心臓超音波


■ 心臓超音波検査では

  1. 断層法による形態的評価
    右房、右室の拡大。左室の縮小。心室中隔の平坦化。下大静脈の拡大を認めれば肺高血圧症の存在が推定。
  2. ドップラー法による機能的評価
    三尖弁逆流(TR)がある場合は肺動脈収縮期圧の推定が加納。
    三尖弁逆流の最大血流速度から右心室と右心房の収縮期圧較差が求められる。この圧較差計算には簡易ベルヌーイ定理△P=4V2を用いる。平均右心房圧10mmHgとして加えることで肺動脈収縮期圧が推定される。
    一方、肺動脈弁逆流血流速度から同様にして肺動脈拡張期圧が推定される。

■ 心臓超音波検査を施行するには

 超音波検査審査の目安―2002年4月の審査合意事項ですが、参考になると思います。

 UCG+パルスドップラーの算定(1000点)
心弁膜疾患・先天性心疾患、心不全、心筋症、心房細動、心房粗動、心筋梗塞、狭心症、川崎病等の心疾患、及び他の検査で心肥大の認められた患者。
心弁膜疾患、先天性心疾患、心不全、心筋症等の心疾患の疑い
 UCGのみ(800点)パルスドップラー不可
高血圧、不整脈(心房細粗動以外で病名のあるものに限る)、大手術前の心機能検査、初診或いは緊急時の急性心筋梗塞並びに狭心症の疑い
 UCGを認めない
心筋梗塞の疑い、狭心症の疑い、不整脈の疑い、高血圧の疑い、心疾患の疑い、心肥大の疑い等、他の手段で確認出来る疑い疾患(診断が確定すれば可となるものもある)

 ※UCG…Ultrasonic cardiogram 心エコー図

■ 心臓超音波検査

外来での施行は、たった一回です。
救急外来時(1998/12/26)に、T医師がポータブルで行いましたが、記録は残っていません。

1999年6月29日、脳外科外来時に脳外科教授(院長)の「下肢のみならず、顔面にも浮腫が目立っています」との指摘で、ようやく担当の医師は心エコー検査を依頼しました。心臓超音波検査室の初見医師によって、肺高血圧症が明らかになりました。その結果、下肢浮腫が右心不全の症状であることが分かりました。しかし、この重大な検査結果を、担当医師だけではなく院長も隠蔽しました。
同日、2〜3箇所下肢から水が滲み出ていたのに気付きました。

  検査日:1999/06/29

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【Comments】

  LV:mild hypertrohhyを呈します。内腔は狭小化しています。IVSはRV側より圧排され平坦化しています。total functionは保たれています。

  RA, RV, IVCは拡大しています。PAの拡大はありません。

  TR flowは4.2m/s。推定RV圧はmax75.6mmHg, mean60mmHgと上昇しています。
  明らかなshunt flowは認めませんが、可能でしたら経食道超音波での確認をお願いします。

  【Measurements

  LVDd(<55) 左室拡張末期径 31mm   LVEDV(<150) 左室拡張末期容積 38ml
  LVDs(<40)   左室収縮末期径 21mm   LVESV(<60) 左室収縮末期容積 14ml
  IVS(<11) 心室中隔 13mm      
  IVC(<18) 下大静脈 22mm      

  【Echocardiographic  diagnosis

※ LV―左心室、RA―右心房、RV―右心室、TR―三尖弁逆流、PH―肺高血圧症、LVH―左室肥大。

■ 結論

 依怙地になって心臓超音波検査を行わないと、患者の命に係ることになります。素直に心臓超音波検査を依頼しましょう。