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冬の北八ヶ岳〜稲子湯〜海尻駅


2月22日 

いつもよりはゆっくり目の出発。時間的には通勤時間、結構混雑。7:45着の高尾駅 構内のベーカリーで焼きたてのパンをGET。
8:01始発の列車が引き込み線からいちど中央線下り本線に出て、折り返し4番線に入ってくるのを眺め、乗り込む。

先週降った雪がまだ残っている車窓をながめつつ、買ったばかりの杏パンをかじる。暖かい車内でうとうとしながらも初狩の車窓からリニヤ新幹線の向こうに白い富士を見る。
いい天気が期待できそう。 いつの間にか笹子隧道を抜け、勝沼ぶどう郷。南アの白い山々がなかなか良い。


終着:甲府駅で乗換。Nさんと合流。鳳凰、甲斐駒、八ヶ岳の山並みがよく見える。
車中、天気に合わせて山行場所を変える話に盛り上がる。「天気が良ければその日の内に天狗岳に登って降りてくる。」をメインにする。予約した宿にどう泊まるか・・・?。 宿をどう予約するか・・・?

ともあれついた茅野。集合の小一時間前なので向いのビルに入る。昔は登山用具の店があったのだが、今年は昭和時代のレトログッズの店に変身。
目的のそば屋、どうもお休みの様子。急きょ観光案内でお奨めを聴き、急ぎバスの中。車窓に車山〜蓼科山が見える。

バス停から歩5分、ついたそば屋で、昼12時過ぎではあるが、まずは地ビールついで熱燗2本。(写真提供:全てOさん)
それから生粉打ちで仕上げ。ふらつく足で元のバス停に戻り、養魚場前から歩き始める。その間20分で今日の宿に着。

玄関左の氷柱がみごと。屋根の断熱が不足で省エネにはなってないなと話しつつ・・・。(写真中提供:KTさん)


熱めの風呂、旨いアルコールと食事に満足し、ロビーで大型TV見物。なんと、明日は大荒れの天気予報が並ぶ。皆唖然。夕焼けも見えたし、外は茅野の町明かりが見えるのに。(写真左提供:KTさん)
結果は的中。ともあれ、古い歌に当時を忍び盛り上がる。


2月23日 朝食中は小降りの雪。 遠くの見晴らしは、まだある。
8:40 予約のタクシーに乗り込む。 今年は雪が深く、大回りしないと終着点に行けないとか。

着いた渋ノ湯、9:10。やや風が強くなってきたが、タクシーの中が暑かったので気持ちが良い。もっとも長続きはしない。登山者カードを書く2分ほどで指先が痛くなる。(写真左提供:KTさん、右:Oさん) 

高見石経由の話も出たが、まっすぐ夏沢峠に向かう。約45分で稜線に出る。重い文旦を一つ、チョコも減らす。 
さらに稜線を進む。踏みしめる雪音が良い。11:10吹雪の黒百合小屋に着く。気温−11℃。

空身で小屋前の丘に登る。
吹きっさらしで風が強く、地吹雪で視界が10mほどになる中、岩場まで登る。振り返っても小屋の影がはっきりしないぐらい。(写真中)
急斜面での尻制動。以外とスピードが出る。登った際の踏み跡がもう消えかかっている。(写真右) 

11:20 足先がジンジンし始めたので小屋に入る。昨日のパンとおにぎりで餌補給。ついでに文旦1個も。
11:58小屋を出る。吹き溜まりにはドラム缶が沈んでいる。風は収まらず、時折視界不良に。
ついた中山峠、かなりの強風。 記念写真を撮って2分後、12:06 気合いを入れて下山にかかる。

直登してきた跡はあるが、正規のルートに踏み跡なし。リボンを目掛け、深い雪を半分泳ぐように進むので時間が掛かってしまう。風がないのが救い。(写真提供:全てOさん) 
12:10頃、KTさんの意見に従い尻制動を開始。いつもよりも結構な高みから始めるが、終点まで40秒ぐらいでついてしまう。

一度20mほど登り返し、また滑ってみるが、その間わずか10秒。下で待機していたKTさんの連続写真で良く判る(写真提供:KTさん)。
一歩一歩律儀に歩いてきたNさんが、12:16過ぎに着。 

下りの道を約40分、12:57ようやくみどり池に着く。風が強く地吹雪が舞う。まずは暖かいストーブ前でコーヒーを飲む。

体も温まり、そろそろ出発。外は相変わらずの風。左からも右からも。たまには突風も。 
38分27秒には向かって右からの風、39分41秒からは左からの風。
13:40過ぎ出発。下りが結構滑る。雪に足を取られ、見事に前方回転する。


旧森林軌道の道をひたすら下る。途中、10数人のご老体の団体とすれ違うが、やっぱり若い人は皆無。

14:05 雪が多く、いつもとイメージの違う林道に出る。ひたすら歩くのみ。そうこうしている内、14:35稲子湯に着く。
(写真左提供:KTさん)
ザックの外に出していたペットボトル、朝入れたお茶が凍り付いていた。早速風呂に入り、冷えた身体を暖める。部屋にてビール。つまみは鮒鮨。強烈に臭いが、味は今一つ。

夕食は以前のスタイルに復帰。鯉の洗い、鯉こく。きのこ鍋、鯉のマリネ、ワカサギ天ぷら、川魚の塩焼き。
食事中、論争に入り、約1時間。きのこ鍋を半分しか食べられなかったのが残念。

夕方から降り始めた粉雪、「これが降ると積もるのだ」の女将さんの弁の通り、すでに積雪10cm。



翌朝、いつものように「なっとう」山がNさんの前にできる。今日はいつもと違い、送迎バスではなく、駅まで歩くことに。
見送りの女将さんと別れ、8:49出発。 

時折強風が雪を巻き上げる。
電信柱の間を歩く間に真っ白〜日射し有り。この間約20秒。平地に出るまで結構な下り道。新雪を踏みしめつつ歩くが、その下は凍っていて慎重に歩く。
ようやく平地になり、橋の上から振り返ると、稲子岳がかすんで見える。まだ吹雪いている模様。
民家の犬がよく吠える。川上犬?ちょっと毛深いが・・・? 9:34頃、とある民家から犬が飛び出してくる。目の前を通り過ぎ、前を行く3人に向けて全力疾走。追いついたとたんにOさんを吠え始める。Nさん、KTさんにも。
ひとしきり吠えた後、また全力で戻ってくる。捕まえようとすると吠えながら逃げてなかなかおさえこめない。そうこうしている内、飼い主が現れ、「人なつこいんですよ、こいつは!」 なんだとか。確かに吠えるけどかみついてこない。
この飼い主、軽トラックに犬を載せ、3人に追いつき、「駅まで行くのなら送って行こうか?」と声をかける。親切はとっても有り難いのだが、今回は歩くのが目的なのでお断りしたそうな。すれ違いざまのこのワンちゃん、荷台の上で相変わらず吠えていたっけ。

平地についても時折強風が吹き、地吹雪でなにも見えないときもあり。  
10:00 稲子集落から道を海尻駅方向に折れ、ひたすら下ること30分、今はお寺になった海尻城跡に10:32つく。
そこから駅まで5分で到着。待合所には一人先客。8:51発に乗り損ねて次の11:38発に乗るのだとか。2時間以上の待ち時間。お疲れさま。
暖かいコーヒーを求め駅周辺を散策。海尻城跡の南の広場に石碑がある。冬にはちょいと似つかわしくない春の歌。「いではく」氏の生誕の地なんだとか。思わず口ずさみ。国道号線の駅入口脇に自販機があり、レモン紅茶を買う。良いほっかいろに変身。

11:22 ようやく列車に乗り込む。明るい谷底の快適な走行。信濃川上までは。

そこから登り上がると、吹きっさらしの野辺山高原になり、状況が一変。登ってくる樹林帯では線路が見えていたのだが、高原に出ると地吹雪で線路が埋まっている(走行には全く影響なし)。 

45分ぐらい前にすれ違い列車が通過したはずなのにすっかり埋まっている。

野辺山駅に近づくと、突風で先が見えない。地吹雪の向こうに青赤の信号がかすかに見える程度となり、さすがに走行に影響あり。スピードダウン。駅構内は線路も埋まっていた。


最高点を過ぎ、さすがに南斜面にはいると吹き溜まりはなく、列車は快調に進み出したが、途中駅でのすれ違い列車が、中央線の遅れのため遅れているとのアナウンス。

12:27 遅れて着いた小淵沢。中央線の遅れのため約40分足止め。

改札の外に出て、しばし待機。自分向けの土産を求め、駅ソバで昼食。Oさんは帰宅を急ぐとのことで特急に。KTさん、Nさんと共に13:13の普通列車にて甲府へ。
着いた甲府駅2番線。14:00着。甲府始発13:41発の列車が20分ちょい遅れで出発とラッキーな展開。

途中、「春日居町」駅付近では山火事に遭遇。 最初、杉花粉の白い雲かと思っていたが、山稜の向こうからの茶褐色煙で山火事と断定。
ニュースによると「大蔵経寺山」の火事だとか。


笹子−初狩間では強風に飛ばされた屋根材が線路上に有り、運転手が撤去するために5分停車のアナウンス。野次馬根性丸出しで先頭車に。電車を止めて線路に降りる運転手。運転席に持ち込まれる波形トタン屋根材の「ガタゴト」音と現物を確認。

で、いつのまにか立川行きが高尾停まりに変更。高尾駅ホーム上では、トタン板をガタゴトと運んでいるのを見る。

来年の冬は、温泉泊で上高地トレッキングかな。

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