超音波検査審査の目安―2002年4月の審査合意事項ですが、参考になると思います。
UCG+パルスドップラーの算定(1000点) |
心弁膜疾患・先天性心疾患、心不全、心筋症、心房細動、心房粗動、心筋梗塞、狭心症、川崎病等の心疾患、及び他の検査で心肥大の認められた患者。 |
心弁膜疾患、先天性心疾患、心不全、心筋症等の心疾患の疑い |
UCGのみ(800点)パルスドップラー不可 |
高血圧、不整脈(心房細粗動以外で病名のあるものに限る)、大手術前の心機能検査、初診或いは緊急時の急性心筋梗塞並びに狭心症の疑い |
UCGを認めない |
心筋梗塞の疑い、狭心症の疑い、不整脈の疑い、高血圧の疑い、心疾患の疑い、心肥大の疑い等、他の手段で確認出来る疑い疾患(診断が確定すれば可となるものもある) |
※UCG…Ultrasonic cardiogram 心エコー図
外来での施行は、たった一回です。
救急外来時(1998/12/26)に、T医師がポータブルで行いましたが、記録は残っていません。
1999年6月29日、脳外科外来時に脳外科教授(院長)の「下肢のみならず、顔面にも浮腫が目立っています」との指摘で、ようやく担当の医師は心エコー検査を依頼しました。心臓超音波検査室の初見医師によって、肺高血圧症が明らかになりました。その結果、下肢浮腫が右心不全の症状であることが分かりました。しかし、この重大な検査結果を、担当医師だけではなく院長も隠蔽しました。
同日、2〜3箇所下肢から水が滲み出ていたのに気付きました。
検査日:1999/06/29
画像(画像をクリックすると拡大された画像が見られます)
【Comments】
LV:mild hypertrohhyを呈します。内腔は狭小化しています。IVSはRV側より圧排され平坦化しています。total functionは保たれています。
RA, RV, IVCは拡大しています。PAの拡大はありません。
TR flowは4.2m/s。推定RV圧はmax75.6mmHg, mean60mmHgと上昇しています。
明らかなshunt flowは認めませんが、可能でしたら経食道超音波での確認をお願いします。
【Measurements】
LVDd(<55) | 左室拡張末期径 | 31mm | LVEDV(<150) | 左室拡張末期容積 | 38ml |
LVDs(<40) | 左室収縮末期径 | 21mm | LVESV(<60) | 左室収縮末期容積 | 14ml |
IVS(<11) | 心室中隔 | 13mm | |||
IVC(<18) | 下大静脈 | 22mm |
【Echocardiographic diagnosis】
※ LV―左心室、RA―右心房、RV―右心室、TR―三尖弁逆流、PH―肺高血圧症、LVH―左室肥大。
依怙地になって心臓超音波検査を行わないと、患者の命に係ることになります。素直に心臓超音波検査を依頼しましょう。