HALF AND HALF JOURNAL
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La Cour Pénale
Internationale 国際刑事裁判所(CPI)7月1日開設 ☆この新しい司法機関が裁くのは、ジェノサイド(大量虐殺)の主謀者・人間性の侵害・戦争犯罪である。地理的な制限はない。この観覧席に不在者は無数にいる、とLe Monde紙のクレール・トレアン(Claire Tréan)は書く〔1〕、合衆国、ロシア、日本、中国、インド、パキスタン、イスラエル、ヨルダン以外のアラブ諸国、それらがとりわけ、ニュアンスの違いはあれ、CPIの条約承認に否定的なのは国際社会の将来に暗い影を落とす。対照的に熱心に支持したのは、処罰されない権力に反対して戦う世界中の千近い非政府機関(ONG)である。CPI創設のための国連の外交交渉の場にオプセルヴァトゥール(観察者)の資格で出席して、秘密交渉を排除した。非政府機関の勝利である、と記者は言う。確かに国家の力が弱まることを恐れる人たちがいるだろうが、その機械的な活動を未然に防いだり傷跡を癒したりする自律的で効果的な機関が作られない現実を考えれば、国際刑事裁判所は国家意志を抑圧することが可能な存在である。これは、核兵器よりも平和的な手段である。 ☆
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VOL.86 2002.7.1 MODE ACTUEL MODE ACTUELLE 一部修正 1
Le Monde : ル・モンド。2002年4月 |
裁判をめぐる対話 ☆ ☆ ☆ 編集長一裁判は復讐のためにある、と日本人の多くは信じているかもしれない。しかし、人間がなぜそういうことをしたか、一緒に考えるためだ。人間は被告だけではなく、裁判官、検事、弁護士、無関係な人々すべてだ。 放送局長一ああ、人間が被告だ。でも、日本は、まだ国際刑事裁判所(CPI,ICC)の条約を批准しないねえ、君。 特派員一条約に加盟しないかぎり、訴えられないからですよ、主犯(auteur、つまり作者)は。そして、〈所属民(resortissants)〉は保護されないということです〔1〕。日本政府が何を考えているか、分かるでしょう? 編集長−NGO排除騒ぎからの外務省と小泉政権の分裂抗争は、これを背景に置くと、おもしろいね。CPI条約に加盟しないのは国内法との調整に手間取っているという理由だが、ね、国民保護を真面目に考えるなら、武力攻撃事態法なんかよりもCPIの方が大事だ。 放送局長一そう。Le Pointのインタヴューに答えて、クロード・ジョルダ(ClaudeJorda 旧ユーゴスラビア戦犯裁判長)は明言している〔2〕。最高指導者を裁くのが狙いだ、と。それが政府を苛立たせてると思うね。 ナモネ氏一欠点は、テロリストを提訴できないということだな。 アロマ一報道機関は何よりも条約の詳細を隠しておかないことね。 特派員−そこですよ。国際刑事裁判所に提訴する権利があるのは国家だけか非政府機関などもできるのか、分からない。 ☆ ☆ ☆ HHJ VOL.87 2002.8.7 無意味な破片 1
ressortissants : ルソルティサン。海外居住者などのようにある国籍に所属する者。自国民。 2
Le Point : フランスの週刊誌ル・ポワン。2002年4月 |
これについてもっとよく知るために
x HP La Cour Pénale Internationale
CPI 国際刑事裁判所が活動開始