恐竜博2011 これらの肉食恐竜達の短い前脚がどのように使われていたかの見解。
カルノタウルス類(ギガノトサウルス、カルカロドントサウルス)1億1200万年〜9700万年前白亜紀前期は前脚が極端に短くT-Rexと比べても相対的長さはさらに短く尺骨や橈骨が極端に短くゆびは短いながら4本(ティラノサウルスは2本)ある。
その短い前肢がどのように使われたかはわかっていない。
進化的な意味は可能性として直接の祖先にあたるグループでもすでに前脚はかなり短く、狩の手段には前脚よりむしろあごや鋭い歯を使っていた可能性が強い。そして体と頭が大きくなるとともに、前肢を使うことはほとんどなくなり丈夫なあごや鋭い歯をもっぱら使うようになったとの考えである。
使われなくなった前脚は退化して小さくなった。
体前下方に伸びた恥骨。
1億年前から生息する恐竜でもT-REXよりさらに小さな前あしをもっているものがあり明らかな前あしの使い方はなぞである。
というのが今までの見解であった。
今回の恐竜博2011では、極端に短い前あしの使い方をティラノサウルスの全身復元骨格をデジタル化し座った 状態から立ち上がるまでの動きをアメリカ オレゴン大学 K.スティーブンス教授らがコンピューターシュミレーションで解析した。
後ろ足の間に大きく発達した恥骨がある。前後に発達した恥骨を地面につき後ろあしで3脚のように体重を支えた。これにより内臓が圧迫されるのを防げたのだろう。
転んだり、寝転んでいたりしていて、立ち上がる時は前あしを支柱のように体を安定させ立ち上がったのだろう。
恐竜の子孫の現在の鳥類は前あしは羽になって体の前面には突き出せない、転倒したとき体重の軽い鳥類ならば怪我も軽いだろうが。何トンもある恐竜が転んだらかなりの大怪我をしただろう。これが克服できない種はだんだん淘汰されてしまったのだろうか。
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恐竜は骨盤の形で竜盤類と鳥盤類に分かれる。
竜盤類の骨盤は他の爬虫類と同様に恥骨が前下方にのびる原始的な形をしている。
一方鳥盤類は恥骨の後部が坐骨と平行に後方にのびている。
恐竜博 2011
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