Q&A


裁判において、被告病院(順天堂大学医学部付属順天堂医院)が、厚生労働省 呼吸不全に関する研究班の認定基準の診断の手引き(原発性肺高血圧症)を自分に都合よく利用して主張し、その主張が採用されました。しかし私たちは、自分たちの主張が医学的に間違っているとは思いませんでした。
診断の手引きの内容に関して、難病情報センターへメールにより尋ね、回答をいただきました。引き続き質問をしたところ、「内容が専門的でありますので直接研究班の方にお問い合わせいただきたい」との返事があり、呼吸不全に関する研究班の事務局に尋ねました。以下はその詳しい内容です。

難病情報センターからの回答  

【質問】

1. 認定基準の診断の手引き及び臨床調査個人票も肺高血圧症の存在を示唆する聴診所見に「三尖弁口部の収縮期心雑音」があります。国枝武義先生(以前研究班)の文書に「肺高血圧症の病態として、右室の拡張から三尖弁閉鎖不全が起こると心尖部で収縮期心雑音を聴取する」とありますが、「三尖弁口部の収縮期心雑音」と「心尖部収縮期心雑音」とは違うのでしょうか?

2. 右心不全の症状として下肢浮腫が知られていますが、認定基準の診断の手引き及び臨床調査個人票には「下肢浮腫」の項目が挙げられていないので、原発性は原発性肺高血圧症を疑う必要はないという医師がおります。下肢浮腫は関係ないのでしょうか?

【回答】 answer_01.pdf へのリンク copyright(c)難病情報センター

厚生労働省 呼吸不全に関する研究班の事務局からの回答

【質問】

1. 「原発性肺高血圧症の臨床調査個人票」で、
イ) 診断の手引きにあります「主要症状及び臨床所見」の6項目の中には「下肢浮腫」の項目がありません。そこで「診断の手引き」になっていないから、「下肢浮腫」は無関係と断定してよろしいのでしょうか。

ロ) イ)の質問に関連しますが、「臨床調査個人票」の「現病歴」のなかに「5.右心不全の既往」というのがあります。そして呼吸不全調査班 平成10年度研究報告書130頁「重症度基準より見た原発性肺高血圧症の臨床検討」(栗山先生)の中に「今回右心不全の既往の判定としては、右心カテーテル検査にて右房平均圧が10mmHg以上であったもの、および診断時の臨床所見で肝腫大または下腿浮腫の見られた症例とした」とあります。そうしますと「下肢浮腫」「右心不全の既往」の中に含まれている考えて宜しいのでしょうか。

2.「原発性肺高血圧症の臨床調査個人票」で、
II 検査所見、1. 胸部X線のうち、2. 右肺動脈下行枝の拡大(最大径18mm以上)とあります。(但し計測位置及び方法については指示がない)
そこで医学文献を調べてみますと、
「肺血栓塞栓症の臨床:医学書院、1999年、国枝先生、中西先生他」の55頁に胸部X線所見の項目と計測の方法が以下のように書いてあります。すなわち
「右肺動脈下行枝径については右肺動脈本幹より下方に十分屈曲した後の最大径を計測」とありますが、計測位置は同上の写真が黒くてよくわかりません。
そこで計測の方法は上記と同じでよいのか、又計測位置はどこにあるのか、同封の写真に御教示ください。

 ※ 同封の写真…1999年12月15日(循環器内科初診日)に撮影した胸部X線写真のA4縮刷コピー

3. 「診断の手引き」及び「臨床調査個人票」の解説はあると便利ですが、ないのでしょうか。

【回答】 answer_02.pdf へのリンク copyright(c)厚生労働省 呼吸不全に関する研究班の事務局

 結 論

以上より、私たちの主張が医学的に正しいことを確認することが出来ました。
亡母は、循環器内科初診日から、肺高血圧症を疑って検査をしなければならなかったのです。