熊 公 鍛 冶 工 房


熊公の工房における鍛冶作業の日誌
特別な事柄は印を付け『鍛冶作業記録』にも書き込みます

トップへ
戻る
前へ
次へ

2023年02月15日(水)
 工房着:午前9時55分  作業開始:午前10時15分−作業終了:午後3時45分
 工房の気温:4度

 今日は昨日より風が強かった感じ、作業室の掃除は今日した方が良かった感じでした。朝、洗濯機を回していたオフクロ様が「メチャクチャ汚い!! 真っ黒な水になった・・・」 と、言っていました。その筈です・・・。マッその分作業室は綺麗になったわけですね。
 今日作業室に入った感じチョッピリ爽やかな感じがしました・・・。

 さて、今日は『しころ(木の葉型)』2枚の製作です。単調な刃付け作業の一日です。その為、今日は散歩に出ずに作業に取り掛かりました。

 鋸材から切り出し、しころの形に成形して、刃を罫書きしたらディスクグラインダーで刃をザッと切り出して、後は手ヤスリで仕上げていきます。これが本当に単調な作業です。

 刃の削り出しが済んだところで面を整え、銘を打ち、ロットナンバーを刻印します。その後はアサリ付けをして刃付けをしていきます。これまた単調な作業です・・・。


作品No.1587・1588 『しころ(木の葉型)』

 とにかくひたすら削る一日です。『しころ』は1日に2枚作るのがやっとという感じです。作り終えるともの凄い充実感を感じます・・・。
 帰り際、ブロッコリーを1つ収穫して帰りました。今年はブロッコリーの育ちが悪くて、やっと収穫出来る感じに成りました。

 明日は家に工事が入るので工房はお休みにします。金曜日は『猫手』5つの製作に成りそうです。
2023年02月17日(金)
 工房着:午前10時00分  作業開始:午前11時20分−作業終了:午後4時15分
 工房の気温:4度

 昨晩はNHKの『あしたが変わるトリセツショー』を見て居て、柔兵衛親方の愛弟子『佐助』君が出演していてワクワクしました。その中で手裏剣を打つ場面がありました。使われた手裏剣は鍛兵衛(熊公)作の『大和流十字手裏剣』でした。ゾクッとする感じ・・・。鍛兵衛の忍具がテレビデビューしました。

 
『あしたが変わるトリセツショー』に出演した佐助君 そして鍛兵衛作の手裏剣

 佐助君の忍者の動きは本物ですから、きっと見て居た人みんな注目したと思います。録画していなかったのでNHKプラスで見直し、画面をカメラで撮影しました。

 さて、今日は無風状態で暖かい一日でした。散歩に出て工房に戻る頃はジンワリと汗をかく状態でした。浅間山の雪はやはり少ない感じ、地肌が現れている所が有りました。

 早昼を摂って『猫手』制作の準備に取り掛かりました。これまで親指用の型のみで、小指などは削ってサイズを合わせるようにしていましたが、今日は小指と中指(人差し指・薬指)用の型を作りました。昨日工房お休みしましたから家で紙を使って型を作っておきました。今日はそれをアルミ板に写して切り出し、型を作りました。おかげで削って調整すること無く作る事が出来ました。
 まずは熊公の指に合わせて作り、出来上がった物を少し締める形にして仕上げました。熊公の指は太いので、熊公に合わせてしまうとブカブカに成ってしまいます・・・。

 素材はガリバリウム鋼板です。『ガリバリウム鋼板』とは『アルミ亜鉛合金めっき鋼板』の事なので、まずはこのメッキ部分を焼き落とす作業から取り掛かります。亜鉛の炎色反応が綺麗です。

 
メッキを焼ききる作業 ブルーの炎が綺麗              作品No.1589〜1593 『猫手』    

 『猫手』は良い感じに仕上がりました。『伊蔵』さん依頼のU期目の物はあと『棒手裏剣』と『4本爪鉤』を製作します。棒手裏剣はテーパーを付けるものなので少し手間が掛かります。鉤と手裏剣どっちを先に作ろうか考えて居るところです。

 作業後、ブロッコリー・芽キャベツ・小松菜を収穫して帰路に着きました。そろそろジャガイモの植え付けのための耕作をはじめないといけない時季になってきました。今年は農事暦優先で鍛冶作業を進めるつもりでいます。
2023年02月20日(月)
 工房着:午前9時55分  作業開始:午前10時20分−作業終了:午後5時30分
 工房の気温:9度

 今日は暖かい一日でした。少し風がありました。今日の作業は『四本爪鉤(15cm級)』 1つの製作です。散歩に行くかどうか思案しました。
 実は最近目に異物感を感じます。少しですがクシャミも出るようになりました。何となくですが『花粉症デビュー』のような気がしています。去年も同じ様なことがありました・・・。去年は春先だけであとは問題無く生活出来ましたが、今年はどうなることでしょうか・・・。暖かくて風が強めというが気になっていました。『四本爪鉤』は今回で五本目の製作、まだ作業の手順など試行錯誤しているところがありますから、今日は散歩には出ないで作業に取り掛かることにしました。

 今回、縄取り付け鐶の太さは8mmで内径25mmという指示が入りました。前回は太さ4mmにしました。鋼を使いましたから充分100kg以上に耐えられる状態でしたが、今回は8mmの指示。鋼の丸棒でこの太さだと冷えた状態ではおそらくは加工が難しいと考え、今回はSS−400の丸棒を使うことにしました。それでもこの太さの物を鐶にするのは初めての経験ですから、どんな状態になるか試しながら作業しました。

 
   万力を使って丸棒に巻き上げていく             巻き上げた物を鎚打ちして締め上げていく

 SS−400であっても、φ8mmにも成ると赤めた状態で丸棒に巻き付けて行くのは手間が掛かります。立ち万力を使い巻き付けて行き、最終的に鎚打ちすることで締め上げ、予定の内径に仕上げるようにしました。

 鉤の鍛造は五回目です。まだまだ試行錯誤して居る状態です。今日は作業の順番を写真に撮りながら作業していきました。

  
@ 直方体の素材から柄を打ち出す     A 爪部分を打ち出し切り込みを入れる  B 切り込み部分を拡げる       
  
  C 一本ずつ爪を打ち出していく      D 爪を打ち出した状態           E 爪を治具を使って四方に押し広げていく
  
F 治具を使って爪を加工する        G 爪の加工をお歌状態            H 縄取り付け鐶を打ち出した状態  

 今回はザッと上の写真のような手順で作業しました。B・Eの写真赤矢印で示した腹巻き状の物は爪を押し広げる際に根元の割れを防ぐ治具です。
 Fの矢印の道具は爪の形状を揃えるための治具です。『四本爪鉤』を製作する際にはこの治具が絶対に必要です。


作品No.1594 『四本爪鉤(15cm級)

 最後に縄取り付け鐶を取り付け合わせ目を溶接して黒染めして出来上がりです。爪の先は焼き入れはしません。曲がるのは良しとして、折れてしまうのは困りますから焼きの入っていない鋼の硬さで頑張って貰います。鐶の溶接は『半自動溶接機』を導入したおかげで綺麗に溶接出来ました。
 今回SS−400のφ8mmの鐶の加工時にヤットコを使いましたが、いつも使っているヤットコの溶接部分にまたまたヒビが入ってしまいました。この鐶をS45Cの丸棒使っていたらヤットコは折れていたことと思います・・・。今回鐶の合わせ目の溶接の際にヤットコの補修もしました。こちらの補修も『半自動溶接機』のおかげで良い感じに溶接補修出来ました。
 それにしても縄取り付け鐶の太さ、こんなに太くしなければならないものでしょうか・・・。指示があったから今回はこの太さで製作しましたが、φ6mmでも充分のように思えます。

 今回は鐶作りをしましたから少し時間が世掛かり、久し振りに帰路に着くのは5時半になっていました。日没時刻が随分遅くなって嬉しいです。

 明日は20cm級の『四本爪鉤』の製作です。20cm級になると一本物から製作するのは大変なので、半裁した状態の素材から、まずは爪を打ち出し、その後に柄の部分を鍛接して加工する方法をとります。20cm級の物は15cm級とはまったく別物のような大きさに感じられます。15cm級の物も20cm級の物と同じような手順で加工をした方が作業がしやすいのかも知れないです。いずれにしろまだまだ試行錯誤の状態です。明日も散歩に出ないで作業に取り掛かるつもりでいます。
2023年02月21日(火)
 工房着:午前9時50分  作業開始:午前10時10分−作業終了:午後4時10分
 工房の気温:5度

 昨日と変わって今日は寒かったです。『三寒四温』とは良く言ったものです。今日は20cm級の『四本爪鉤』を製作します。

 爪を打ち延ばす際にレールの底の部分を使うのですが、レールの底の厚みが邪魔になりました。そこで今日はこの厚みを薄める作業からスタートしました。

 
    レールの底の厚さを薄くする                立ち万力にこのように固定して使います

 昨日の15cm級の物は24mm角のS45Cの角棒から製作しましたが、20cm級の物は爪の打ち伸ばしが長くなるので厚さ12mm 幅25mmのSS45Cのフラットバーから作ります。2枚分けて爪の部分を打ち延ばし、柄の部分を鍛接して一本に仕上げるように作業します。

 
    素材の準備                       爪部分を打ち延ばしていきます

 
柄の部分を鍛接して一つにする                 爪を押し広げ鉤に成形していく

 爪打ち延ばし用のアンビルが使いやすくなったのと、二つに分けて爪を打ち延ばすとき3方向から打てるため、作業がスムーズになりました。15cm級の『四本爪鉤』も分けて作った方が作業が楽かも知れないです。鍛接の作業は好きですから、作業としてはこちらの方が楽しいです。ただし、鍛接は失敗することも考えられますから・・・。今度15cm級の『四本爪鉤』を作るときは今回の方法で作業してみようと思います。

 
作品No.1595 『四本爪鉤(20cm級)』                『15cm級』と『20cm級』の比較

 昨日より1時間位早く作業終了出来ました。ヤッパリ今回の方法が良いのかも知れないです。これで残すは『伊賀流棒手裏』 20本の制作です。昨日の作業前に最後のコークスをコンテナに補充したのでコーク庫は空になりました。いよいよ注文しなければ成りません。かなり値上がりしているだろうな〜〜〜!! 見積取るのが怖いです。(;^_^A

 棒手裏剣は5本ずつ4日間で制作しようと思っています。テーパーを付けなければならないので少し手間が掛かります。これを作れば伊蔵さんのU期目の依頼品を作り終えることが出来ます。3月の第1週目には送ること出来そうです・・・。

 さて、明日からは教会の典礼では『四旬節』に入ります。『復活祭』に向けて準備が始まります。昔は『四旬節』中は肉を食べない等、禁欲の習慣がありました。その為、ラテン系の方達は『四旬節』前に肉を沢山食べて楽しいことをいっぱい楽しんじゃえ!! ということで『カーニバル』が行われるわけです。今晩(時間差があるから明日か・・・)はブラジルのリオでは大変な盛り上がりなんだろうと思います。
 現在は『四旬節』の入り口の『灰の水曜日』とキリストが十字架に掛けられた『聖金曜日』の2日間のみ『大斎・小斎』といって、食事を減らして肉を口にしない日があります。明日が『灰の水曜日』です。『四旬節』は月との関係があるので毎年移動します。 我が家は今晩『カーニバル』です・・・。\(_ _)

トップへ
戻る
前へ
次へ

鍛冶作業記録

熊公の独り言  熊公アニメの部屋  好きな所入り口

高山植物のページ 菊谷さんのMIDIの部屋 リンクのページ  お便りのページ