熊 公 鍛 冶 工 房


熊公の工房における鍛冶作業の日誌
特別な事柄は印を付け『鍛冶作業記録』にも書き込みます

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2023年08月16日(水)
 工房着:午前9時40分  作業開始:午前10時00分−作業終了:午後2時25分
 工房の気温:30度

 9日・10日と16年ぶりに福島県 舘岩 木賊温泉に行きました。本当にノンビリすることが出来ました。イワナを堪能してきました。帰りは『大内宿』を見学して須賀川ICから東北道にのりましたが、時間的に御世話になった伯父のお墓参りは出来ませんでした・・・。(;;)

 
        囲炉裏で焼くイワナ                イワナの兜酒 これは絶対に逃せません・・・

 
   『大内宿』                         名物 『一本ネギ蕎麦』

 台風7号の進路が気になっていましたが雨には降られたものの全て移動中で一度も傘をささずに帰ってくることが出来ました。

 今日は8日ぶりの工房です。このお休み期間中は兄貴にキュウリの収穫を頼み、水遣りもお願いして行きました。2回ほど行ってくれました。それでも今日行ってみたら、ヘチマクラスのキュウリが沢山ぶら下がっていました。全部で13本も有りました。到底我が家では消費しきれませんから、床屋さんとケーキ屋さんに手伝って貰うことにしました。甘唐辛子・ピーマン・シシトウも沢山収穫出来ました。

 まずはキュウリの収獲をして、すぐに包丁の成形作業をしました。ブレードの馴らし、口金の入る部分の加工と口金作り、そして、固定用の真鍮棒を通す穴開け作業です。それが済んでから銘の刻印などをしました。
 口金作りの際に修理した電動ヤスリを使ってみましたが、今回は問題無く使うことが出来ました。電動ヤスリやっと一人前になった感じです。

 
電動ヤスリを使って口金の加工を行う              焼入れ直前まで成形し終えた包丁

 グリップは黒のマイカルタを使うことにしました。残っている作業は焼き入れと研ぎです。『ATS−34』の焼き入れは結構大変です。1100度を10分くらいキープして空冷で焼入れします。下手すると溶けてしまうし、コークスの入れ方が多すぎても少なすぎても温度が下がってしまうので、本当にちょっとずつコークスを補給して温度を維持します。勿論熱電対で温度を管理します。アア〜〜〜、電気炉が欲しいです。

 包丁の準備作業は1時少し前に終了して、その後お昼を摂ってから除草作業です。8日間行かないと雑草天国になってしまいます。

 
 
Before                                  After

 除草は三角鎌で刈り払うようにして行いました。根が残っているからすぐに伸びてきますがこれが一番楽です。畑の師匠にお借りしている畑と付属農園の真ん中の通路を除草しました。途中で雨が降ってきましたが汗でグショグショ状態ですからかまわず刈り払い作業をしました。1時間ほどで写真のような状態になりました。

 最後に枝豆を収穫しました。成長しすぎた感じです硬くなっているかも知れません・・・。あと2回分くらい残っています。来週まで持つかな・・・?

 明日はいよいよ焼き入れ作業です。でも、梨も購入したいです。11時から販売なので明日は家を遅く出て、行き掛けに購入するようにしようかと思って居ます。購入出来ると良いですが・・・。
2023年08月17日(木)
 工房着:午前11時10分  作業開始:午前11時20分−作業終了:午後2時05分
 工房の気温:33度

 今日は行き掛けに梨を購入するため、いつもより1時間ほど遅く家を出ました。11時からの販売です。いつものように工房に行き1時間くらい作業して買いに行くのはなんとも面倒なのでこのようにしました。10時30分に梨園に着いて、30分待ちました。今日は3番目でした。お盆過ぎたので結構収穫出来ているようでした。梨好きな長男に渡せるように2袋購入したかったですが、最初は1袋だけ・・・。すぐに列の後ろについて並んだところ充分購入出来ました。また、収獲の目処が付いたと言うことで発送も可能になったと言うことだったので、並んでいる間に名古屋の次男夫婦に発送依頼の手続きをしました。次男夫婦は明日遊びに来ることになっているので、帰った頃に届く予定です。

 工房に着いて今日はいよいよ包丁の焼き入れです。『ATS−34』は焼き入れ温度は1040〜1090度です。そこで1050度を目安に10分間保持します。焼戻しは100〜150度とですからオーブンを120度に設定して余熱しておきました。
 熱電対はグリップの穴を使って針金で固定、ヤットコも手を離しても挟み続けられるように鐶を取り付け準備しました。熱電対は放射温度計の熱電対計測を使いました。

 火床にコークスがまんべんなく熾きたところで焼き入れスタートです。ゆっくり1000度まで上げていきました。

 
   熱電対をブレードに針金使って固定します         1060度まで上昇してきましたこれを10分保持

 熱電対が1000度に達したところから時間を計測していきます。熱電対はブレードの上に接するようにしてありますがコークス側は計測値より高くなっているので、ひっくり返して均一になるようにしてやります。熱電対がコークス側になると1060〜1070度、上側の場合は990〜1000度位になります。基本はやはり火色を見る事ですね・・・。コークスでの焼き入れは本当に大変です。温度管理が確り出来る電気炉が欲しいです。

 
時々ひっくり返して1050度前後を維持する

 時計で計測始めたのは12時丁度でした。10分後グリップ部分を万力に挟み空冷します。10分くらいで素手で触れる温度になりましたから焼戻しのため予熱してあるオーブンに入れて加熱時間は40分に設定しました。

 焼戻しが終わるまでキュウリとピーマンを収穫しました。昨日収穫した枝豆に随分虫が入ってしまいました。8日間行かない間にこうなるわけですね・・・。そこで残っているもの全てを収穫しました。
 収獲後はキュウリ・シソ・ピーマン・里芋に散水してやりました。散水し終えて作業室に戻ると焼戻しも終わっていました。またまた空冷して冷えたところで歪取りをしてやりました。なんとか無事に歪取りを終えることが出来ました。

 時刻は1時40分頃になっていました。研ぎはおそらく気合いを入れて研がなければなりませんから今日はこれでお終いにすることにしました。次回は確り研いでスコッチブライトで仕上げ、グリップを取り付け完成させようと思って居ます。


研ぎとグリップ取り付けを待つ包丁

 『ATS−34』を鍛造して刃物を作る人はほぼ居ないと思います。ピッケルの二村さんにやってご覧と勧められてこれまでにどれ位作ったでしょうか・・・。途中で割ってしまう物が結構多かったです。今回はなんとかここまできました。最後まで上手く仕上がってくれると良いです。

 明日は次男夫婦が遊びに来るので工房はお休みにします。日曜日には長男夫婦が来ることになっています。数日間賑やかになりそうです。
2023年08月21日(月)
 工房着:午前10時00分  作業開始:午前10時20分−作業終了:午後3時40分
 工房の気温:32度

 金曜日・日曜日と息子達がお嫁さんを連れて遊びに来てくれました。長男夫婦は近くに住んでいますから頻繁に会えますが、次男は名古屋在住ですから会うのは出張で東京に来たときくらいで、3〜4ヶ月に一回くらい、お嫁さんが来るのは年に2回くらいです。ヤッパリみんな集まると楽しいです。

 さて、今日は長男のお嫁さんに贈る包丁の研ぎです。今日はブレードの面を整えるために150番のダイヤモンドヤスリで研ぐ作業です。チョットした凹みを削るには全面を研ぐことになりますから結構時間が掛かります。でも、ここで確り面を作っておけば後は楽に成ります。

 まずはキュウリを収穫しました。7本収穫出来ましたが、3日行かないとお化けっぽくなっています・・・。その後なかなか大きくなれないピーマンを収穫してやりました。ずっとそのままにしておくと硬くなっちゃったり、赤くなっちゃったりしますから、小さくても良しとしました。甘唐辛子も沢山採れました。収穫の後は散水しましたが、これでもかというくらいに水を撒いてやりました。次回は液肥を撒いてやります。

 研ぎながら硬度を測ってみましたが『HRC 65』位出ていました。結構硬めの包丁になりました。焼入れの際に表面が荒れて若干凹みが残ってしまいそうです。

 
面馴らしを終えた包丁

 左の写真の小さな赤丸部分の傷は研ぎ進めることで消えるものと思います。中央部分のものは残っちゃいそうです。右の写真の方の傷は消えるか微妙な所です。

 『保秀』の刻印はかなり砥ぎで消えてしまいました。ブレードの左側にはお嫁さんの名前と婚姻届を提出した日付『2023.08.08.』と刻印しました。お嫁さんの名前も研ぎで消えかかっちゃっています。さてどうしましょうか問題です・・・。

 11時過ぎから研ぎ始めて、途中で昼を食べましたが3時過ぎまで研ぎを掛けていました。硬度が出ている分研ぐのは大変でした。火床に火を付けて作業して居るわけでもないのに結構汗をかいて、今日は工房で2Lの水を飲みました。

 次回は300番・600番のダイヤモンド砥石、800番・1000番・1500番と研ぎを掛けていこうと思っています。グリップの取り付け作業はその次の日ということになりそうです。明日も行くつもりですから、明日も研ぎの一日になりそうです。

 帰り道梨園に寄って次男に送った梨代を支払い帰って来ました。そして、キュウリと甘唐辛子をケーキ屋さんに届けて消費を手伝って貰いました。迷惑になってなければ良いですが・・・。
2023年08月22日(火)
 工房着:午前9時30分  作業開始:午前9時45分−作業終了:午後4時10分
 工房の気温:32度

 今日も暑い一日でした。お昼前、夕方に雷雨となりました。畑には良いお湿りになったと思います。工房に着いてまずはキュウリの収獲、そして水遣りをしました。昨日タップリと撒いたのでまだ湿っているところもありました。一応全部に散水して、液肥を撒きました。また、北の畑と東の畑の除草を簡単にしました。

 
Before              <北の畑>               After

 
           除草した東の畑                 またまた雑草天国になり出したお借りしている畑

 
キュウリの株から伸び出したウリ科の植物 種類はまだ分かりません こんな実が付きました・・・

 キュウリの親株から伸び出したウリ科の植物に実が付きました。はたしてこれはカボチャでしょうか・・・? 冬瓜だったらうれしいですが・・・。長ネギの畝の方にグングンと伸びてきています。最後まで育ててみようと思って居ます。

 畑の作業は10時50分くらいまで掛かりました。11時から包丁の研ぎの作業です。ダイヤモンド砥石は使い込んできたので研ぐ力が落ちてきています。ましてや硬度が高いので400番くらいの人造砥石で研ぎました。するとやはり前の番手の傷がなかなか取れないところが有って、かなり時間を使いました。でもここで確り取ったことで、800番−1000番−1500番の研ぎは楽になりました。

 11時半から12時頃にかけて雷雨になりました。水溜まりが出来るくらいの雨でした。
 
 やはり焼入れの際に出来た凹み取れないところが出てしまいました。チョット残念です。1500番まで掛けてスコッチプライとで磨きました。そして、刃先を一旦潰すようにして姿を整え、刃付け作業をしました。刃付けをし終えた後、もう一度スコッチブライトをかけました。磨きを掛けるとやはり前の番手の消えていない部分が良く見えます。これは次回もう一度1000番から研ぎ直します。

 
スコッチブライトをかけた状態

 左側の写真の矢印を付けたものは消えそうに無いです。その他の傷は研ぎ進めるうちに消えると思われます。チョット残念ではありますがこれも味です・・・。(;^_^A
 試し切りでヌメ革はスクッと切れ、紙は吸い付くような切れ味です。包丁としての機能は充分に果たしてくれると思います。

 明日は粗大ゴミをセンターに持っていくのでお休みにします。木曜日もう一度1000番から研ぎ直して傷を確り消して、グリップの取り付け作業をしようと思って居ます。素敵な包丁になると良いです。(p^-^)p

 帰路に着く頃またまた雷が来ました。新大宮バイパス、浦和から戸田にかけてかなり凄い雨に遭いました。でも、荒川を渡るとほとんど降っていない状態になり、濡れずに済みました。

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