「は〜い、おまたせ〜っ!」

ジェットがワゴンで大量のアルコール飲料を持ってきた。

「ジェット、私たち、そんなにたくさん注文してないわよ」

と言うとも☆に、ジェットは、

「こいつらの分も一緒に持ってきたんだぜ!」

と、ビールを8個、サイボーグ達の席に置いた。

おいおい、みんな揃ってビールかい!

「みんなで乾杯しようぜ!用意はいいか?」

「もちろん!」

とも☆達は元気にうなずく。そしてサイボーグ達の席は・・・

「なんで俺が一緒に乾杯してやらなきゃならないんだ・・・」

アルベルトは肘を付いて、みんなに背を向けている。

「アルベルト、ここにはねえ、あなたに同情している人、一人もいないわよ。ね」

フランソワーズの言葉に、ニヤリと笑うサイボーグ達。

「こっち向くんだ、アルベルト」

ジェロニモが、アルベルトの肩をつかみ、むりやりみんなの方へ向けた。

彼の右手に、ビールのジョッキを持たせる。

サイボーグ達だけでなく、とも☆達の視線も、アルベルトに集中する。

「わかったよ。乾杯すればいいんだろ。はい、乾杯!ゴクゴクゴク・・・」

アルベルトは一足先に飲み始めてしまった・・・

静まり返るサイボーグ達。

彼らは怒っているのだろうか、あきれているのだろうか・・・

でも、とも☆達のグループのアルベルトファンは、彼がどんな行動をとっても、許してしまえるのだった・・・

「アルベルト・・・素敵・・・」

うっとり・・・

「あああ!さ、はやくみんな、乾杯しようぜ」

うろたえる店員ジェット。

「そうね、そうしましょう。ジェロニモ、お願い」

「わかった」

ジェロニモは、アルベルトにカラになったジョッキを無理矢理持たせる。

「かんぱ〜い!!!」

ジョッキとジョッキ、ジョッキとグラスとが、何度も音をたてた。

ごくごく・・・

「うわ〜おいしい♪」

「生き返るわあ・・・」

「ねえ、このドイツビール、アルベルトの味がする」

「え、本当?ちょっと飲ませて」

「あ、ソーセージも注文しましょう!きっと、アルベルトの味がするわよ」

「本当?頼もう頼もう♪ジェット、注文お願い」

「はいよ」

とも☆達のやりとりを聞いて、うふふと微笑むフランソワーズ。

「アルベルト、聞こえているんでしょ?」

声をかけるフランソワーズを、アルベルトは無視した。

「勝手にやってなさ・・・あら?」

フランソワーズが何かに気付いたようだった。

「ちょっと、ジョー」

何か異変に気付き、ジョーに話しかける。

その時、入口の方から大きな声が・・・・・・

「パパ・ジョー!どこにいるの!?」

「ママン・フラン!なんで私たちを置いて行っちゃうのよ!」

そしてジェットを呼びに来る店員。

「ジェット、ちょっとこっち来て!」

「おうし、わかった」

ジェットは急いで入口に駆けつけた。

「ねえ、今の声ってもしかして・・・」

ぐりーんがBARAに声をかける。

「もしかしなくても今の声は、お姉さまのおうちの・・・」

ばちるどもつぶやく。

立ち上がる、BARA。

「ああ、来ちゃったのね、ソレイユもルナも・・・」

ああ、とつぶやくフランソワーズの声を、BARAは聞き逃さなかった!

(ソレイユ君とルナちゃん!?)

BARAは驚きのあまり、口を動かしはしたものの、声になっていない。

(「ソレイユとルナ」とは、BARAさん宅にいる、ジョーとジェットの双子の子供達の事です)

「ああ、美咲さんの所に預けておけば、安心だと思ったんだけどな・・・」

というジョーのつぶやきを聞いて、今度はharumiが立ち上がる。

(美咲ちゃん!?)

harumiも驚きのあまり、声になっていなかった。

 

* * *

 

そわそわ・・・そわそわ・・・

BARAもharumiも、落ち着かない様子。

それもそのはず。いくら自分たちが生み出したオリジナルキャラクタとはいえ、実際に会うのは

今日が初めてなのですから・・・

驚きのあまり立ちあがったままのBARAとharumiの下で話を続けるとも☆たち・・・

「とも☆さん、今日はこのオフ会に誘ってくれて、本当にどうもありがとう!」

「お姉さまのおうちの双子ちゃんに会えるだなんて、うれしいです」

「きっとかわいいだろうね。スケブ用意しなくちゃ」

「美咲ちゃんもきっと美女よね。フランソワーズといい、なんで彼らの身の回りって美女ばかりなんだろう・・・

ということは私たちも美女ってこと?(←こんな発言をするのはとも☆しかいませんね)」

「やっぱりヒルダさんに会うのはムリなのかな・・・ようし、スケブに描いてがまんしよう」

「ワシも、写メールしよう」

「こんなことになるんだったら、イメージアクセサリー作って、プレゼントしたかったなあ・・・」

そして、ジェットが、オリキャラ達を連れて、みんなのいる席へ。

「パパ・ジョー!」

「ママン・フラン!」

二人の顔を見るなり、ソレイユはジョーの膝の上に、ルナはフランソワーズの膝の上に座った。

うわあ・・・かわいい・・・

天使のようだ・・・

とも☆たち8人は、みな同じ事を考えてた。

「ジョー、フランソワーズ、ごめんね。二人がどうしてもみんなのところに行くって聞かなくて・・・」

とそういって、現れたのは、美咲ちゃん!

うわあ・・・美人・・・

スタイルいい・・・

また揃いも揃ってとも☆達は同じ事を考えていた。

「なんで、私たちを置いて行っちゃったの?」

「だって、あなた達を、居酒屋に連れていくのは、抵抗があったのですもの」

フランソワーズはルナの髪の毛をやさしく撫でて答える。

「イワンは連れていくのに?」

ソレイユが尋ねる。

「だってね。今日は、私達のファンだって言うお姉さん達がいっぱい来るっていうから、イワンも連れて

来た方がいいかな?って思ったのよ」

「やっぱり、フランソワーズも最初から知っていたんだな」

アルベルトがボソッと言った。

「ソレイユ、ルナ。もう来てしまったのだから、帰れ、とは言わないけど・・・でもその前に、ちゃんとあいさつしなきゃね」

「?」

「この人がいなかったら、あなた達もこの世に生まれなかったわけだから」

「あ、そうだね」

「うん、わかった」

物わかりのいい子供達だ・・・。

双子は、とも☆達の席に歩み寄って、BARAを見上げた。

「BARAさん、はじめまして。僕ソレイユです」

「私ルナです」

「いつもどうもありがとうございます」

ソレイユとルナは、BARAに向かって右手を差し伸べた。

BARAは、席から出て、双子のもとに歩み寄り、それぞれ握手した。

そして、かがんで、両手で二人を抱きしめた。

「ううん。お礼を言うのは私の方よ。ソレイユ、ルナ、いつもありがとう」

・・・感動の場面・・・

その場にいる人全てが感動していた・・・

「お礼を言うのは私の方です。BARAさん、ありがとう」

今度はフランソワーズがBARAにお礼を言った。

「私からもありがとうございます。いつも、素敵な双子ちゃんの話を読ませてもらって・・・」

今度はB妹がお礼を言った。

「いや、僕の方こそ・・・」

今度はジョー。

「ううん、私の方からも・・・」

いかん!これでは、いつまでもお礼の言い合いが続いてしまう!

「おいおいおいおいおい!!!!!」

ジェットが叫んだ。

「美咲も、harumiにお礼を言いたいってさ!な、美咲」

「え、ええ。・・・harumiさん、はじめまして」

美咲がharumiを見下ろす(美咲はモデルなので背が高いのだ!)

「いつも、お世話になってます。私とジェットを出会わせてくれて、どうもありがとうございます」

美咲は丁寧にお辞儀した。

「い、いえいえ、こちらこそ・・・」

自分の作り出したオリキャラに面と向かってお礼を言われて、照れるharumi。

「素敵なイメージアクセサリーも作って下さって。いつも身につけてます」

と美咲は、自分の腕のブレスレットを見せた。

「リングもチョーカーも、携帯ストラップも付けてます♪」

と、美咲は次々に、harumi特製アクセサリーと見せる。

「あ〜!ありがとう、美咲!」

感動のあまり美咲に抱きつくharumi。

みんなその風景を感動しながら見守っている。

だがたったひとり、ぶつぶつ呟いている女がいた。

「・・・・・・いいな、みんな、お礼を言ってもらってさ・・・。私だっていっぱい004書いてるんだから

、お礼を言われてみたいよ・・・(←無理です)」

一人いじけるとも☆であった。

 

* * *

 

双子ちゃん、美咲も合流して、一緒にお酒を飲むサイボーグ達(もちろん双子ちゃんはジュース♪)。

とも☆達も一緒にお酒を飲んで楽しみました。

「オレもみんなと酒飲みたいぜ〜!店長、今日これであがってもいいですか?」

「ダメ!」

ジェットの発言にすかさず「ダメ」という店長の大きな声が聞こえて、みんな笑った。

「ちぇ、いいなあ〜」

うらやましそうに指をくわえるジェット。

「ジェット、ちゃんと仕事してね♪」

そう言う美咲の笑顔を見たジェットは、

「よ〜し!がんばるぜ〜!」

いきなりやる気を見せて、どこかへ駆けていってしまった。

「あ〜、ジェットが行っちゃった〜!」

嘆くharumi。ジェットは仕事なんだから、仕方ないですよ。

 

* * *

 

食事が進む00ナンバー&とも☆たち。

店の食材のほとんどが、この二つのテーブルに運ばれているのかもしれません・・・

最初はしぶしぶ食事をしていたアルベルトも、もうヤケになっているのか、いつも以上に食べて飲んでいました。

そんな楽しい食事の最中、フランソワーズが突然立ち上がった。

「ちょっと、あっちのテーブルに行ってくるわね」

と、とも☆達のテーブルの方に目をやる。

「えっ・・・?」

ちょっと驚いたジョー。彼女はいったい何のために?

フランソワーズを目で追いかけようとするが・・・

「パパ、ルナがボクのお皿からとった〜」

「ルナ、自分のお皿から食べないとダメだよ」

「だって、ソレイユ、残しているんだもの」

「おいしいから残しておいたんだよ」

双子から目を離せないので、フランソワーズの様子を見ていることができない。

やっぱりソレイユとルナ、美咲さんに連れて帰ってもらうべきだったかなあ・・・

ジョーはため息をついた。

 

* * *

 

そしてとも☆達の席では・・・

突然やってきたフランソワーズに、色めき立つ。

「こんばんは。こっちでおしゃべりしてもいいかしら?」

「ど、どうぞ」

端の席に座っていたばちるどは慌ててフランソワーズのための席を作った。

「あまり大勢の女の人達とお喋りする機会って無いから、今日はみなさんとこうしてお喋りしたいって思ってたの」

うふふ、と笑うフランソワーズ。

ああ、かわいいなあ・・・・・・

みんなぼーっとしている。

「あの、よかったらみなさん全員のお名前教えていただけないかしら?」

「は、はい、よろこんで」

「ええと、BARAさんと、とも☆さんと、harumiさん、だったわよね」

「は、はい」

名前を覚えてもらって光栄です!と3人は涙を流した。

「私、ばちるどです。フランソワーズさんに憧れて、バレエをやってます!」

隣の席に座るばちるどは、至近距離でフランソワーズに見つめられて、もうドッキドキ!

「やっぱりそうだったのね。はじめてばちるどさんを見た時に、『このプロポーション、

この人もしかしてバレエを・・・?』って思ったの。ぜひ今度じっくりバレエについて一緒に語りたいわ」

「え、今度ですか!(また会ってくれるという事ですか?)ぜひお願いします!」

「ばちるどさん、これからもよろしくね」

「はい!(号泣)」

気絶者1名。

 

「私はぐりーんです!フランソワーズさんのこと、本当に大好きです。憧れてます!これ受け取って下さい!」

とぐりーんはフランソワーズに1枚の紙を差し出した。

見てみると、それはフランソワーズとジョーの2ショットが描かれた絵。

「実際のお二人とは比べものにならないですが、一生懸命描きました。受け取って下さい」

「わあ、うれしい。すごく上手に描けてるわ。ありがとう。大切にするわね」

「ありがとうございます!(号泣)」

気絶者2名。

 

「はじめまして。私はANJUといいます」

「こんにちは。いつも素敵なアクセサリー作ってくださって、ありがとうございます」

「え、見てらしたのですか・・・」

汗をかくANJU。

「ビーズアクセサリー、私も挑戦しようと思っているの。わからないことがあったら、相談してもいいかしら?」

「え、ええ。ぜひ!」

「よろしくお願いします。それとグレートが言ってたのだけど、小説の続き、楽しみにしてるって」

「え、グレートさんも読まれているのですか・・・(大汗)」

「グレートがANJUさんによろしくって。『いつか観劇にでも誘いたいけれど、

夫がいるひとを誘うのもなあ・・・』って言ってたわよ」

「え!マジですか?うれしすぎ・・・(号泣)」

気絶者3名。

 

「あら、何か描いてらっしゃるの?」

フランソワーズがはるみの持っているスケッチブックに気付く。

「あら、素敵な絵じゃない!アルベルトね」

フランソワーズははるみが持っているスケブの中身を透視した。

「はるみさん、私にも見せてよう」

とも☆がはるみのスケッチブックを取り出す。

「あなたがはるみさん!ひらがなの『はるみさん』でしょ?いつも『見たくないもの見せましょう』、

楽しみに拝見してます」

「ええ〜!!!」

突然のフランソワーズの発言に、はるみだけでなく他の面々も驚いた。

「ジョーがね、教えてくれて。ジョーって漫画大好きだから・・・私もすすめられて、読み始めたの」

フランソワーズはそう言って、はるみのスケッチブックをめくる。

「このアルベルトも素敵ね・・・隣にいるショートカットの女性は?」

「ヒルダさんです・・・」

「アルベルトの恋人ね!・・・綺麗な人ね・・・」

フランソワーズがページを1枚1枚めくっていく。そして手を止めて言った。

「ねえ、はるみさん、このイラスト、どれか1枚もらっていってもいいかしら?」

「え?」

「アルベルトにあげたいの。アルベルトにね、ヒルダさんを見せてあげたい」

「え、でもそんな、私の絵なんかでいいのですか?」

「もちろん!アルベルトもね、はるみさんのホームページ見てるわよ。この間夜中に笑い声が聞こえてきたので、

こっそりアルベルトの部屋覗いてみたの。そしたら、『しいたけスカール様』で大ウケしてたわ」

「!!!!!!(絶句)」

気絶者4名。

(『見たくないもの見せましょう』『しいたけスカール様』は、はるみさん宅で見ることができます)

 

「あとまだあいさつしていないのは・・・」

とも☆がそう言いながら、はたやんの方を向く。

「はたやんさん、どうしたの!」

はたやんは一人、酒を飲んでいた。彼女の目の前には、日本酒の瓶が何本も転がっていた。

「エヘヘ」

はたやんの目がうつろだ。

「エヘヘ。フランちゃん、かわいいのう・・・」

フランソワーズもとも☆も危険を察知した。

「フランちゃん、ワシのスケにならねえか・・・?」

「わ〜、言葉が古いよう」

嘆くとも☆。

はたやんが立ち上がり、フランソワーズの元に近づこうと、テーブルに立とうとする。

「フランちゃん、帰った方がいい!はたやんさん、酔うと見境無くなっちゃうから」

「え、でも・・・」

「急いで!」

「わかったわ」

フランソワーズはぐりーんとはるみからの絵を持ち、急いで仲間の席へ戻った。

 

* * *

 

「フランちゃんはどこだ〜!」

はたやんがゆらめいて、通路の方に落ちそうになる。

「あああ〜!」

「加速装置!」

とっさにジョーが、床に落ちる寸前のはたやんを抱えた。

「キャー!生加速装置!」

とも☆たちは興奮している。

「ふ〜、危機一髪」

ジョーは額の汗を拭いた。

「あら、ここはどこ?私は何をやっているの?」

はたやんは正気に戻ったようだ。

ジョーが、はたやんをおろす。その時、ジョーがいつもと何か違うことに、その場にいた面々は気付いた。

「ジョー!なんで裸なの!」

 

* * *

 

説明しよう。今日ジョーは、普通の市販されている、なんの強化もされていない服を着ていたのです。

というわけで、加速装置のスピードに、服が燃えてしまったというわけで。

「グレート!」

フランソワーズが叫ぶと、グレートはさっきまでジョーが着ていた服の形に変身した。

「わお!」

今度は生変身を見てしまった面々は、声をあげる。

「ジョー、仕方ないから、加速装置でトイレに行って、その服に着替えた方がいいわよ」

「べつに服に変身しなくても、グレートが虫か何かに変身して、グレートがもともと着ていた服を、

僕が着ればいいんじゃないのかな・・・」

そうつぶやくジョーに、フランソワーズは

「そう?じゃあ、グレートの履いていたブリーフを履くのでもかまわないのね」

「グレートさん、ブリーフ派!?」

ANJUがすかさず声をあげる。

「わ、わかったよ。じゃ!」

ジョーの姿が消えた。トイレに向かって風が吹き抜けていった。

「パパ、恥ずかしいね」

「うふふ、そうね」

いじわるく微笑む双子。

「急に加速装置なんて使うからよ」

なんてことはない。はたやんを抱きかかえたジョーに、ちょっといじわるしてみたかっただけなのだ。

そんなふうにすねるフランソワーズもかわいいなあと、とも☆たちは思っていた。

 

* * *

 

「どうもごちそうさま〜」

お会計をすませてサイボーグ達が帰っていく。

「おお、また来いよ!ところでグレートは何処に行ったんだ?」

レジを打ち終えたジェットが、みんなに聞いた。

「ここにいるよ」

ジョーが自分の着ている服を指さした。服の表面にうっすらと「怒りマーク」が浮かんだような気がした。

「楽しかったわね。ピュンマ、計画してくれて、ありがとう」

フランソワーズがピュンマにお礼を言う。

「フランソワーズは普段しゃべれない人と話すことができて、うれしたったアルね」

「フランソワーズはいつもわしら男どもの中にいるからのう、こういうことも新鮮だったのじゃろう」

「俺もそう思う・・・」

『でも僕達、ぜんぜん出番無かったね』

出番少なかった男ども、6&博士&5&1は、大きくため息をついた。

双子はジョーがおんぶ&だっこしている(グレート大変!)。

フランソワーズは美咲と並んで歩いていた。

「あ、そうだ!」

フランソワーズは突然何かを思いついて、一番先頭を一人歩くアルベルトの元へ走った。

「アルベルト、怒ってる・・・?」

フランソワーズは心配そうに覗く。

「いや・・・そうでもない・・・(今日は俺はあまりターゲットにされなかったし・・・)」

「アルベルト、これ、はるみさんにもらったの。見てみて」

「?」

フランソワーズが差し出した紙を広げると、そこにはかつて自分の愛した女性の姿が・・・

ヒルダ・・・・・・

アルベルトは立ち止まり、目を閉じて、ヒルダのことを思った。

そんなアルベルトを、仲間達は平気で追い越していく。

「アルベルト、どうしたの?」

「そんなところで立ち止まってると、おいてくアルよ」

フランソワーズには、その絵と同じ姿のヒルダが、アルベルトのすぐ隣に立っているのが、見えたような気がした。

 

* * *

 

一方、とも☆達はというと・・・

とも☆は一人、誰もいない席に座っていた。メンバー達はみんな、お会計を済ませ、店から出てくるとも☆を待っている。

「お客さん、片づけるから、どいてくれないかなあ?」

ジェットが声をかけても、とも☆は動く気配はない。

「だめだ、こりゃ」

ジェットはとも☆を無視して片づけはじめた。

 

ああ、なんのために、ここでオフ会をやったのか・・・

アルベルトと全然喋ることができなかった・・・

もう、バカバカ!

とも☆は自分の頭を殴りつけた。

「くそ〜!リベンジしてやる!!!」

とも☆は思わず声に出して叫んだ。

 

* * *

 

店の外でとも☆を待つ面々にも、とも☆の叫びが聞こえた。

「リベンジだって、楽しみね♪」

「またオフ会しましょうね。もっと大がかりなのにしましょう!」

「今度は100人くらいのゼロスキーで、お店貸し切りましょう!」

 

ゼロスキー100人に囲まれる、サイボーグナンバー達。

彼らにとって恐怖の1日となる未来が、刻一刻と、近づいてきているのであった・・・・・・

 

アーメン

 

(終わり)                      Back  /   Index

 

*****    御礼 by ばちるど  *****

どなたか! この続編をお願いします〜〜〜♪♪♪  とも☆さま、執筆御苦労様でした&ありがとうございました♪