ひたすら高巻きを歩く。

その昔、剣沢小屋−真砂沢ロッジ間に雪渓があるころに40分で歩いたが、巻き道経由では2時間要することに。
結局、雪渓上歩行は約15分のみ。10月で雪の少ないのは判るが・・・・・。

10:14 剣沢名物、平蔵谷:左右の彩り。コントラストのある紅葉三昧。

11:20 別山乗越よりちょうど1000m差を下り、明日泊まる予定の真砂沢ロッジ(標高1760m)着。
バックは黒部別山。元気な健脚者に追い抜かれる。
          
実は昨日で店じまい済み。上の小屋が閉じるのでそれに合わせた処置。
小屋の親父さんと話し、あと数日は小屋終いのため居るので、明日は避難小屋として利用は可。
シュラフとフリーズドライの食事だが・・・・。
黒部ダムへの渡り橋は明日の9:30に撤去するが、ロッジ下流にあるスノーブリッジは、
小屋の従業員が数日前に渡り、問題なしだったので使えるよ・・・とか。

12:35 二股(標高1580m地点)に着く。ここの橋も13日には撤去の予定。


ここからは我慢の登り、550m、左右や後は紅葉三昧。

13:48 左前方に小窓雪渓と、池ノ平山(右手側)が見える。
        
真砂沢ロッジ近くで追い抜いていった健脚者が、かなり前方を登っている。
あとで小屋で聞けば、昨夜はシュラフまでびしょ濡れで、テントの中で傘をさしてすごしたとのこと。

15:10 ようやく仙人池ヒュッテ着。今夜の食事。


ビールを飲みつつ、仙人池を利用して剣方面の写真を撮る。

写真左に、池ノ平山の東縁がわずかに見える。 写真中:日の入り少し前  写真右:日の入り後。

ここでも風呂あり。石鹸は使えないので暖まるだけだが、外の眺めは快適。トイレの隣なので香りが少々・・・。
食堂は暖かく、手作りの豆腐、イカスミ入りの塩辛が名物、ロッジ近くで採れた「なんとかコゴミ」がうまく、
お代わりする。お母さん(ヒュッテの主)が「たくさん食べて!、残ると熊の餌になるから・・・」、
と勧めてくれるが、おかずだけで満腹になる始末。一応、ご飯とお汁はお代わりしたが・・・・。

隣の2人づれが、真砂沢ロッジの女性従業員と知り合い。明日訪問するようで、橋の撤去、
小屋の営業完了などの情報を提供。ついでに橋の撤去延長を依頼。


コースタイム:室堂-2:00-別山乗越-0:40-剣沢山荘-1:30-真砂沢ロッジ
       -2:00-二股-2:40-仙人池ヒュッテ=8:50
実績     :室堂-1:48-別山乗越-1:25-剣沢山荘-2:05-真砂沢ロッジ
       -1:12-二股-2:20-仙人池ヒュッテ=9:40
        (実績には休憩タイム1:40含む)


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2010年10月12日

2:40 起床。
昨日、朝早い旨を主張したためか、「一の峰」部屋に1人で寝て、好き勝手にさせてもらった。
小屋人の説明だと、ほかの人を配慮しての処置の様。

ともあれ、3:20出発。峠に荷物をデポし、食糧を持って山頂を目指す。
4:20、池ノ平小屋着、行き先の標識を確認し、ジグザグの道をひたすら登る。

日出前まで、東の空がピンク色になったり、青くなったり・・・・。
後立山の鹿島槍ヶ岳辺りを中心に色変わりがはげしい。ピンクになったかと思うと、
青に変わり、またピンク色に変わる・・・・・。
青に変わるのは、日の光を雲が遮るためのよう。


真っ赤に焼ける鹿島槍。一瞬の出来事


結局、最後は薄暗い曇り空一色に。日出は拝めず。
さらに、目的の2561m峰は、ロープが要りそうな崖を70m下り、80m登らないと行けないピーク
で、普通の道は無いことが判明。諦めざるをえない。

写真左:池ノ平山2561m峰、写真右:赤谷、毛勝の連なりが見えるのが救い。


5:55 結構強い風の中、小岩のある池の平山ピークまで進む。
写真左:「池ノ平○○○」の標識あり。
写真右:池の平山ピークの一つから眺めた標識のある2556m峰。


曇り空で、山の色合いは今一だが、どっしりした剣の岩峰、遠く後立山の鹿島槍、五竜、唐松も。
6:10 下りにかかると、仙人山の向こうにヒュッテが見える。


仙人山につながる稜線も一望の基に。


6:20 登るときはよく判らなかった登山道がよく見える。
7:08 池の平小屋とその周辺の案内標識。


上記写真の最左端に、風呂あり。
映画「点の記」に出演していた香川照之氏らの入った「チンネの湯」(露天風呂)も有り。
         

7:10 小屋から眺める「平の池とその周囲の池塘群」。1976年7月にこの池の前で幕営し、
雪解け水で冷やしたソーメンを食べたっけ。
         

7:20 池ノ平山の全体を見渡せる場所から見た歩行ルート図(ただし、ここからはピークは見えない)。
          

池ノ平小屋で仙人山の登山道を聞くと、峠のタイガーロープを乗り越えて踏み跡をたどるよう。

7:58 峠から2つ目のピークまで行ってみたが、ここからヤブで5万分の1地図上のピークまでの道無し。
ここには、ロボット雨量計があり。ヒュッテが眼下に。


8:07池ノ平を散策していた人と共に550m差を下る。途中のベンチ場から周囲を眺める。
写真左:三の窓、 写真中:三の窓の左手の岩峰を拡大:左側から、ニードル、八の峰、チンネ、

写真右:ハシゴ段の乗越。


9:40 二股着、小休止の後、真砂沢の橋まで登る。
10:30 真砂沢の橋はまだ残っていたので、黒部ダムに行き先変更し、
同行の方に真砂沢ヒュッテの親父さんに伝言を頼む。


写真左上:ダムへの橋を渡り橋を返り見る
  写真右:真砂沢方向を見る。 写真左下:写真右の下部に見える雪渓を拡大した図。

雪渓を渡るコースと、撤去される橋を通るコースは、ここから7〜8分登ったところで合流している。
合流点には明確な標識も有り。

しかし、このルート、道が荒れていて結構時間を食う。
写真左:登りは沢の中。15分登れば水場も。  写真右:45分過ぎから眺めの良い岩場を渡る。
    
ハシゴ段の乗越の名の通り、かなりな数の登りハシゴが続く。途中、紅葉撮影の単独行とすれ違い橋の撤去の話と
紅葉談義で10分ほど話込む。

12:12 ハシゴ段の乗越から30秒ほどの高見から仙人池方向を眺める。

これで、山とヒュッテは見納め。

南側の「内蔵助平」、こちらも眺めはよく、結構平坦で時間が稼げそう。・・・・これが誤算。


最初は急ながら歩きやすかったが、傾斜が緩くなると沢幅2〜4mほどの岩ごろごろの涸れ沢。
「内蔵助平まであとすこし」のペンキ(13:02通過)から分岐点まで、ごろごろの沢を
30分は歩くはめに。
写真左:ゴロゴロ沢の中の下り道。歩きにくいこと、この上なし。
写真右:内蔵助平から出合いまでの道も結構荒れている。道が崩壊し沢沿いを歩く。



13:31 ようやく内蔵助平に出る。 60Lはあろうかと思うザックを背負った2人連れに逢う。
橋の撤去の話を伝授。2人とも知らなかった様。
ここから歩きやすい450m差の下りと思いきや、道が荒れて、ロープづたいの下りが続く。

15:14 黒部川の川岸に付けられた日電歩道に着く。ほっと一休みしてダムを目指す。

後から1人、つかず離れず追っかけてくる。聞けば、朝5時に祖母谷温泉発、「足がへろへろだ」とのたまう。
2日コースを1日で来たのだから当たり前。

ともあれ、黒部川を渡り、大休止16:08〜25。黒四ダムへの最後の200m弱を登り、17:00前バス停に着く。


3分で上半身を着替え、17:05発トロリーバスに。扇沢で下半身を着替え、黒部のビール、
宇奈月ビールを仕入れ、大町へのバス車内で1人乾杯。

いつもの酒屋は18:30過ぎなのにもう閉鎖。
コンビニも5分前に閉まっており、駅弁もなく、夕飯を求めうろうろ。5分ほど離れたスーパーでおにぎり2個、
香茸6本1100円なりを仕入れ、おみやげ無しで帰途についた。



コースタイム:仙人池ヒュッテ-2:30-池ノ平山-1:30-分岐(峠)-1:40-二股-0:40-真砂沢ロッジ下流の橋
       -3:00-内蔵助平-1:20-内倉助平出合-1:50-黒四ダム=13:30
実績     :仙人池ヒュッテ-2:35-池ノ平山-2:10-分岐(峠)-1:35-二股-0:40-真砂沢ロッジ下流の橋
       -3:10-内蔵助平-1:45-内倉助平出合-1:40-黒四ダム=13:35
        (実績には休憩タイム2:20含む)


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   JR         :10.7k円=(4310)*2+2100
   大町〜室堂   :9.9k円=7.0+1.5+1.33
   宿         :18.0k円=8.8+9.2
   食費        :約6.4k円(食糧5食分 :約2k、ビール3.4K+その他1k)
             計45k円





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