蜡日(さじつ)

風雪(ふうせつ) 余運(ようん)を送るも
時の(すで)()するを(さまた)ぐること無し。
梅柳(ばいりゅう) 門を(はさ)みて植え
一條(いちじょう) 佳花(かか)有り。
(うた)えば(なんじ)(げん)得たり
酒中(しゅちゅう) (てき)するもの(なん)ぞ多き。
(いま)だ多少を明らかにすること(あた)わざるも
章山(しょうざん)奇歌有(きかあ)

大意
風や雪がいまなお冬の名残りを送ってはくるが、それでも春の気配がととのうのを妨げはしない。その証拠に、門を挟んで植えてある柳と梅の木の小枝にきれいな花が咲いた。わたしが飲んで歌うと、それが君の言いたいこととぴったり合う。酒の中には私達の気持ちにぴったりなものが何と多いことだろう。
あの章山にも、その実情はまだ詳かではないが、そのような人の本音を明かす珍しい歌がきっとあったにちがいない。

※章山、今の陜西省商県にあり、秦の始皇の時、東園公、綺里季、夏黄公、甪里(ろくり)の四人が隠れた山 「商山四皓」と称された


難解な詩とのことです。
そう思って読み下せば深い奥があるのでしょう。時の権力に抵抗してよく「喩え」で表現する「詩」はたくさんあります。
さて 「梅柳」 です。
梅と柳を門を挟んで植える、なんだか贅沢ですね。
梅は千六百年前とほとんど変わっていないと思います。春一番に花が咲き実も普通に利用されたでしょう。
柳は種類が数多くあります。
ケショウヤナギ、シダレヤナギ、コリヤナギ、ネコヤナギ、キヌヤナギ、バッコヤナギ、キツネヤナギ、アカメヤナギ、またこの中に細かく変種、園芸種とあります
中国に多い柳は「ウンリュウヤナギ」で特徴は枝が曲がっている。庭木や寺院に利用されます。南区の永田台小に一本あります、末裔でしょうか?



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