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 鷲岳 鳶山 


10月27日

朝6:14高尾発の松本行き。20日ほど前には同席がいたが、今日は4人シートを独り占め。岡谷で乗り換え、
松本09:32。41分発の臨時快速も一箱20名ぐらい。約40分で大町に着く。
外は雨。登山客らしき人物は無い。早々とスパッツを着け、乗り込んだ10:40発のバスも20名ぐらい。
町中から紅葉が映える。山道にかかるとさらに拍車。が少し遅かったのかも。扇沢11:20着が5分ぐらい前には
着いてしまう。扇沢の風景もなかなか。


まずは先頭でトロリーバスに乗り込む。車内で「毎年来るのですか?」と聞かれる。そういえばここ5年で3回目か。
11:50飛び出した黒部湖は30-40人が小雨の中にたむろ中。日本語よりも韓国語?多し。顔を上げるとガスの切れ目に
立山の雪を被った斜面が見える。とりあえず目的の山も雪で覆われているだろうと判断。・・・ラッキー?!!。


観光船の案内所で平の小屋の情報を聞くが「まだやってると思うよ」の返事。
合羽のズボンをつけ傘をさして13:10発。そこから、平の小屋までは約4時間。そこそこ紅葉も残っているし
13:20奥黒部ヒュッテへの道すがらダム堰堤を振り返る。14:07相変わらずの丸木橋も健在。


紅葉、階段、枯れ葉の道をただただ歩く。15:00樹間に観光船も行く。平の小屋で降ろしてくれれば楽なのに・・・・。


雨は強くなったり弱くなったり・・。風がほとんどないのが幸い。足もとには美味しそうなのが・・・・ 。

左は「ぶなはりたけ」香りが強く、たくさん取れるが、味はまずい。炊き込みご飯は松茸風の香りがすると本に記載はあるが・・
旦那(=平の小屋の主人)は匂いが強くて嫌いなんだとか。
右は「ほこりたけ」幼菌ははんぺんみたいな食感だとか(小屋のおねーさん談)

小屋に着く1時間ぐらい前の15:50に、WEBにあった100段階段が出てくる。登山道が崩れ、80段ぐらいの階段を
下り、97段の階段を登り返す。崩れる前なら1分ぐらいの道のりが7−8分かかる。

80段の下り
画像

97段の登り

昔は直登の100段階段(左側に残骸が見える)。今は大きく3本に分けて作っているのだとか(小屋人談)。

16:14中の谷の丸木橋をわたり、16:44足元に船着き場が見え、階段を登って着いた小屋は、昔と違ってしゃれたロッジ風。


小屋の主人に明日の天候を訊ねると「午前中は晴れ。この雨は根雪にならない。イワナが教えてくれる。」
根雪になるときはイワナが産卵して川の臭いがイワナの精子で変わるのだそうな。イワナ様々なんだとか。

小屋には登山客は私一人。ほかに10名ぐらいいたが、みんな小屋人の仲間。小屋終いの手伝いで船で来たと。
おねーさん手作りの豆腐と卯の花とひじき、キノコ入りのみそ汁、畑で取れた大根の煮物、そして、イワナの刺身
(これが実に旨い)・・・。


いつもはカラオケが始まるようだが、10時ぐらいまでだべりんぐ。眠くなったのでお先に失礼。
外は雨音・・・。カラオケが始まるのかなと思ったが、遠慮してくれたみたいで・・・・静か。

小屋からの眺め。左:27日の雨に煙る黒部湖  右:翌28日夕刻のひとときはごらんの通り 


翌28日 4:30起床。天気は晴。
荷物の整理をして5:20から朝食。50分出発。小屋から見える水晶岳の稜線が赤い。
葉っぱに覆われた道は滑る。けっこう注意しながら進まないと・・・。6:24越中沢岳の稜線に日出。
赤い葉っぱ、黄色い葉っぱがなかなか。赤いと言うより茶色に枯れたブナ林を歩くことしばし。
刈安峠に近づくにつれ越中沢、薬師が見えてくる。

写真左上:6:24赤い越中沢岳の稜線 写真左下:6:51赤い越中沢岳の稜線  右:7:07薬師岳のスカイライン

7:09ようやく刈安峠に着く。  


この峠の向こう側(写真左の左手側)には平たい道がやぶに埋もれている。小屋人に聞くと、明治時代の日本で
初めての有料道路。幅9尺の牛車がすれ違えることのできる道だったとか。
佐々成政がザラ峠を越え、中の谷を下り、途中の滝を避けるため、刈安峠を抜けて黒部川に下ったそうである。
(以上受け売り)

写真左:峠から樹間越しに獅子岳の稜線。左手のザラ峠は稜線に隠れている。写真右:その稜線の上に雄山が見える。


登山道はここから明るい稜線に沿ってゆっくり登っている。
稜線途中からの眺め。
朝7:29ロボット雨量計の所から眼下には朝霧を。昼13:28には霧が晴れ、湖と針の木沢を。


ザラ峠は、途中の見晴らしからよく見えるようになった。写真左8:21 写真右:8:25さらに登ると稜線に隠れてしまった。


その稜線の登山道いろいろ。葉っぱが落ちていて見晴らしは良い。

上段左から、 08:07、     08:14、  08:25ここらまで来ると、右前方にザラ峠が現れる。
下段左から、 08:52栂が出始め、09:03、  09:07水たまりが現れる。
表面は薄い氷が貼っている。

9:06 這い松の向こうに突然、鳶山、鷲岳が現れる。右手側の鷲岳右下に五色ヶ原山荘が小さく見える。

両山とも結構雪があって直登できそう・・・。

9:15 這い松帯を抜けると そこは眺めの良い五色が原の原っぱ。右手には獅子岳を初めとする立山が白い。


足元は氷の貼ったゴロゴロ道だが水音が高くなってきた。気温が高め?登る際9:15は氷と雪の道。
下りの時12:58は雨上がりの道。


木道道にはいると、表面は2−3cmほどの積雪。比較的歩きやすいが、斜めに傾いた木道では横滑りすることしばし。
慎重に進まざるを得ない。9:37 五色ヶ原ヒュッテへの道と分かれ、左手側の五色ヶ原山荘に向かう道を登る。

写真左:五色ヶ原山荘に向かう道 写真中:五色ヶ原ヒュッテへの道 写真右:五色ヶ原山荘


9:54五色ヶ原山荘は、窓という窓は板を打ち付けて雪囲い。 平の小屋人が話していたが、1週間前に、定年後山を始めた方がビバークした所。
「小屋が空いてるかどうか確かめて山に来るのが常識」と言っていたっけ。
そこから鷲岳に向かう。雪のたまりを探しながら稜線を越えて湯川谷側に出る。
ここから結構急な崖を這い松に掴まりながら進む。ついた山頂からの立山方向の眺め良し。


這い松に掴まりながら鞍部に戻り、鳶山の山頂に着く。山頂から俯瞰する眺めは格別。五色ヶ原の池塘が並ぶ。


南には越中沢岳を前景に、薬師、水晶〜烏帽子の裏銀座稜線が白く塗り分けられている。

西の眺めは残念ながら雲の海で、しかもじわじわ押し寄せてくる。
腹ごしらえして出発12:04。
約1時間後、原っぱの終わる所で振り向くと、朝はあれほどあった雪がほとんど消えている。道も小川になってきた。 


朝登った道を今度は下る。途中足が冷たくなったので小休止して靴下を絞りはき直し。
けっこう床上浸水していた。革靴なのにな。
ロボット雨量計を通りすぎると直ぐに刈安峠。ここからジグザクの道を下る。
降り着いた水平道の途中にホースで水が引かれている。これが旨い。そのそばの沢の水、まずい。
「ホースの水は湧き水、沢の水は上から流れてきて色々混ざっているから。」とは小屋人の解説。
ともあれ15:45 ようやく小屋着。今日の旅を終える。

昨日の友人連中はもういなくて、今夜は客一人。昨日はあった薪ストーブ、BS−TVも撤去
。替わりに、家族風呂を沸かしてくれたり、キノコ談義、熊の話、熊座の話、鷹の話、
はては10時過ぎからカラオケ開始。水道水の消毒の話で化学記号も飛び出したりで、
寝たのが12時過ぎ。

熊座の話:山葡萄の実を採りやすいように、熊が蔓をたぐり寄せ座って手を伸ばせば
すぐに食べれるように作った場所。
小屋の主人はすぐ熊座と判ったのでそのままにしておいたそうだが、なんにも知らない奥さん
が熊に替わって取ってきたのだとか。「熊さんに悪いことした」と反省してました。


翌29日 10:35のトロリーに乗るべく6:50出発。しかし途中で道草多数。
鷹が飛び出したり、ブナハリタケの採取にいそしんだり、ほこりタケを取ってみたり・・・。
2日前に比べ落ち葉の多くなった道をわざとがさごそ歩いたり・・・。 

100段階段の降り口(中央手前)から80段階段の登り切ったところ(中心奥側)
が見える。7:56


ダムの見える御山谷の突端に着いたのが9:30。ここから約1キロ谷奥に入り、1キロ戻って
ロッジ着。そこから25分で黒部ダム。とてもまに逢わない。とにかく急ぐ。
左:葉っぱで覆われた登山道 と 右:御山谷の突端からのダム堰堤を右に、
ロッジくろよんの青い屋根を左に見る。


結局、ダム堰堤には10:50着。またまた韓国語が飛び交う。ダム湖の上に、白くなった赤牛岳を
カメラに収め、10:55切符売り場着。 
 
 白くなった赤牛岳。                          帰りのバスの車窓から。

ふと見ると10kg以上は荷物券が要るの表示。測ってみると12kg。平の小屋で仕入れたあの水1.5kgが
効いている。210円を払って11:05発のトロリーに乗り込む。扇沢駅のトイレで着替えし、20分待って
バスに乗り込む。10:35のトロリーだと大町温泉で風呂に入れたのだが・・・。

大町着からは予定の消化。駅前で「帰山」を入手。立ち食いそばで腹を満たし、松本でリンゴを手配。
ビール2本を手に発車4分前に高尾行きに乗り込む。4人掛けシートをほぼ全行程独り占め。
塩尻駅ではホームのベンチでノートPCを打ち込む田中元長野県知事と遭遇。後続の特急待ちのよう。
高尾で目覚めたとたん、あちこち神経痛。立つのがやっと。這々の体で帰路に着く。
あれから1週間。まだ筋肉痛継続中。


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