大台ケ原のトウヒ林


1989.10.28、 朝日新聞抜粋

緑を失った世界がポッカリ!、シカの食害トウヒ林ピンチ
奈良県上北山村の大台ヶ原に広がるマツ科の針葉樹、トウヒ林が今、危機に立っている。
ここのトウヒは日本の南限とされ学術的にも貴重だが、1959年の伊勢湾台風でかなり倒木した
そのために地面に日が差し込み、笹が増え、笹を求めてシカが入りこんだ。
シカがトウヒの樹皮を食べて食害が深刻になった。
大台ケ原に生息するシカは約200頭、シカも大切な自然、シカの防護さくを拡大することにした。


朝の番組で熊野出身女性料理人のドラマがありました。その中で環境レインジャーが出ていました。
やはりシカの食害が話題になるシーンがあり、増えすぎたシカの個体数を猟で間引く結論になったと
思います。つい最近の事ですから、未だに有効な解決ができていないのだとその時思いました。
有効な解決はあくまで私達にとって有効であり、シカの立場からはそれこそ「死活」問題ですね。
動物と植物、動物と人間、植物と人間、地球の歴史からみると人間の方がず~っと後輩なのですが…。

トウヒ
マツ科の常緑高木、本州中部山岳などの亜高山から高山にはえる。
高さ30m内外、樹皮は暗赤褐色、枝は水平に広がる。



News
2002年、神奈川県で現在「ニホンジカ保護管理計画(素案)」が持ち上がっています。
新聞などいろんなメディアを通して意見を募集しています。
目的及び背景として

1.丹沢山系のシカの個体数が増加し、分布域が拡大した。
2.ともなって造林地や農作物被害が発生している。
3.生態系の劣化と生物多様性の保全に影響がでている。
4.個体群の栄養状態の悪化が進んでいる

丹沢山地周辺の市町村(約74.000ha)に約2.400~4.200頭と推測されています。
1993年から2000年まで平均すると年間約500頭弱が狩猟や有害駆除で捕獲されています。
もっと詳しく知りたい方は神奈川県のホームページで詳しく紹介されています。
やっぱり古くて新しい問題なんですね。
この際、シカを家畜化するとか、オオカミを放すとかどうでしょうか?
冗談はさておき良い知恵が出ることを期待したいと思います。

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